あなたが示してくれた道
2010年9月7日 アニメ・マンガ
OVER BOOSTについて昨日の日記で書いたわけだけど、考えてみればOVER BOOSTから読んでもブラフマンを理解するのは難しいよね。基本的に続き物として描かれてるし、今から読むのであれば普通に無印の1巻からにするべきでしょう。ただ、絶版にはなってないはずだけど、重版もされていなかった気がするから、探すとなれば結構手間が掛かるかも。CRコミックスって本屋にあまり置いてないから、ネットの在庫を探した方が無難かな。
ブラフマンの登場キャラについて書くとして、私がイチオシするのは久那巳佳弥ですけど、ここは順当に主人公からいきましょうか。この作品には特に嫌いなキャラがいないので、書こうと思えばいくらでも書けるような気がします。考察というわけじゃないけど、それぞれに思い入れもありますから。
まず、主人公の乃木坂鳴は煉瓦作品には珍しくないタイプのキャラクターです。容姿もそうですが、煉瓦が過去に描いた同人誌、KanonアナザーストーリーWONDERTHREEに出てくる相沢祐一によく似ています。ジャイブの手によって同人誌からkey公認作品になったものですが、そういや全然続編が出ませんね。書くとか言ってたけど、煉瓦のことだからいつになるのやら。
WONDERTHREEの祐一はクールな男で、原作のキャラクターは一欠片も残っていません。何事にも無関心なようで、それでいて激情家としての気質も持ち合わせている。現状への不満、過去に対する想い、希薄さを装う友人関係、そのどれを取っても後の鳴に近いものがある。違うところがあるとすれば、祐一には戦士としての不遜さがあるというところかな。
話がWONDERTHREEに流れそうなんで戻しますけど、鳴は父親の響によって改造され、ブラフマンシステムというシステムを身体に搭載した改造人間です。乃木坂研究所という研究者一家の双子の兄として生まれ、いえ、作られた存在であり、家族の中では一番人間味のある、常識人といって差し支えのない普通の少年でした。研究にも実験にも興味がなく、動物実験で子猫が犠牲になることへ嫌悪感を抱く。父を尊敬し、研究にも賛同する弟が理解出来ず、それでも、弟や家族を守るために自らの実験の対象となることを選んだ、優しさと陰りを持つ男。
しかし、そんな彼を待っていたのは暴走し、父を殺害した弟の姿。家族を守るために手に入れたはずの力は、その家族と戦うために発揮されることになった……如何にも平成ライダーとか、その辺にありそうな特撮ヒーロー設定だよね。初期の鳴は今ほど感情も豊かじゃなかったし、ある意味では型にはまっていたと言えるかも。
織葉や彼女の友人、家族との出会いは鳴にとって良い影響を与えました。普通の少年といっても、育ってきた環境が異質で異常だった彼にとって、所謂一般人との出会いや交流はとても重要なものだった。最初は煩わしいと思っていたことも、自分に対する影響を否定することは出来ず、自然と受け入れてしまう。それは織葉の達観した人格もあるのでしょうが、なによりも鳴という個人を誰一人として拒まなかったのが大きいのかなと。織葉の祖父にしろ、親友の茜にしろ、織葉の弟である和刃は思うところあるみたいだけどね。
私が気になるのは、実のところ佳弥との関係だったりする。不意に現れ、ごく自然に鳴の傍に着くことが出来た少女。すべてを悟ったような、見透かしたような雰囲気に、鳴は何故か心を許しました。同じ異質の力を持つもの同士の共感か、それとも別の理由か。意外にも鳴が自分の心情や葛藤、そして生い立ちなどの深い部分を最初に明かしたのは、織葉ではなく佳弥だった。OVER BOOSTで号が誰からも敵視され、嫌われている自分を卑下していましたが、佳弥と関わりを持ち始めた頃の鳴はまさにそんな感じだった。自分はなにも悪くないはずなのに、号や彼のやっていることが原因で周囲に嫌われてしまったという理不尽さ。勘違いであるにせよ、織葉が言ったように双子だからなのかよく似ていますね。ただ、孤独を感じ始めていた号に手を差し伸べたのが茜なのに対し、鳴の前に現れたのは佳弥。織葉がつぐみの傍にいてやる必要があったとはいえ、ヒロインではないはずの彼女が鳴に関わる理由はなんなのか。OVER BOOSTの展開から考えると、共闘者ということなのかな。戦友は、ヒロインの織葉だろうし。実は鳴と佳弥の二人が一番好きだったりします。カップリングと言うほどではないにせよ。
