コンプエース版ヨスガノソラ 第5話「お祭りでハッピー!?」
2009年12月26日 ヨスガノソラ
春日野穹bot→URL:http://twitter.com/sora_k_bot
ヨスガノソラ コミックス1巻画像レビューページ
URL:http://www.usamimi.info/~mlwhlw/yosugacomic1.html
タイトルは法被とハッピー掛けてるんでしょうか? まあ、私も子供の頃は着た記憶があるようなないようなですが、別にハルが来ているわけでもなかったので大して関係のあるタイトルではないのでしょう。
コミカライズ版ヨスガノソラも5話目と言うことで、私は新しいアニメなんかを見る際に大体5話ぐらいまで視聴して、今後も視聴を継続するか決めるのですが、どうやらコミカライズにも同じことが言えるというか、ある意味でコミカライズの方向性が確定した回だと思う。
回想シーンから始まり、幼い頃のハルと穹。
病院へ入院している穹に、ハルが黒うさぎのぬいぐるみを渡します。
「なに? これ」
「病院に一人でいるのは寂しいと思って」
ぬいぐるみでもあれば寂しくないかなと思って、そう微笑むハルに、穹は最初どこか素っ気ない。けど、やはり満更でもないのか、
「でも、うれしい。ありがと」
と、笑顔を見せます。特に頬が赤らんでいるわけでもないのに、穹の嬉しそうな気持ちが伝わってくる可愛らしい一コマです。
表紙は現在の穹がベッドでぬいぐるみを抱きかかえ、誰かを見つめているかのような表情で寝ている姿。多分、ハルを見ているのでしょう。
今回はお祭りの話。瑛の神社でお祭りが開かれ、前回からの流れでハルと穹も参加します。ヒロインの全員が浴衣ないしそれに類する恰好をしていて、奈緒や渚さんは勿論のことで原作では私服だった委員長も浴衣です。瑛はなにせ神社の人であるからして巫女服のままなのですが、意外だったのは穹もまた浴衣を着ていたと言うこと。確か原作ではこのイベントで普段着以外の私服、外出着を披露していたので、花柄の浴衣で登場したのは驚きました。なんでも浴衣は始めて着たということで、恥ずかしさや歩きにくさもあってか少なからず戸惑っている模様。
テンションの上がる亮平を丸無視する穹ですが、ふと荒い息を吐いて頬を赤くします。違和感を憶えたのか、ハルがどうかしたのかと尋ねますが、穹はなんでもないと首を振ります。
「それよりお祭り、楽しみだね」
「あ、うん……」
穹に見つめられ、頬を赤らめるハル。恥ずかしかったのか視線を泳がせると、来賓の対応をしている瑛を見つけます。壮年と言うよりは初老といった風な男性を見て、如何にも偉そうな人だと感じるハルですが、同じようにその光景を見ていた渚さんがポツリと呟きます。
「……お父様」
渚さんの父親と言うことは瑛の父親でもあるわけで、ハルは色々な意味で驚きました。何故ならそれは親子と呼ぶにはほど遠い姿で――それでも笑っている瑛の顔に、ハルは疑問を抱きます。
なにかを感じたハルですが、奈緒に腕を引っ張られ、出店巡りに連れられてしまいます。気に食わなそうな表情でそれを見る穹ですが、口に出してはなにも言わない。考えてみれば、コミカライズでは1話であったきりなんですよね、この二人。委員長や亮平も交えてお祭りを回る中、積極的な奈緒と委員長にたじたじとなるハル。亮平が扱いのさに不平を漏らしますが、その隙をついて穹がハルを連れ出しました。
ここからはコミカライズ独自の展開で、さながら原作の海イベントのように二人きりの時間を求める穹。金魚すくいをやってみて、全然上手くいかないことに文句を言います。
「いいのか、みんなと一緒じゃなくて?」
そう尋ねるハルに、
「いい。ハルがいればそれでいい」
と答える穹。
思わず、「あ…そう」と頬を赤らめながら言葉を返すハルですが、今回はハルが穹を意識する描写が多いように思えます。原作でもなくはないんだけど、ここまでハッキリと意識することはあまりなかったと思う。価値観がこの頃は違いましたから。
