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コミカライズ版ヨスガノソラも第4話になりまして、今回から少し表記を変えてみました。今まではタイトルにコミカライズを入れていたんですが、それをコンプエースに変更。コンプエースで飛んでくる人が多いからね。そっちの方が判りやすいでしょう。なんというかヨスガノソラのコミカライズにはばらつきがあるというか、先月号が結構良かっただけに、今月号のラストは非常に残念な展開の気がしてなりません。しかも、ラスト以外は概ね良い感じだっただけに、満足できるはずの読了感を奪われてしまったというか。コンプエースは春日野穹をどうしたいんでしょうね。

前回からの続きで、夕飯のカレーを食べているハルと穹。このときの穹を見つめるハルの表情は意味ありげで、ハッキリ言ってプレイボーイな微笑みを浮かべています。ハルカナソラでの瑛の言い草ではないですが、如何にも遊び慣れた感がするのは何故でしょう。ハルとしては、ようやく一緒にご飯を食べてくれるようになった穹が嬉しいようですが、見つめられた穹は気恥ずかしさに赤面しています。
そしてカレーを食べながら、ふいに穹はこんな事を訊ねます。

「ねぇ、ハル。ご飯とか作るのやっぱり大変?」

そりゃまぁ……と答えるハルですが、どうして穹が急にそんな質問をするのか判りません。

「べ、別に何でも…何でもないわよ」

という感じにタイトルと表紙へ。今回は瑛と渚さんですね。見た感じ神社の境内を二人で歩いているといった感じでしょうか。この表紙からも判るように、第4話の半分はこの二人の話になっています。

僅か表紙を一枚挟んだだけで、既に夏休みに突入しているという飛ばしっぷり。確かに学校でのイベントは前回のプールぐらいしかないからなぁ。個人的には瑛と穹の会話を描いて欲しかったんだけど、省略されてしまいました。
ハルは夏の暑さにへたばっていて、なにもやる気が起きないとだらけています。働き者のハルにしては珍しいですが、そこに一本の電話が掛かってきます。相手は瑛で、なんでも神社で行われる夏祭りの準備を手伝ってくれないか、と言うお願いでした。それに対しハルは一瞬前までなにもやる気が起きないとか言っていたのに、即答を持って了承します。さすが、女の子の頼みとなれば迷いません。即断即決、これがマメな性格という奴なんですね。
その電話見ていた穹が、「出かけるの?」と訊ねてきたので、ハルは天女目の神社まで行ってくると答えます。穹は、「瑛の?」といって軽く驚きを見せますが、この時点で既に瑛を名前呼びしているんですね。省略されたけど、ちゃんと交流は深めていたようです。
帰りは遅くなるかも知れないというハルを送り出すと、穹はぐっと握り拳を作ります。

「よし、今日こそ」

瑛の神社へと到着したハルは、瑛の姿を探して境内まで行きます。以前来たときは渚さんと会ったことを思い出し、彼女の呟いた「お姉ちゃん?」という言葉に疑問を抱いています。瑛に聞くべきか、渚さんに避けられていることは理解しているようです。まあ、どちらかと言えば瑛と近づくことを渚さんは快く思ってないんでしょうけど。
鳥居をくぐり、境内へと入ろうとしたハルですが、そこには地面にござを敷いて、楽しげに談笑する瑛と渚さんの姿がありました。思わず隠れてしまうハルですが、渚さんが瑛のことを「お姉ちゃん」と呼んでいるのをしっかり聞いてしまいます。

「ねえ、お姉ちゃん。こんな神社で一人……寂しくない?」

瑛が一人なのは自分の家族のせいであるという渚さん。そんな姿は見るに耐えず、やはり気になってしまうらしい。まあ、だからといって瑛が渚家で暮らす姿なんて想像できないし、それが彼女の幸せだとも思えないけど……瑛は本心をぼやかしながら、自分は大丈夫であると優しく諭します。離れていても、自分たちは姉妹だと言いながら。
学校での立場とは打って変わって、瑛に甘えまくりな渚さん。正直、このギャップがすごく可愛いと思うんだけど、立ち聞き中のハルは二人の関係に混乱します。

