知人に誘われ、いばらの王のティーチイン付き試写会に行ってきました。ティーチインってなんぞやと思ったそこの人、私もなんのことだかさっぱりだったんだけど、大辞泉によると討論集会のことらしい。試写後のゲストに監督の片山一良、アルジェントソーマとかTHE ビッグオーの監督ですね、それに主演の花澤香菜を招いて簡単な質問コーナー&クイズコーナーみたいのがあって、まあ、これが角川的なティーチインなんでしょう。普通に質問コーナーありのトークイベントでよかったとも思うんだけどさ。

四ッ谷にある角川試写室とやらで見てきたんだけど、これがとても小さい箱で15組30名限定。ゆったりとしたソファで、イベント会場というよりは本当に関係者向けの試写室なんだろうか。その割にはやけに安い自販機とか置いてあったけど。四ッ谷自体は文化放送がなくなってから行くこともなくなったけど、雨の中角川の試写室まで歩くのはちょっと疲れた。すぐに知り合いと合流出来たけど、角川は色々な場所に施設を持っているんだね。
映画それ自体は109分と、90分が基本のアニメ映画から考えると少し長い感じ。本編の前に文学少女の予告がはいったから、まあ、実際は110分以上の上映だったのかな。誘われておいてなんだけど、初めは文学少女が見たかったんだよね。というのも、私はグロとかホラー、そしてスプラッタな映画が苦手だし、予告編を見る限りではそっち系の映画であると思ったから。モンスターがわんさか出てきて、それに食い殺される人々。おっかないし、夢に出てきそうな凄惨な光景が思い浮かぶじゃないですか。
それでもまあ、15組30名という空間で花澤香菜が見れるのは美味しいと思って、仮に凄まじい映像だったら寝てようとか考えてたんだけど……いや、あれは見入るね。元来SF好きというのもあるけど、なるほど海外での評価が高いわけだよ。公開前だからどこまでネタバレしていいのかわからないけど、見に行ってよかったと思えるぐらいには楽しめる作品でした。109分という限られた時間の中で上手く話をまとめていると思ったし、説明不足を感じる点はあったものの、主人公の話としては確かに見事な構成がなされていたような気がする。私は原作を読んだことがないので、原作がどんな内容なのかは知らないんだけど、全6巻の作品を1本の映画にまとめてしまうってのがすごいよね。おそらく内容それ自体は大きく変わってるんだろうけど、原作を読んでいないからこその新鮮味、先入観なく見ることが出来るというのは確かにあるとおもう。

なにせ公開前であるからして、作品の内容に対する踏み込んだ話とはできないんだけど……伏線とかは割と分かりやすかったかなぁ。主人公のカスミに隠された秘密とか、そういうのは中盤ぐらいで検討がついたし、姉のシズクですか、彼女の存在が最初から提示されていた時点で、ある程度の予想はついていた気がする。だから、私としては最後のどんでん返し的な展開を見ても、驚きよいうよりは「やっぱり、そうだったのか」というような納得が大きかったかも知れない。最終的に誰が生き残るか予想も、それほど外れはしなかったしね。最後のアレは死なす必要あったのかとも思うんだけど。
内容に対する踏み込んだ話ができない以上、それ以外の話ということで……いやー、声優陣の演技は見事だったね。主演の花澤香菜はティーチインでも言ってたけど、初のアニメ映画主演というわけで、昔はあーだこーだと散々揶揄されていたはずの彼女も、今では立派な声優になっています。やはり場数を踏むと人間違いますね。少し暗い感じのメガネっ娘女子高生というと、デュラララの園原杏里が思い浮かびますけど、絵柄の差もあるんだろうけど、あれよりは人間味があると思う。姉妹の存在というのもあるし、集団における立場が不明確にも関わらず邪魔になっていない。花澤香菜がまた感情こもった演技してくるんだわ。予告で見た文学少女の遠子先輩は如何にもアニメキャラっぽい演技だったけど、こっちは少し違う感じ。いや、アニメであることには変りないんだけどさ。
他に気になったのは……あぁ、重要なキャラクターとして森川智之演じる英国人がいたんですが、これはまんまマクロスFのオズマだった。妹がいるという点もオズマだった。実にいいキャラではあったし、カスミが惚れないのが驚きだと思うほどに活躍もするんだけど、公式サイト見たら24歳だった。あの黒人警官も30代じゃないなんて、外国人はみんな老け顔なんですね。
矢島晶子が演じる少年は、見終わってみると結構怖い設定のような気がする。深くは触れないけど、城を包む茨はともかくとして残りは……という感じ。それとは別に、昨日クレしんの新作映画の予告見た際も思ったんだけど、矢島晶子は声の出し方を変えたんですかね? なんか以前よりもやや高めになっているように思えるんだけど、私の気のせいなんだろうか。まあ、ごくごく普通の少年声でしたけど。

ティーチインに関しては花澤香菜のトーク術が見事だったのと、私を誘ってくれた知人が質問をしたり、続くクイズコーナーで商品をゲットしたりと活躍してました。私は特になにもしなかったけど、予想以上に面白かったというのが全体的な感想かな。ティーチインはややグダグダになっていたものの、映画としてはそれなりに楽しめた。
明日には観ようと持って観られずじまいだったハルヒの映画があるんだけど、正直昨日見ておけばよかったと思うほどに悪い後味ではなかった。グロ系という先入観があったため、口直しでハルヒつっこんだんだけど……これは失敗したなぁ。どうしよう、ハルヒには花澤香菜とかでてないよ。

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