そう言えば穹とお祭りに来るのは初めてだったと思い返すハルに、体が弱かったからハルがお祭りに行く日はいつも留守番で、羨ましかったという穹。
「だから今日は本当に嬉しいんだ」
その嬉しさは単純にお祭りに参加できること以外にも、もう一つ大きいのがあるんだろうけど、それがまだ表面化することはない。穹はともかく、ハルが気付かないから。
みんな合流したハルと穹ですが、瑛が神楽をやるという話を聞く最中、渚さんが駆け込んできました。神楽のために禊ぎへと行った瑛が、着替えを忘れたので誰か届けてくれないか、という話でした。天女目らしいと呆れながらも、僕が行くよと応じるハル。どこに行けばいいのかと尋ねると、渚さんは少しだけ言いにくそうに、
「えっとね、ちょっと遠いんだけど……」
裏山のてっぺんを目指して登りながら、誰も行きたがらないはずだと納得するハル。穹もくたびれながら着いてきて、曰く、「ハルが行くなら私も行く」とのこと。少しでもハルと二人きりの時間を過ごしたいんでしょうね。そんな穹に対して、ハルは自然に手を差し伸べます。
「…ほら、手、離すなよ?」
この手を掴むときの穹の嬉しそうな表情ときたら! ハルはこういうことを自然に出来るからいい男なんでしょうね。水風天の描くハルはイケメン度がアップして、完全なプレイボーイになってると思います。
たどり着いたてっぺんは広大な湖が広がっており、穹が瑛を見つけます。ハルに絶対にこちらを見ないように言って、着替えを渡しに行く穹。
「ハルくんだったら見られてもよかったのに」
そう言って、穹を激しく動揺させる瑛。冗談だと言って煙に巻きますが、それはどこか複雑そう。
話は移り湖のこととなり、ここが神社で一番神聖な場所であることを語る瑛。故に神楽を舞う前は、ここで身体を清めるのだという。うん、ハルカナソラの某シナリオに言ってやりたい台詞だ。神聖なんですよ、この場所は。
「ねぇ穹ちゃん、知ってる? この湖の伝説……」
「伝説?」
穹は瑛の言った伝説に興味を覚えますが、それが具体的にどんなものであるかは、ここでは描かれませんでした。
下山して、瑛の神楽が始まります。奈緒曰く上手になったということで、壮麗な舞に圧倒されたハルは、いつもの瑛とはまるで違うことに感嘆を憶え、穹に同意を求めようとしました。しかし、穹は具合が悪そうに、荒い息を吐いていました。
神楽の見物から抜け出し、裏手で穹を休ませるハル。なんで調子が悪いって言わなかったのだと訊ねるハルに、大丈夫だからそんなに心配しないでと答える穹。
「どう見ても大丈夫じゃないだろ」
ハルの表情がややきつめなのは、本気で穹を心配しているからでしょう。穹は大丈夫だと無理やり立ち上がろうとしますが、すぐに身体がふらつきます。なんでそんなに無理をしたのかと心配するハルに、穹は答える。
「初めてだったから。初めてハルと来るお祭りだから、最後まで楽しみたい……」
こう言われては反論しようのないハルは、そこまで楽しみにしていたのかと単純に解釈をすると、亮平たちに穹を任せて水を貰ってくるとその場を離れます。
「ハル、ごめんね」
「――いいよ」
瑛に手を貸して貰おうと社務所に向かうハルですが、そこでは渚さんの怒声が飛んでいました。なにやら、言い争いをしている模様です。言い争いといっても、渚さんが一方的に怒鳴っているだけなんですが。
「ふざけないで!! 受け入れ先って、ただ体のいい厄介払いじゃない!!」
「そういうわけではないんだ。瑛くんの将来を考えてのことだ」
言い争いの相手は渚さんの父君、つまり瑛にとっても遺伝子上の父親に当たる相手。なんと、瑛を遠くの街に養子に出すと言い出したらしいです。それが母親の提案であることを悟っている渚さんは激しく反発し、自分の子供ではないからと勝手なことをと憤りを憶えます。
「カズちゃんのお父さん。私はそれで構いません」
しかし瑛は笑顔で、自分に突き付けられた現実を受け入れようとしてしまう。
「お姉ちゃん!!」
「それが一番いいんだよ。私がいると迷惑な人もいる」
