あかりりゅりゅ羽が大変なことになってるようですね……やはりこの業界の定めなのか、よく分からない病気にかかっているらしいです。原稿とは関係ないと言っているけど、いや、原稿以前に身体の方が心配だ。長生きできない商売だし、潰しも利きませんからね。常に身を削って作業しなくてはいけない。私の知っている人間も、幾人か会うところの出来ない場所まで行ってしまった。

岩舘こうが死んで、もう2年になるんですね。彼だけじゃなくて、色々な人がここ数年の間に逝ってしまった。最近、秋桜の空にのドラマCDを暇つぶしに聴くことが多くて、なんとなく思い出してます。私は絵描きじゃなくて物書きだけど、絵描きの知り合いがいないわけでもなくて、コミケなどの同人誌即売会や、エロゲなどを通じて知り合った人がそれなりにいました。過去形なのはほとんどが今現在は疎遠なのと、上記のとおり既にいなくなってしまった人が多いから。
好きなことをやり続けることがどれほど大変で、身を削らなければ生きていけない現実があって、そうした中で倒れていった人たちを何人も知ってます。立ち上がれなくなる前に進むことを辞め、引退した人もいます。私はその人を否定しないし、死ぬよりはマシだというレベルまで追い詰められることがこの世界にはあるんです。
みんな真面目というか、生きること、生き抜くことには必死だね。私は自分がどれだけ適当に生きているかをよく分かってるし、気を抜くところでは本当に気を抜いているから、それほど追い詰められてはいない。将来に対する漠然とした不安とかはあるけど、より良い流れを進む自信があるんだよね。今までもずっとそうだったから。
こういう仕事をしていると誰しも先行きや将来に対して不安を抱えていて、そういうものが必要以上に神経を刺激して、物書きや絵描きを生き急がせてしまっているのではないかと思う。そこまでする必要があったのかと感じる場面にもたくさん遭遇してきたし、会う度に顔色や挙動が酷いことになっていた人もいました。
これがリアルだなんていうつもりはないし、不安を煽るつもりはないんだけど……切ないというか、やるせないというか、生きるために死んでいくというのは最悪の矛盾だよ。鳴瀬ひろふみなんかも体調悪いみたいですし、他にも幾人か倒れたという話を耳にします。もはや日常茶飯事みたいに受けとめられてるけど、感覚の麻痺って怖いよね。

職業柄、商売柄、健康に生きるなんてことはどうしたって出来ない業界です。騙し騙しね、みんなやってるんですよ。私は時間的に限界ギリギリまで自分を追い詰めて、極限まで自分の身体を酷使するという割と馬鹿なことやってますし、みんな自分のやりかたで頑張っている。
誰かが、というか私が最も好きな作家曰く「プロとはそれだけで飯が食える存在だ」と言っていました。完全に同意しますし、その通りだと思うけど、この業界でそれを目指すのがどれだけ大変なことなのか。実質、食えないことはないんですよ。専業で食ってる人は沢山いるし、作業的問題からも兼業はなかなかに難しい。だけど、その為にはたくさんの仕事をこなしていかなければいけないわけで、食えることそれ自体はゴールでもなんでもないんですよね。目指すべきは安定であって、身も心もボロボロにした先に掴み取らなくてはいけない。けれど、その頃には時代や世代が変わっていて、自分の技術が通用しなくなっており、飽きられてしまう。七瀬葵がコミケ等の同人誌即売会に復活したとき、私は凄いことが起こるだろうと確信していました。なにせ伝説を持っていますからね、あの人は。
しかし、現実として開催されたコミケでは大した列もなくて本だけなら難なく買えるという状況。知り合いと共々驚いた記憶があります。たった、4~5年同人活動休止をしていただけで、こうも変わってしまうものなのかと。どんぼも似たような感じだったのに。
こういう事態を避けるためにも早く安定を得ようとして、みんながみんな生き急いでしまう。悪循環なんですかね、これもまた一つの。

夢も希望もないようなことを書いてますけど、本当に最近多くてさ。誰が倒れたとか、あの人が逝ってしまったとか。健康的な生活を送れとは言わないし、そんなことは不可能だと分かっているけど、もう少し身体は大事にして欲しいよ。生きるために死んでどうするんだと、たまに叫びたくなる。
余裕の欠片もないような人生を歩む、自らが望んだこととはいえ、なんともまあ物悲しいことか。私にしたところで他人事ではないし、こういう業界で生きること決めたからには避けては通れないんだけど……いやはやなんともはや。薄暗い話になってしまい申し訳ありません。
これしか能がないからね、私にはこれしかできない。あるいは他の生き方もできたのかもしれないけど、成人した頃には私は自分の歩むべき道を固定してしまった。まあ、それに対しての後悔はしたことないけど。

コメント

nophoto
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2009年11月6日15:39

病気になった人なら何人か知り合いにいますが…やっぱり多いんでしょうか……
自分の好きなことを徹底的にやって、それを生業にするために突き進む姿は、安定を選んだ人間から見ると本当に眩しくて、生き生きとして、羨ましくてしょうがないんですが、身を削っての輝きだと思うとどうにもやるせないです。
無駄なことかもしれないけど……どうか体を大事にしてください。

自分がコメしたせいで変なの呼び寄せちゃって、本当に申し訳ありません。
自重します。

MLW
2009年11月6日17:31

まあ一つ言えるのは、作家や絵描きなんてなるものじゃないってことです。

私の場合は、業界でしか生きられそうもないと、自他共に認められるぐらい他に能がなかったので仕方ないですが、まともな生活をしたい人には絶対にお勧めできません。他に出来ることがあるならそっち方が良い。夢というのは蜜のように甘いくせして、その実態は毒のように身体に沁み渡っていくものですから。

コメの件は良いですよ。そろそろ決着も付くみたいですし。色々あるみたいですけど、これまで通り書いて貰って構いません。むしろ、その方が嬉しいのでー。