ヒロインの織葉はとても達観した少女です。それは幼い頃に両親を亡くし、祖父と弟の三人暮らしであるという家庭環境もあるんだろうけど、気になるのは織葉が前に乗っていたバイクの所有者、おそらく彼女にとってヒーローであったとされる男性の存在。煉瓦に複線を回収する気があるかどうかは分かりませんが、織葉の人格形成に大きく影響していることは間違いない。初期の織葉は好奇心が前面に出ており、今ほど落ち着いてもいなければ、それほど達観したものの味方もしていなかった気がする。どちらかといえば無印の第2期、愛用のバイクを失ってからじゃないかな。過去を吹っ切ったのか、鳴に対する批判やつぐみに向ける感情が率直になってきたし。しかし、達観しすぎているが為にヒロインっぽくないというか、完璧なんだよね、基本的に。煉瓦にはやっぱり珍しいタイプのヒロインなのかも知れない。
つぐみは可愛い娘です。可愛い天才少女ですが、私は彼女が鳴を慕っている理由はなんとなく判る。鳴の回想シーンで生後8ヵ月のつぐみが人語を話し始めたとき、自分が兄だと主張する号をつぐみは否定した。血の繋がりがない時点で当然と言えば当然なんだけど、それ以上に、つぐみにとって号は鳴の弟であり、自分は弟である彼の妹ではなかった。ある意味で単純な話だが、ショックを受ける弟を気遣ってか、号にとっての兄である鳴がつぐみを妹とすることで、つぐみにとって号も兄であることを認識させようとしたのです。当時のつぐみがそれをどこまで理解したかは不明ですが、やはりつぐみにとって号は兄という認識ではなかったんじゃないかと思う。仲は良かったんでしょうが、つぐみの兄は号ではなく鳴だった。何故なら、彼が最初にそう定義して、つぐみもそれを受け入れてしまったから。現在も血の繋がりはないけど兄妹として暮らし続ける二人に、おそらく違和感はないんでしょう。つぐみにとっては、それが正しい認識だから。
茜はOVER BOOSTになってキャラが立ってきたというか、言われてみれば号と繋がりが多い娘だった。第一印象がそう悪いものではなかったし、事情はどうであれ号を嫌いになる理由がないんだよね。一般人である以上、どこまで本筋に絡めるかは微妙ですけど、他者に良い影響を当たるキャラだと思いますよ。まあ、号となにかあるってことはないだろうけど。
和刃や翠は飛ばして、本命である久那巳佳弥について。この少女は所謂超能力者の類で、雰囲気としては霊能力者に近いものがある。いつも穏やかな笑顔を浮かべており、人当たりも良い少女だけど、そこにはどこか壁があり、控えめに人との間に距離を取っている。そんな彼女が自分から近づいていったのが鳴なわけだけど、これには付き合いの長い織葉も少し意外そうなんだよね。
佳弥のキャラクターは能力だけなら鳴と同じく、WONDERTHREEからの流用が見られる。OVER BOOSTでいくらか制約が出てきたとはいえ、時間すら楽に操ることが出来る力は、ブラフマンシステムのそれを超えている。だからこそ、鳴と共闘が行えるだけのキャラなんだろうけど、彼女が鳴と積極的とも言えるほど接しているのは、鳴が感じたような共感を覚えたからなのか、それとも……あぁ、深く語るはずが書きたいことがありすぎてまとまりが付かなくなってる。
不思議な感性と感覚を持っているけど、ただの戦闘用にキャラには終わって欲しくないだけの魅力がある。鳴との仲もそうだし、彼女自身が抱える問題もチラホラ出てきてるしね。ヒロイン昇格はないだろうけど、キーキャラとしての活躍に期待しましょう。
長々と書きすぎました。鳴が意外に長文になったせいか、佳弥に触れる頃には疲れてしまった。なので、実はまだ書き足りないという。けど、さすがに3日間も引き延ばす気にはなれないし、佳弥については別の形でなにか書いてみようと思います。時間があればの話ですけどね。場所に関しては、多分問題ないだろうから。
明日はアニメ誌かな。そろそろ手元に来る頃だろうし。そして金曜日はいつもの通りと、流れが戻ってくる感じですね。本当は二次創作についてとかも書きたいんだけど、当分は先になりそうです。
ブラフマンの登場キャラについて書くとして、私がイチオシするのは久那巳佳弥ですけど、ここは順当に主人公からいきましょうか。この作品には特に嫌いなキャラがいないので、書こうと思えばいくらでも書けるような気がします。考察というわけじゃないけど、それぞれに思い入れもありますから。