私のために悩まなくて良いと告げる瑛に、渚さんは涙ながらに訴えます。みんなが幸せになれるからなんだというのだ。違う、そうはじゃない。
「一番大切なのはお姉ちゃんの気持ちだよ」
もっと自分に正直になっていいと、やはり付き合いが長いからなのか瑛の深層部分に薄々気付いている模様。瑛の手を取り、車にいるであろう母親に文句を言ってくると渚さんは社務所を出ます。
「あ」
そこで、結果的に立ち聞きをしてしまったハルとばったり。性懲りもなくまた盗み聞きをしたと渚さんは怒りを見せますが、そこに血相を変えた亮平が飛び込んできました。
「大変だ!! 穹ちゃんが……!」
「穹……?」
というところで次回に続く。
まあ、色々言いたいことはあるんですけど、病弱設定もここまで引き延ばすとは思わなかった。てっきり、今回祭りの最中でフラフラ~としたことで回収したのかと思ったのに、まさか最後の最後でこう来るとは。第5話は基本的に楽しい話ではあったんだけど、病弱設定を全面に押し出しているせいか素直に楽しめないんですよ。楽しさより不安が強くなってしまい、コンプエースは一体春日野穹をどうするつもりなのか。それが気がかりでならない。
今回は原作とコミカライズの差違や相違が明確になったというか、設定の違いが表面化したと思います。例えば、タイトル前の回想シーン、黒うさぎのぬいぐるみをハルが穹へ渡したことになっていますが、これはハルカナソラと大きく矛盾しますよね。あのぬいぐるみは母親の見立てで、穹が選んだプレゼント、謂わば形見のようなものですし。
ただ、これはある種仕方ないと言いますか、ブログに書いてありましたが水風天はハルカナソラにゲスト参加している割に、未だにゲームそのものを貰っていないそうです。普通はコミカライズ担当には資料として送りつけておくべきはずなのに、それすら原作サイドが怠っているわけですね。まあ、編集部が取り寄せてやれよと思うけど。
後、この回想が普通に掲載されたことで、原作サイドが原稿のチェックを行っていないことも発覚したと思います。普通はネームなりが送られてきて原作のチェックが入るはずなんですが、この種のメディアミックスは流動的らしい。まあ、角川書店なら仕方ないと思うけど。
私はこの程度の問題、回想シーンにおけるハルカナソラとの矛盾はどうでも良いと思うんですよ。元々水風天がハルカナソラやっていないのは知っていましたし、そこはまあ仕方ないでしょう。けど、今回で一番許せないのは話の最後に付いていた柱です。編集が適当に付ける、一行の文章があるじゃないですか。毎月付いてるんだけど、今月はこんな感じでした。
無理をおして祭りに来た穹。遥は何を思う――
わざわざ強調してみましたけど、これは酷いでしょう。主人公の名前を間違えるってどういうことですか。仮にもコミカライズを担当している編集なら、原作の主人公の正式名称ぐらい把握しとけよと。あらすじにも、登場人物紹介にも悠という字が使われてるんですよ? 一体、角川の校正部はなにをやっているのかと。こんなんだからコンプエースの評価は常に低いんですよ。
水風天曰く角川の編集は怖いそうですが、作画担当に怒りを見せる暇があるなら自分が原作を理解しろと。理解も出来ない作品を担当するなと。だから、漫画編集は高給取りの無能者などと言われてしまうのさ。なまじ、角川みたいな大きいところは気質があれだから……はぁ、やれやれです。
もう純粋な原作ファンは読まなくても良いんじゃないかなぁ。私は買い続けるし、読み続けるけど、某大型電子掲示板にあるヨスガノソラスレでも言われたように、原作をシリアスな話とするなら、コミカライズは単なる暗い話になりつつあるような気がします。ハルと穹は果たしてどうなるのか、何故穹の病弱設定をここまで持ち出すのか。先月は否定されたけど、死亡フラグなんじゃないかと不安でならない。そんなものは誰も望んでいないというのに、コンプエースならやりそうで怖い。
面白いけど楽しめない、好きなのに嫌い。心配や不安が高まり、読むことが辛くなってくる。良いから原作通り進行してくれないかと、それだけを願います。穹が幸せになれないラストなんて、私は認められそうもないから。
