正式な発売日はまだだけど、虎の穴に行ったらブラフマン OVER BOOSTの1巻が売ってたので買ってきました。コミックスが出るのは3年と9ヵ月ぶりですけど、まさか連載が再開されるとは思っていませんでした。確かにアンケートハガキには毎回のようにブラフマン復活希望と書いていましたけど、ああいう形で連載が中断してしまった作品は、そのまま消えてしまうことが多いですからね。公式サイトから消えることもなく休載中になっていたとはいえ、半ば諦めていたというのが本音で。銀色のシィナとか、最近なら魔法の橋アイテムゲッターなんかはまさにそうだったし。

ブラフマンに付いての詳細はWikipediaでも見れば分かると思うけど、そういやあのページの大部分作ったのって……いや、コミックラッシュ創刊時からの看板作品なのに一向に項目が出来なくてさ。仕方ない場合ってどんなときだってあるよね。どれだけブラフマン好きだったんだよって話だけど、今でも好きですよ。おそらく、ラッシュ読者で一番連載再開を望んでいたと言い切れるぐらいに。
それでOVER BOOSTの1巻ですけど、一応休載前の無印時代の話がいくつかコミックス未収録だったこともあり、話の整合性という意味からそれらも収録される形になっていました。しかし、ただ収録されているというわけでもなく、雑誌掲載時は複数話に分かれていたものをまとめ上げ、一つの話に作り替えているのが特徴的。OVER BOOSTの1話を最初に持ってくることで、あくまで無印時代の話もOVER BOOST以降の時系列に起きたことなんだよ、ってな感じに統一してきましたね。そのため、掲載時に存在したカットがなくなっていたり、和刃と佳弥のクラスメイトである飛鳥翠に関しては登場シーンに少し差異がありました。
後、修正してはいるものの、絵の落差はあるかも知れないね。2年以上休載していたといっても、貴島煉瓦自身が活動をやめていたわけじゃないし、特務戦隊伊吹、あきば浪漫ス!、スマガAK、春風桜花と漫画自体は書いていましたから、絵自体は進歩というか休載前から結構変わってるんですよ。まあ、違和感を感じるほどじゃないし、それほど差があるわけでもないんだけど。
私は特務戦隊伊吹なんかを劣化版ブラフマンと思っていて、結局のところ煉瓦の帰結点はこの作品しかないと考えています。そういった意味では今回の連載再開もコミックス刊行も嬉しんだけど、巻末のおまけコーナーによると一気にクライマックスまで進むらしい。つまり、完結させるために連載を再開したってことなんだろうね。そりゃ、完結しないよりはよっぽど良いんだろうけど、再開したばかりにそんなことを言われると少し寂しくなる。まあ、既刊が5巻もある作品だし、7~8巻で終わるのだとすれば巻数もそれなりだとは思うけど……登場キャラも増えたところで、どのようにラストまで持っていくのか、続きが楽しみでなりません。