「そういうことだから、もう出てきていいよハルくん」

話が一段落したところで、唐突に瑛がハルへと声を掛けます。さすがと言いますか、ハルが来ていたことに気付いていたようです。まあ、自分で呼び出したんだし、当たり前と言えば当たり前か。渚さんはハルの登場に愕然として、ばつの悪そうなハルにどこから聞いていたのかと訊ねますが、ハルも嘘はつけないと判断したのか、全部聞いてしまったことを正直に話します。
取り乱した渚さんは学校でのテンションに戻ってハルと瑛をスパーンと殴りますが、ハルに事情を話したくはない模様。けれど、瑛は自分たちが春日野医院の生まれだから、まるきり無関係ではないと言い、自分たちが腹違いの姉妹であることを話し始めます。ここで注目したのは、瑛の母親の設定が微妙に違うことです。原作では確か、代議士やってる渚さんの御父上が都会の方で関係を持った女性の娘、という感じだったはずですが、コミカライズでは使用人だった人の娘らしい。使用人の娘って、あの親父さんは屋敷で働いていた女性に手を出したのか。出張ないし単身赴任中の男にありがちな間違いじゃなくて、もっと身近な使用人に手を出すなんて……よく、渚さんの御母上は離婚していませんね。瑛を産んだ後いなくなったということは、解雇されたんでしょうか。
しかし、瑛の口から「腹違い」とか、「愛人との子ども」といった単語が出てくるのは不自然ではないにしろ違和感が。いや、事実には違いないだろうけど、もう少し柔らかい表現もあったんじゃないかなw
本来なら渚家に引き取られるはずの瑛でしたが、渚さんのお母さんが大反対したため許されず、渚さん的には仕方なく神社に住んでいるという。瑛は今の生活が幸せだと言っていますが、それでも渚さんとしては思うところがあるらしい。ハルは二人をすごくいい姉妹だと言いますが、自分でも言っているように少々月並みすぎる言葉ですね。

気を取り直して祭りの準備を始めたハルたちですが、瑛と会話する中で、いつしか穹の話題になります。穹があまり外に出ないことを指摘する瑛に、ハルは穹が病弱であったことを話します。元々ひきこもり気味であると言うことも。それでも最近は落ち着いてきて、外出も前よりしていることに、ハルは安心しているみたいです。

「そういえば穹ちゃんに変わったことなかった?」

と質問してくる瑛に、特にないと思うと答えるハル。すると瑛は、

「じゃあ、そろそろかな」

呟きながら、瑛は意味深な表情を見せるのでした。

帰宅したハルの目の前に飛び込んできたのは、テーブルに並べられた料理の数々と椅子にちょことんと座って、ハルの帰りを待っていた穹でした。絵から判断して、穹が作ったのは……ステーキにオムレツ? それともオムライスでしょうか。正直、雑すぎてなにが書かれているのか良く判らない。器に入っているのはなんだろうか。ご飯に見えるけど、そうすると穹のほうにないのは不自然だし。

穹が料理をしたことに驚くハルですが、穹は、

「いつも……ハルが作ってるから、私も作れたほうがいいかなって」

瑛に教えて貰った旨を打ち明けますが、正直いつの間にって感じです。原作でもそういう描写はなかったし、まあ、穹が教わるとすれば瑛ぐらいしかいませんし、私も同人誌でそういう話書きましたけど……レンジも使えない、ハルカナソラまでおにぎりもパンも作れない穹が、この段階で色々作れてしまうのはちょっと変かも知れない。イベント的にはとても微笑ましいし、ちゃんとという言い方はおかしいけど、それなりに失敗もしたみたいではあるけど。

「ちょっと焦げてるし、味もそんなに保証できないし……だから無理して食べなくてもいいから!」

と赤面する穹の前で、ハルは軽く料理をつまんでみます。そしてドキドキしている穹に、素直に美味しいと答えます。「初めてにしては上出来だよ」と、付け加えるのはを忘れずに。

