通常版だと微妙に色合いというか色味が違うんですね。こっちの方が濃いというか、CMYKな感じがするというか、実際に違いはあるんでしょうか。通常版も一つぐらい買っておいた方が良かったのかな。
でも、同じ値段なら初回版を一つでも多く欲しいよね。

そんなわけで、ハルカナソラのプレイ日記というか、レビュー的なものを始めます。攻略じゃないよ、攻略する部分ないし。あ、ネタバレ全開だから、そこはご了承ください。


堅物な委員長だって恋をするのです(突発性誇大妄想肥大化症候群)

待ちに待った、待望の委員長シナリオ。委員長こと倉永梢がサブキャラクターからの昇格という形でショートストーリーのヒロインを務めます。最初に意外だったのが、委員長の視点や回想から始まり、その後も常に委員長視点で固定されているところ。ヨスガノソラの主人公である、ハルの視点ではないんですよ。委員長から見たハルや、ハルへの想い、ハルがいる学園生活などがメインで、それは恋に恋する少女的な妄想や願望が混じったものではあるんだけど、始終コメディタッチに進行していきます。空回りって奴かな。自分自身の妄想や想像に振り回される委員長。
ハルの周囲に集まる人間、瑛や一葉、奈緒といった面々や、もっとも彼と近い存在である穹との出会い。あのヒゲの人、中里さんは無視してください。私も無視しますはともかくとして、そういった関係や出会いの中で、委員長はハルのことというよりも、まずは彼の周囲にいる女の子たちに対して強く意識してしまう。まあ、恋する少女としては恋愛対象が女子に囲まれてたら気が気じゃないでしょうし、それは判ります。
いきなり、奈緒を校門で待ち伏せて関係を問いただそうとする行動力は凄いですけど、バレバレとはいえ一瞬で委員長の気持ちを見抜く奈緒。この時点で、まだ穹とのわだかまりも解けていないはずなのに、奈緒には年長者としてのどことない余裕がありますね。
この委員長シナリオでも、やはりもっとも密接に関わってくるのが穹です。出会いは最悪というか、ハルの留守中に春日野家を訪ねた委員長が、妄想全快でキャッキャウフフしているところに、表が騒がしいことに気付いた穹が顔を出すという……
穹シナリオにおける穹と委員長の関係は、序盤から中盤に掛けてまで比較的良好で、それは多分に委員長の気遣いと努力もあったんでしょうけど、ここら辺に関してはいつだったか日記に書いた委員長考察が詳しいです。そして、そんな二人の関係が、この委員長シナリオでは逆転しているというか、穹からしてみれば委員長は自分の家の庭先にいた不審者ですからね。ハルの学友と言うことで、少なからず対応はやわらげたんですけど、委員長が奈緒にもあっさり悟られたように、判りやすくハルへの好意を剥き出しにしてしまうから、またすぐに不機嫌に。
けれど、委員長は穹に悪印象を持っておらず、それどころか類い希な美少女として惚れ惚れします。美若干の付き合いづらさ、自身が敬遠されていることに戸惑いを憶えているようですが、そんなことでめげる委員長ではありません。
例えば、穹がハルと一緒のクラスでないことを不満に想い、
「委員長は……同じクラスなのに……」とか、「……代わって。クラス」
などの無理難題を言いますが、それも恋する乙女のパワーで全力回避です。
穹は敏感なんだよね、委員長の判りやすい想いを見抜いた上で、「委員長には教えない」とか、委員長にハルのことを話したがらない、意地悪な面を見せます。まあ、意地悪と言うよりハルを取られまいとする防衛意識からなんでしょうけど、委員長はそこまで気が回らないというか、思い至らないでの全然気付きません。そりゃあ、穹がハルのことを愛していることを、なんの説明も目撃もなしに理解したのは瑛だけだけど、彼女は別格ですからね。