ヨスガノソラ コミックス1巻画像レビューページ
URL:http://www.usamimi.info/~mlwhlw/yosugacomic1.html
タイトルは法被とハッピー掛けてるんでしょうか? まあ、私も子供の頃は着た記憶があるようなないようなですが、別にハルが来ているわけでもなかったので大して関係のあるタイトルではないのでしょう。
コミカライズ版ヨスガノソラも5話目と言うことで、私は新しいアニメなんかを見る際に大体5話ぐらいまで視聴して、今後も視聴を継続するか決めるのですが、どうやらコミカライズにも同じことが言えるというか、ある意味でコミカライズの方向性が確定した回だと思う。
回想シーンから始まり、幼い頃のハルと穹。
病院へ入院している穹に、ハルが黒うさぎのぬいぐるみを渡します。
「なに? これ」
「病院に一人でいるのは寂しいと思って」
ぬいぐるみでもあれば寂しくないかなと思って、そう微笑むハルに、穹は最初どこか素っ気ない。けど、やはり満更でもないのか、
「でも、うれしい。ありがと」
と、笑顔を見せます。特に頬が赤らんでいるわけでもないのに、穹の嬉しそうな気持ちが伝わってくる可愛らしい一コマです。
表紙は現在の穹がベッドでぬいぐるみを抱きかかえ、誰かを見つめているかのような表情で寝ている姿。多分、ハルを見ているのでしょう。
今回はお祭りの話。瑛の神社でお祭りが開かれ、前回からの流れでハルと穹も参加します。ヒロインの全員が浴衣ないしそれに類する恰好をしていて、奈緒や渚さんは勿論のことで原作では私服だった委員長も浴衣です。瑛はなにせ神社の人であるからして巫女服のままなのですが、意外だったのは穹もまた浴衣を着ていたと言うこと。確か原作ではこのイベントで普段着以外の私服、外出着を披露していたので、花柄の浴衣で登場したのは驚きました。なんでも浴衣は始めて着たということで、恥ずかしさや歩きにくさもあってか少なからず戸惑っている模様。
テンションの上がる亮平を丸無視する穹ですが、ふと荒い息を吐いて頬を赤くします。違和感を憶えたのか、ハルがどうかしたのかと尋ねますが、穹はなんでもないと首を振ります。
「それよりお祭り、楽しみだね」
「あ、うん……」
穹に見つめられ、頬を赤らめるハル。恥ずかしかったのか視線を泳がせると、来賓の対応をしている瑛を見つけます。壮年と言うよりは初老といった風な男性を見て、如何にも偉そうな人だと感じるハルですが、同じようにその光景を見ていた渚さんがポツリと呟きます。
「……お父様」
渚さんの父親と言うことは瑛の父親でもあるわけで、ハルは色々な意味で驚きました。何故ならそれは親子と呼ぶにはほど遠い姿で――それでも笑っている瑛の顔に、ハルは疑問を抱きます。
なにかを感じたハルですが、奈緒に腕を引っ張られ、出店巡りに連れられてしまいます。気に食わなそうな表情でそれを見る穹ですが、口に出してはなにも言わない。考えてみれば、コミカライズでは1話であったきりなんですよね、この二人。委員長や亮平も交えてお祭りを回る中、積極的な奈緒と委員長にたじたじとなるハル。亮平が扱いのさに不平を漏らしますが、その隙をついて穹がハルを連れ出しました。
ここからはコミカライズ独自の展開で、さながら原作の海イベントのように二人きりの時間を求める穹。金魚すくいをやってみて、全然上手くいかないことに文句を言います。
「いいのか、みんなと一緒じゃなくて?」
そう尋ねるハルに、
「いい。ハルがいればそれでいい」
と答える穹。
思わず、「あ…そう」と頬を赤らめながら言葉を返すハルですが、今回はハルが穹を意識する描写が多いように思えます。原作でもなくはないんだけど、ここまでハッキリと意識することはあまりなかったと思う。価値観がこの頃は違いましたから。
そう言えば穹とお祭りに来るのは初めてだったと思い返すハルに、体が弱かったからハルがお祭りに行く日はいつも留守番で、羨ましかったという穹。
「だから今日は本当に嬉しいんだ」
