テアトルダイヤにて空の境界最終章と、センコロールを見てきました。平日の夜に映画を2本も見るなんて珍しいことをしてみたけど、時間が上手く取れたので。東京方面から池袋まで行くのは面倒だったけど、テアトルダイヤでしかやってないんだから仕方ない。
サービスデーだから2本観ても2000円だったわけだけど、正直どちらも値段以上の価値はなかったかな、という印象。

テアトルダイヤは、丁度一年ほど前のマシュランボーイベントで行って以来、リニューアル後は初めての来場となるんですけど、なんというか狭くなったね。ロビーはともかくとして、スクリーンを2つにしたもんだから、1スクリーンごとの場内が凄い手狭に感じた。もう、イベントみたいなことは出来ないんだろうなと思うし、まだ慣れてないのもあるんだろうけど、なんかしっくり来なかった。
チケット引き換えてから上映までしばらく間があったので、新宿書店のほうに足を運んでみました。昔は、旧ゲーマーズ池袋店と同じビルにあった書店ですが、今もアニブロゲーマーズが入店しているビルの隣にあるので、なんというかその手の店舗は近くにあるのが定めなのかなと。もっとも、移転した新宿書店池袋店舗に関しては、かなり規模が縮小しているというか、想像以上に手狭で横浜のたちばな書店よりも狭かった。目当ての本は当然なかったし、というかアンソロジーコーナーが凄く小さい。気づかないほど小さい。やはり新宿店に行く方がいいのか、それとも素直に秋葉原で探すべきなのか、趣味ではないがネットで注文した方がいいのか……基本的に考え方が古いから、本だろうとなんだろうと店で買うものだと思ってるんですよね。エロゲに関しては、オフィシャル通販特典とかがあるから妥協しているけど、本当は店舗で買うのが大好き。
新宿書店に寄った後は隣のセブンイレブンで飲み物買って、テアトルダイヤに戻る。空の境界もセンコロールも同じ列の似たような席を取ったんだけど、空の境界のほうはど真ん中だったかな。上手い具合に席があったもので。客の入りは、空の境界のほうは半分と少し入っていたぐらいか。まあ、センコロールと違ってテアトル新宿とかでも見られるし、そもそも連日4回も上映しているわけだから段々と観る人が少なくなっているのかも。逆にセンコロールはモーニングショーとレイトショーの2回のみ、関東ではテアトルダイヤだけの上映だから人が集中しやすいんでしょう。平日の朝から映画を観られる環境にある人がどれだけいるのかは知りませんが、レイトショーに集中するのも分かる気がする。昨日がサービスデーってのもあったんだろうけどさ。

空の境界最終章に関しては、まあ、こんなものかという感じ。きのこには昔から薄い縁があるもんで、彼を崇拝している人間を見ると失笑してしまう嫌な奴なんですけど、それはあくまで個人と個人の問題。映画の内容とは関係ない。ただ、その映画にしてみてもなんというか、パッとしないというか、声優の演技は高評価なんだけど、映像的やシナリオ的に考えると……地味だよねぇ。元々、空の境界自体が話としては複雑で、いや、複雑なように見せかけている作品だから映画という媒体で表現するにも難しいんだよね。今のラノベアニメの多くに言えることだけど、文章として完成されている作品を映像に置き換えるのは結構な技術と能力がいるわけで。私は所謂カニバリズムに対する嫌悪感を持っている人間なので、最初からこの話に関しては嫌いであるという認識から観ていたので、上映後もその評価は大して変わらない。気持ち悪いったらありゃしない。ユーフォーテーブルは作画と動画クオリティだけならトップレベルだから、生々しい表現と映像を見せつけてくるわけで。肉が食えなくなるじゃないか。
空の境界最終章は、話自体はまったくもって解り易い。上で複雑だと書いたけど、それは空の境界という全体を考えてのことで、この7章に関してだけ言えば要するに伏線の回収や過去への決着であるからして、出来る限り分かりやすくないと意味がないんですよ。そう考えると映画のラストは肝心な部分、第三の両儀式が登場しなかった点で説明がし切れていない気がするけど、敢えてそれを削除することで小難しい部分を出さずに済んだというか……それでも全体的に地味だわ、やっぱ。音楽と映像、シナリオがかみ合ってない。いや、音楽と映像にシナリオが追い付いていないというべきか。空の境界自体、別に大作でもなければ傑作でも名作でもない作品だから、これは仕方ないのだろうけど。
声優の演技力については文句なかったし、特に保志総一郎は見事としか言いようがなかったけど、よくよく考えれば主演の鈴村健一とは事務所の先輩、後輩の間柄。某作品を踏まえるとなかなかに因縁のある相手ですね。あ、そう考えると坂本真綾もか。
まあ、1章~6章まで観てきた作品だから最後まで観ようと思ったわけだけど、最初から最後まで私にはピンと来ない作品だった。精々、3章が良かったぐらいか。内容的にはともかく、能登麻美子の演技が。そういえば、最終章のスタッフロール見て、たなか久美がレポーター役で出演しているのを見て目を疑ってしまった。移籍して改名してから名前見なかったけど、こんなところで声を聴けるとは。まあ、声で気がつなかったから驚いたんだけどね。いやー、凄いびっくりした。

センコロールに関しては、花澤香菜がヒロインってだけで観るのを決めた作品だから、事前情報は公式サイトぐらいなもので、そもそも来たいとかそういうのをして観に行った作品じゃありません。自主制作アニメーションと言われてもそんなものは数年前に新海誠がやってますし、一人で作ったから凄いというわけでもないでしょう。器用だな、とは思いますけど。
30分の作品ということで足早な内容でしたけど、映像的にはあんまり動かない。とんでもなく動くのかと思ってたのに、これといって動かない。面白くないわけじゃないし、個人で作ったということを考えれば、まあ、こんなものかという感じではあるんだけど、お話としては全然尺が足りてない。なにがしたいのかは分かるんだけど、なにがしたかったのかを伝えてるだけというか、一つの大きな話、例えば1クールないし、2クールのアニメの1話を切り取っただけというか、そんな印象を受ける。30分のアニメ映画ってのはそう珍しいものじゃないけど、深みが足りないんだよね。内容的に。続編を匂わせるような構成の仕方も、私としてはあまり好きじゃない。後、下野紘はともかくとして、花澤香菜があんまり合ってないんじゃないかな。結構、アニメ声の人だから、ああいう色合いのアニメのヒロインだと声が浮いている気がする。まあ、この二人も共演が多いから、掛け合いという意味では自然だった気もするけど。
だけどまあ、それでも個人製作ということを考えると、これと言って酷評するようなところもないし、決してつまらないわけじゃなかったから良いのかも。空の境界よりは面白かったと思うし。斬新さは皆無だけど、新鮮味はあった。

でも、正直にいえばシネ・リーブル池袋で星に願いを Fantastic Catでも見た方が良かったような気がしないでもない。あれは5日まででしたか。さすがに観に行く時間はないなぁ。金銭的にも厳しいし。一つ言えるのは、空の境界にしろセンコロールにしろ、DVDを買うようなものではないね。まあ、センコロールは明らかに続編を狙っていそうだし、もう少しだけ見てみたいという気はするんだけど……いやはやなんともはや、どうなることやら。

コメント