「ありがとう」

ハルの良いところは、素直にこういうことを言えることだと思うなぁ。ただ、

「いや、いきなりこんなことするから熱でもあるとかと思った」

なんて言ってしまう辺り、一言余計だとは思うけどw
その一言に「ひどい!」と言って、穹はハルに片付けを任せて部屋へと引っ込みますが、やはりハルが料理を食べてくれたこと、美味しいと言ってくれたことが嬉しいらしい。ぬいぐるみを抱きしめながら、顔をほころばせる穹ですか、急に足取りがおぼつかなくなり、ふらつきます。

「あれ?」

台所を片付けたハルは、穹が料理を作ったことに改めて驚き、少しはじしゅせいがでてきたのかな? と思い始めます。これからもっと、もっと外に出てくれたらいいなと、今後の穹に期待しますが――

「最近は、調子よかったのに……」

荒い息を吐きながら、穹は自室のベッドに倒れていました。テーブルの上にはクスリの入った袋と、袋から出されたカプセルのケース。カプセルは二粒ほど飲まれており、なにかの発作を抑える薬なのでしょう。
痛みに苦しみながらも、穹はハルのことを思い浮かべるのでした。


第4話というわけでね……うん、この展開はさすがにないわ。確かに穹は原作設定で病弱ですし、過去には入退院を繰り返していました。どんな病気だったのか、完治はしたのか、その辺りのことは原作でも語られていませんが、普通は完治していると見るべきでしょう。しかも、穹が病弱という設定も精々体力がない程度のもので、それもハルカナソラの頃には大分改善されています。二人乗りとはいえ、瑛とハルが乗っている自転車に走って追いついてくるぐらいですから。全力疾走できるぐらいには、体力も付いてきたと考えて良いと思います。
それなのに今回のコミカライズにおける展開は少しおかしいというか、これでは病弱どころか現在進行形で病気じゃないですか。発作に苦しむ穹、なんていう描写は原作にもなかっただけに、コミカライズ独特の展開なんでしょうけど、さすがにこれは不可解すぎる。こういう描写を入れることで、今後はなしにどう影響させていくつもりなのか? 単純にヨスガノソラを原作通りに描こうとすれば、まず必要性のない設定じゃないですか。
だから、私はもしかしてある種の死亡フラグかと心配してしまったのですが……某所では、「それはないだろ」と突っ込まれましたけど。でも、それ以外にこんな無意味な描写を入れる必要性が思い浮かばないんだよね。
例えば、ハルと穹は結ばれるけど、最終的に穹は病気が悪化して死んじゃいましたとか、そういう安易なオチを付けてくるのでは? とさえ思う。なにせ原作が近親相姦という倫理観に反するものですから、それに対する答えとして、こういう展開を持ってくる可能性も決してなくはないと思うんですよ。近親相姦は宜しくないけど、片方が死んでしまったのならいいよねとか、そう言うふざけた話を。
仮にそんな展開になったら、それまで買ったコンプエースを引き裂いて火を付けようと思いますが、それだけはあり得ないと信じたい。なにせ連載しているのがコンプエースだから、どういう結末になってもおかしくないじゃないですか。だから、すごい心配で。

コンプエース版のヨスガノソラは、ある程度割り切った上で読んでいるんですが、春日野兄妹に関しては完全に別物として考えることにしました。設定も結構違いますし、穹の口調とかはコミックスになった際に修正されると思いますが、基本的にはコミカライズ独自のキャラクターとして、原作とは分けて考えないと読んでいられない気がする。
そんな難しい作品ではないと思うし、凛〜COCORO NAVI Another View〜みたいに原作通り作って貰いたいんですけどねぇ……ここまで進んでしまうと、もう軌道修正は無理かな。それでも買い続けますし、読み続けますけど、余計な設定とか展開はいいから、ハルと穹のいちゃいちゃっぷりを見せてくれと、そう思います。それはハルカナソラからだろうって? いや、ヨスガノソラでも結構あるよ。穹との日常を描いて欲しいとは言ったけど、なんか違うんじゃないかなーって。
そういえば、瑛&渚さんシナリオに入ってますけど、あるいは今回で終わらせることも可能なんですよね。一応の説明は果たしたわけだし、このまま穹シナリオに入ることも……そのほうが絶対良いと思うな。
コミカライズはハルと穹のキャラが違いすぎるなと、改めて実感してしまいました。

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