それにしても、少し話ずれるけど乃木坂さんというかダメイドは微笑ましいねぇw
やひろのシナリオで詳しく書きますけど、ファンディスクにおいて一番印象が代わったのはこのキャラだったりする。それまではなんというか、これといって興味がなかったのでスルーしてきたけど、こうしてサブキャラとして要所、要所のギャグ要員を果たしているのは面白いですね。しかし、三回目のお見合いにチャレンジする苫米地さんちの娘さんとは一体。有名な洗脳・催眠学者の苫米地博士と同じ苗字ですけど、知らない人は読めないんじゃないかな。そうでもない?
話戻して、飲んだくれたダメイドをハルが介抱しているところを目撃し、委員長は軽く混乱に陥るわけですが、そのあまりにダメップリな姿に呆れ、あまつさえハルにちょっかいだそうとしていたのに腹を立て一喝してしまいます。すっ飛んで逃げ出す初佳。けど、酒飲んで一晩すれば忘れるよとか、ハルも何気に酷いですね。事実とは言え。
このように委員長は、奈緒、ダメイド、瑛、一葉などの順に、各ヒロインのハルに対する感情を気にしていくんですが、印象的だったのは渚さん。あぁ、なんでか私って一葉のことを渚さんと呼んでしまう。彼女のハルに対する距離感というか、そういうのについては以前書いたと思うけど、やっぱり瑛が強く影響してるんですね。多分、瑛が仲良くしていなかったらハルとは単なるクラスメイトで終わったんだと思う。偶然と言うよりは必然なんだろうけど、渚さん自身相性が悪いと認めているハルとの交流を拒まず、むしろ積極的に行おうとしているのは瑛のためでもあるんでしょうね。瑛はそれに気付いてるんだろうけど、ハルと渚さんが仲良くなる分には全く問題ないから、敢えてなにも言わないと。
それにしても、委員長シナリオは基本的にヨスガのシナリオをベースに、それを委員長ヒロインに置き換えた感じなんですが、祭りのパートはヨスガのほうが良かったかな。なにも穹の巫女服姿が文章記述のみで終わったこととか、どこの誰とも知らない奴らが撮影会をしていることに憤りを憶えたとか、委員長なんてどうでも良いからハルはさっさと迎えに行けというか助けに行けと思わないでもなかったけど、それ以上に会話が……ヨスガの穹ルートにおける会話は、二人が求めているもの、望んでいるもの、感性の違いが大きく出ていたと思うんですよ。結構好きなシーンだったので、そこが大きく代わってしまったのは残念というかなんというか。

夏休みに海に行くイベントがヨスガにはあって、委員長シナリオではその過程として水着の試着会をするというシーンが追加されてます。場所は何故だかハルと穹の家だけど、親のいない家庭が子供たちのいい溜まり場になるのは良くあることです。鍵っ子の家とかさ。ハルも断れないタイプだから、飲んだくれの初佳とかをほいほい家に上げちゃうし、まあ、それに比べたら女の子たちが水着の試着をしてみるぐらいのことは、軽く許容出来るのでしょう。
このときの穹の行動が面白いというか、水着に着替える際、恥ずかしがり屋な委員長が穹にバスタオルを貸してくれといって、穹はそれを別室にいるハルに持ってこさせたんですよ。当然、穹や委員長がいる部屋では女子が着替えているはずで、ハルは中に入って大丈夫なのかと訊ねます。
すると穹は、「……問題ない」と、今まさに着替えが行われている部屋にハルを招き入れます。瑛はともかくとして、女子はもう大パニック。ハルだって混乱してますけど、穹はなかなかに策士ですね。無意識の行動というか、絶対に問題ないとは思っていないはずなんですよ。この状況でハルを部屋に入れたらどうなるか、穹には分かり切っていて、分かり切っていたからこそ敢えて室内に入れたんです。昼下がりの春日野家にこだまする女子の絶叫、渚さんのスペシャルコンボで叩きのめされ、トドメを刺されるハル。
穹はこれによってハルが女子から受ける好感度が、幾分か減少することを期待していたんだと思います。もしくは、嫌われてしまえばいいぐらいには考えていたのかも。着替えを堂々と観られてしまったわけですし、瑛はともかくとしても、他の女子としてはそれほど気分が良いものでもないはずです……普通は。ただ、渚さんはハルをボコボコにして意識まで刈り取ったから、それに対する自責の念が、羞恥心を上回ってしまい平謝り。奈緒はなにせああいう関係でしたし、気にすることはするでしょうが、殊更目くじらを立てるタイプでもないです。それに、そもそもハルだったら大丈夫なんですよ。穹にミスがあったとすれば、ハルがイケメンだと言うことです。ハルは美少年なんです、穹が美少女であるように。イケメンにだったら裸の一つや二つ見られてもいいわ、という女子も世の中にいるんですよ。
ハルだからまだマシだった、ハルだから大丈夫だった、まあ、ボコボコにされた状況のどこか大丈夫なのかってことでもあるけど、穹の目論見は外れてしまったわけで、あるいはここで一つの区切りがついたのかもね。穹的に。