その嬉しさは単純にお祭りに参加できること以外にも、もう一つ大きいのがあるんだろうけど、それがまだ表面化することはない。穹はともかく、ハルが気付かないから。
みんな合流したハルと穹ですが、瑛が神楽をやるという話を聞く最中、渚さんが駆け込んできました。神楽のために禊ぎへと行った瑛が、着替えを忘れたので誰か届けてくれないか、という話でした。天女目らしいと呆れながらも、僕が行くよと応じるハル。どこに行けばいいのかと尋ねると、渚さんは少しだけ言いにくそうに、
「えっとね、ちょっと遠いんだけど……」
裏山のてっぺんを目指して登りながら、誰も行きたがらないはずだと納得するハル。穹もくたびれながら着いてきて、曰く、「ハルが行くなら私も行く」とのこと。少しでもハルと二人きりの時間を過ごしたいんでしょうね。そんな穹に対して、ハルは自然に手を差し伸べます。
「…ほら、手、離すなよ?」
この手を掴むときの穹の嬉しそうな表情ときたら! ハルはこういうことを自然に出来るからいい男なんでしょうね。水風天の描くハルはイケメン度がアップして、完全なプレイボーイになってると思います。
たどり着いたてっぺんは広大な湖が広がっており、穹が瑛を見つけます。ハルに絶対にこちらを見ないように言って、着替えを渡しに行く穹。
「ハルくんだったら見られてもよかったのに」
そう言って、穹を激しく動揺させる瑛。冗談だと言って煙に巻きますが、それはどこか複雑そう。
話は移り湖のこととなり、ここが神社で一番神聖な場所であることを語る瑛。故に神楽を舞う前は、ここで身体を清めるのだという。うん、ハルカナソラの某シナリオに言ってやりたい台詞だ。神聖なんですよ、この場所は。
「ねぇ穹ちゃん、知ってる? この湖の伝説……」
「伝説?」
穹は瑛の言った伝説に興味を覚えますが、それが具体的にどんなものであるかは、ここでは描かれませんでした。
下山して、瑛の神楽が始まります。奈緒曰く上手になったということで、壮麗な舞に圧倒されたハルは、いつもの瑛とはまるで違うことに感嘆を憶え、穹に同意を求めようとしました。しかし、穹は具合が悪そうに、荒い息を吐いていました。
神楽の見物から抜け出し、裏手で穹を休ませるハル。なんで調子が悪いって言わなかったのだと訊ねるハルに、大丈夫だからそんなに心配しないでと答える穹。
「どう見ても大丈夫じゃないだろ」
ハルの表情がややきつめなのは、本気で穹を心配しているからでしょう。穹は大丈夫だと無理やり立ち上がろうとしますが、すぐに身体がふらつきます。なんでそんなに無理をしたのかと心配するハルに、穹は答える。
「初めてだったから。初めてハルと来るお祭りだから、最後まで楽しみたい……」
こう言われては反論しようのないハルは、そこまで楽しみにしていたのかと単純に解釈をすると、亮平たちに穹を任せて水を貰ってくるとその場を離れます。
「ハル、ごめんね」
「――いいよ」
瑛に手を貸して貰おうと社務所に向かうハルですが、そこでは渚さんの怒声が飛んでいました。なにやら、言い争いをしている模様です。言い争いといっても、渚さんが一方的に怒鳴っているだけなんですが。
「ふざけないで!! 受け入れ先って、ただ体のいい厄介払いじゃない!!」
「そういうわけではないんだ。瑛くんの将来を考えてのことだ」
言い争いの相手は渚さんの父君、つまり瑛にとっても遺伝子上の父親に当たる相手。なんと、瑛を遠くの街に養子に出すと言い出したらしいです。それが母親の提案であることを悟っている渚さんは激しく反発し、自分の子供ではないからと勝手なことをと憤りを憶えます。
「カズちゃんのお父さん。私はそれで構いません」
しかし瑛は笑顔で、自分に突き付けられた現実を受け入れようとしてしまう。
「お姉ちゃん!!」
「それが一番いいんだよ。私がいると迷惑な人もいる」
私のために悩まなくて良いと告げる瑛に、渚さんは涙ながらに訴えます。みんなが幸せになれるからなんだというのだ。違う、そうはじゃない。
「一番大切なのはお姉ちゃんの気持ちだよ」