説明をWikipediaに丸投げしたとはいえ、ちょっとは中身についても書かないといけませんね。出来れば、既刊である1~5巻を読んでもらいたいのですが本屋行っても置いてないだろうし、これまでの物語とキャラクターに付いて解説かなんかを。
本作は前述の通りコミックラッシュ創刊時から連載されていて、簡単にいえば特撮ヒーロー風SF漫画です。特殊なシステムによって変身する主人公や、YAMAHAのバイクをこよなく愛するヒロイン、大人の科学者顔負けの天才少女など、とにかく煉瓦が好きなモノがとことん詰まった作品です。
最初期は今よりずっと単純な話で、鳴がブラフマン・サンサーラへと変身するところを目撃してしまった織葉が、同じクラスに転校してきた彼に好奇心から近づいて、自分の中にあるヒーロー願望をぶつけつつも仲良くなっていく? という感じで、鳴の風貌が煉瓦作品によくいるタイプの主人公だったのに比べ、織葉は当時としては珍しいタイプのヒロインだったのが印象的でした。最近はそうでもないけど、昔の煉瓦作品のヒロインは底抜けに明るいか影のある女の子が多かったからね。
単純な特撮ヒーロー風漫画なのかな? と思いきや、連載が進むにつれて鳴とつぐみを取り巻く複雑な家庭環境が明らかになったり、鳴の双子の弟である号や、従姉の凛の存在だったりとキャラも増え始め、遂には意外なキャラの生存が発覚し……とSFらしい難解な物語に変わっていき、当初あった怪人が現れる→倒すという所謂ライダーっぽい構図は段々と少なくなっていきました。覚えてる人は少ないだろうけど、ブラフマンって無印時代にも一度終わってるんですよ。終わってるというか、一区切りつけたっていうの? 掲載予告時もクライマックスとか書かれていた回があって、織葉が号に襲われて鳴が彼女のバイクに乗って駆けつけるって話、それで号を撃退しただかなんだかで一度区切ってるんだよね。織葉が思い入れの合ったバイクを失ったりして、まあ、その前にも色々合ったんだけど、ヒロインとしての彼女がなにかを吹っ切ったところで、完全に主人公が鳴へとシフトしたんですよ。それまではどちらかというと、鳴よりも織葉の方が主人公ぽかったし。まあ、押しの強い織葉に比べて、鳴は主張が激しくないからね。煉瓦も当時漏らしてたけど、切り替える必要性がどこかしらであったんでしょう。
仮にここまでを序盤とするなら、次に始まった中盤、ここから先は主に乃木坂家と麻生家の家庭事情、織葉の後輩である久那巳佳弥の登場など、新キャラを含めた上での踏み込んだ話が多かった。何故、鳴とつぐみは二人暮らしをしているのか? 号は何故リープスを送り込んでくるのか、家族の間でなにがあったのか……精神的に成長した織葉が生来持っていたと思われる達観した態度を見せ始めるのもこの辺りからで、つぐみはなんだかんだいって織葉になついてるんだよね。その天才性が崩れたわけではないにしろ、子供らしさも多く見せるようになってきたというか、まあ、有り体に言えば可愛くなった感じかなw
久那巳佳弥は織葉の後輩で和刃のクラスメイトなんだけど、設定がヘテロクロミアの超能力者で、実家は神社の巫女さんという、これまた煉瓦の趣味の塊みたいな少女でね。実は私がこの作品で一番好きなキャラなんだけど、彼女は第三勢力とも言える謎の存在「彼等」を祓う力を持った、どちらかといえば霊的な力の持ち主で、設定だけならKanonアナザーストーリーに登場するキャラたちに近いものがあります。彼等とか、まさにあの作品に出てくる異形の者にそっくりですし。佳弥については語りだすと長いので、急な話ですが明日の日記で書きます。というか、キャラクター関係は明日の日記にしたほうがまとまりがいいかも。
中盤は佳弥が物語の中枢部まで踏み込んできて、それを察した号側が対処を打つ辺りで休載になっちゃいます。日常話にしても当時は名前すら明かされなかった飛鳥翠が登場し、和刃との関係も書かれたりするんだけど、これに関しては今やっている終盤の方で動き出した感じかな。なにせ、動き出す直前で連載が休止してしまったから。

OVER BOOSTは佳弥の過去やパワーアップしたサンサーラRSなど、俗に言う盛り上がり要素がたくさんあって面白いですね。鳴が佳弥と共闘したり、彼女の家に伝わる御神刀に興味を示したり、号たちが彼等の力を取り込もうとしているように、鳴もまた対策を講じるつもりなのかとか、やっぱりブラフマンは面白い。長々ダラダラと書いてきちゃったけど、1日の日記で全部書けるわけがない。明日の日記はキャラを中心に、特に佳弥のことを沢山書こうと思います。例え、結末まで展開が加速してるのだとしても私はそれを最後まで見届けてみせる。改めてブラフマン連載再開、本当にありがとうございました!

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