実際の海イベントでは、委員長とハルが二人でボートに乗ったりしてますけど、ジャンケンの結果とはいえ穹が良く認めたな。穹としては委員長の存在は面白くなくて、決して嫌いではないんだけど好きになることが許せないとでも言いますか、そんな感じなんだと思います。ボートが沖に流されたときは、かなり焦ってましたし。委員長シナリオとはいえ、やはり穹に目が行ってしまいますね。
穹が委員長を受け入れ、認めた理由というのはハッキリしていないし、私としては釈然としないものがあります。でも、別に明確にする必要はないというか、明確に出来る物でもないと思うんですよ。だから敢えて触れずに、核心は覗かないで済ませようとする。いいんじゃないですかね、委員長のシナリオなんだし。なにかしらの理由は必要だと思うし、推測や憶測はいくらだって出来ますけど、それを考察してもなんだかね。結局、このシナリオにおける穹は委員長を認めて、認めた上で自身の居場所を確保したわけですから、それもまあ、選択肢の一つだったのではないかと。
決断と言うよりは判断、穹の複雑な心境が垣間見える気がします。委員長告白後の初デートについてきた際も言ってましたけど、穹としては妥協しただけにすぎないんですよ。委員長という存在がハルを奥木染に繋ぎとめるなら、それも仕方ないだろうぐらいの感じで。将来的に別れることまで計算してますけど、あれは本音だと思う。

告白シーンまでギャグなのは苦笑しちゃいますけど、そこから先は特に書くことがないというか、晴れて恋人となったハルと委員長の話が展開されるわけなんですけど……なまじ、委員長視点だからハルの反応に実感が沸かないというか、告白された、OKした、じゃあ付き合いましょうって流れには違和感がないでもない。ハルの反応から、委員長に対する好意はともかくとしても、恋心的なものが伝わってこなかったんですよ。
更に私が一番残念というか、変だな~と感じたのが、エロシーンというかエロイベントなんですけど、ここまで長々と委員長視点でやって来たのに、エロに突入した瞬間にハル視点へと切り替わるんですよ。それが不可解というか、いきなり感がありすぎて。前述のようにハルの心や気持ち、内面的なものがまるで見えてなかっただけに、この視点切り替えはかなり微妙でした。

妄想に始まり妄想に終わる、一瞬夢オチか、夢オチなのか!? と思わせる辺りは委員長らしいと思いましたけど、私としてはいっそ夢オチのままでも良かったのではと思う。いや、別に委員長の恋物語を全否定したいわけじゃなくて、コメディタッチに進んできただけに、そういうありがちなオチ付けも面白いんじゃないかなーと。FDのショートストーリーだしね。
長く書いてきましたけど、委員長シナリオはとりあえずここまで。書きたいことをダラダラと書いたのでまとまりは良くありませんが、近日中にHPのほうで新たにヨスガノソラ、ハルカナソラのコンテンツページを作ろうと思うので、そこでもなにかしら書くと思います。
それと、委員長については穹シナリオの際にも色々書かせて貰います。むしろ、私としてはこっちのほうがメインになるのかな。委員長シナリオの委員長は決して嫌いじゃないんだけど、私の感性や好みからすると……二人の委員長、この対比は結構見物でした。多分、委員長シナリオにおける委員長は、ハルと長続きしないと思うんですよ。上記の穹じゃないけど、きっと別れる。ヨスガノソラの穹ルート、前述した祭のイベントがありますけど、あの時の会話からも分かるように、ハルと委員長の間には価値観の相違があると思うんですよ。感性の違いとでもいいますか、委員長はハルが捨てたもの、逃げてきたものに対して強い憧れとこだわりを持っていて、逆にハルは委員長がどうでもいいと思っているようなものに愛着がある。初恋の熱が冷めれば、その辺りから亀裂が生じるんじゃないかな。求めてるものと、望んでいるものに差があり過ぎるから。

委員長シナリオだけで随分と書いてしまったので、やひろシナリオをどうするか考えています。ぶっちゃけ書くことがないというか、あんまりシナリオとして面白味を感じなかったので、はてさてどうしたものかと。基本的に年上属性ないし、それ以外にも色々と不満があったというか、うーん、微妙だ。
あ、AKIBAゲームフェアについてですけど無事に行ってきましたよ。こざっぱりとしたイベントで、クリアファイルもタペストリーも無事ゲットできました。というか、30分もかからず終わったね。ああいう疲れないイベントは好きです。帰ったらすぐにハルカナソラの続きもしたし、幸せな休日送っています。さて、最後が長くなるのもあれなのでとりあえずまた明日。

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