もっと自分に正直になっていいと、やはり付き合いが長いからなのか瑛の深層部分に薄々気付いている模様。瑛の手を取り、車にいるであろう母親に文句を言ってくると渚さんは社務所を出ます。
「あ」
そこで、結果的に立ち聞きをしてしまったハルとばったり。性懲りもなくまた盗み聞きをしたと渚さんは怒りを見せますが、そこに血相を変えた亮平が飛び込んできました。
「大変だ!! 穹ちゃんが……!」
「穹……?」
というところで次回に続く。
まあ、色々言いたいことはあるんですけど、病弱設定もここまで引き延ばすとは思わなかった。てっきり、今回祭りの最中でフラフラ~としたことで回収したのかと思ったのに、まさか最後の最後でこう来るとは。第5話は基本的に楽しい話ではあったんだけど、病弱設定を全面に押し出しているせいか素直に楽しめないんですよ。楽しさより不安が強くなってしまい、コンプエースは一体春日野穹をどうするつもりなのか。それが気がかりでならない。
今回は原作とコミカライズの差違や相違が明確になったというか、設定の違いが表面化したと思います。例えば、タイトル前の回想シーン、黒うさぎのぬいぐるみをハルが穹へ渡したことになっていますが、これはハルカナソラと大きく矛盾しますよね。あのぬいぐるみは母親の見立てで、穹が選んだプレゼント、謂わば形見のようなものですし。
ただ、これはある種仕方ないと言いますか、ブログに書いてありましたが水風天はハルカナソラにゲスト参加している割に、未だにゲームそのものを貰っていないそうです。普通はコミカライズ担当には資料として送りつけておくべきはずなのに、それすら原作サイドが怠っているわけですね。まあ、編集部が取り寄せてやれよと思うけど。
後、この回想が普通に掲載されたことで、原作サイドが原稿のチェックを行っていないことも発覚したと思います。普通はネームなりが送られてきて原作のチェックが入るはずなんですが、この種のメディアミックスは流動的らしい。まあ、角川書店なら仕方ないと思うけど。
私はこの程度の問題、回想シーンにおけるハルカナソラとの矛盾はどうでも良いと思うんですよ。元々水風天がハルカナソラやっていないのは知っていましたし、そこはまあ仕方ないでしょう。けど、今回で一番許せないのは話の最後に付いていた柱です。編集が適当に付ける、一行の文章があるじゃないですか。毎月付いてるんだけど、今月はこんな感じでした。
無理をおして祭りに来た穹。遥は何を思う――
わざわざ強調してみましたけど、これは酷いでしょう。主人公の名前を間違えるってどういうことですか。仮にもコミカライズを担当している編集なら、原作の主人公の正式名称ぐらい把握しとけよと。あらすじにも、登場人物紹介にも悠という字が使われてるんですよ? 一体、角川の校正部はなにをやっているのかと。こんなんだからコンプエースの評価は常に低いんですよ。
水風天曰く角川の編集は怖いそうですが、作画担当に怒りを見せる暇があるなら自分が原作を理解しろと。理解も出来ない作品を担当するなと。だから、漫画編集は高給取りの無能者などと言われてしまうのさ。なまじ、角川みたいな大きいところは気質があれだから……はぁ、やれやれです。
もう純粋な原作ファンは読まなくても良いんじゃないかなぁ。私は買い続けるし、読み続けるけど、某大型電子掲示板にあるヨスガノソラスレでも言われたように、原作をシリアスな話とするなら、コミカライズは単なる暗い話になりつつあるような気がします。ハルと穹は果たしてどうなるのか、何故穹の病弱設定をここまで持ち出すのか。先月は否定されたけど、死亡フラグなんじゃないかと不安でならない。そんなものは誰も望んでいないというのに、コンプエースならやりそうで怖い。
面白いけど楽しめない、好きなのに嫌い。心配や不安が高まり、読むことが辛くなってくる。良いから原作通り進行してくれないかと、それだけを願います。穹が幸せになれないラストなんて、私は認められそうもないから。
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