まず、主人公の乃木坂鳴は煉瓦作品には珍しくないタイプのキャラクターです。容姿もそうですが、煉瓦が過去に描いた同人誌、KanonアナザーストーリーWONDERTHREEに出てくる相沢祐一によく似ています。ジャイブの手によって同人誌からkey公認作品になったものですが、そういや全然続編が出ませんね。書くとか言ってたけど、煉瓦のことだからいつになるのやら。
WONDERTHREEの祐一はクールな男で、原作のキャラクターは一欠片も残っていません。何事にも無関心なようで、それでいて激情家としての気質も持ち合わせている。現状への不満、過去に対する想い、希薄さを装う友人関係、そのどれを取っても後の鳴に近いものがある。違うところがあるとすれば、祐一には戦士としての不遜さがあるというところかな。
話がWONDERTHREEに流れそうなんで戻しますけど、鳴は父親の響によって改造され、ブラフマンシステムというシステムを身体に搭載した改造人間です。乃木坂研究所という研究者一家の双子の兄として生まれ、いえ、作られた存在であり、家族の中では一番人間味のある、常識人といって差し支えのない普通の少年でした。研究にも実験にも興味がなく、動物実験で子猫が犠牲になることへ嫌悪感を抱く。父を尊敬し、研究にも賛同する弟が理解出来ず、それでも、弟や家族を守るために自らの実験の対象となることを選んだ、優しさと陰りを持つ男。
しかし、そんな彼を待っていたのは暴走し、父を殺害した弟の姿。家族を守るために手に入れたはずの力は、その家族と戦うために発揮されることになった……如何にも平成ライダーとか、その辺にありそうな特撮ヒーロー設定だよね。初期の鳴は今ほど感情も豊かじゃなかったし、ある意味では型にはまっていたと言えるかも。
織葉や彼女の友人、家族との出会いは鳴にとって良い影響を与えました。普通の少年といっても、育ってきた環境が異質で異常だった彼にとって、所謂一般人との出会いや交流はとても重要なものだった。最初は煩わしいと思っていたことも、自分に対する影響を否定することは出来ず、自然と受け入れてしまう。それは織葉の達観した人格もあるのでしょうが、なによりも鳴という個人を誰一人として拒まなかったのが大きいのかなと。織葉の祖父にしろ、親友の茜にしろ、織葉の弟である和刃は思うところあるみたいだけどね。
私が気になるのは、実のところ佳弥との関係だったりする。不意に現れ、ごく自然に鳴の傍に着くことが出来た少女。すべてを悟ったような、見透かしたような雰囲気に、鳴は何故か心を許しました。同じ異質の力を持つもの同士の共感か、それとも別の理由か。意外にも鳴が自分の心情や葛藤、そして生い立ちなどの深い部分を最初に明かしたのは、織葉ではなく佳弥だった。OVER BOOSTで号が誰からも敵視され、嫌われている自分を卑下していましたが、佳弥と関わりを持ち始めた頃の鳴はまさにそんな感じだった。自分はなにも悪くないはずなのに、号や彼のやっていることが原因で周囲に嫌われてしまったという理不尽さ。勘違いであるにせよ、織葉が言ったように双子だからなのかよく似ていますね。ただ、孤独を感じ始めていた号に手を差し伸べたのが茜なのに対し、鳴の前に現れたのは佳弥。織葉がつぐみの傍にいてやる必要があったとはいえ、ヒロインではないはずの彼女が鳴に関わる理由はなんなのか。OVER BOOSTの展開から考えると、共闘者ということなのかな。戦友は、ヒロインの織葉だろうし。実は鳴と佳弥の二人が一番好きだったりします。カップリングと言うほどではないにせよ。
ヒロインの織葉はとても達観した少女です。それは幼い頃に両親を亡くし、祖父と弟の三人暮らしであるという家庭環境もあるんだろうけど、気になるのは織葉が前に乗っていたバイクの所有者、おそらく彼女にとってヒーローであったとされる男性の存在。煉瓦に複線を回収する気があるかどうかは分かりませんが、織葉の人格形成に大きく影響していることは間違いない。初期の織葉は好奇心が前面に出ており、今ほど落ち着いてもいなければ、それほど達観したものの味方もしていなかった気がする。どちらかといえば無印の第2期、愛用のバイクを失ってからじゃないかな。過去を吹っ切ったのか、鳴に対する批判やつぐみに向ける感情が率直になってきたし。しかし、達観しすぎているが為にヒロインっぽくないというか、完璧なんだよね、基本的に。煉瓦にはやっぱり珍しいタイプのヒロインなのかも知れない。
つぐみは可愛い娘です。可愛い天才少女ですが、私は彼女が鳴を慕っている理由はなんとなく判る。鳴の回想シーンで生後8ヵ月のつぐみが人語を話し始めたとき、自分が兄だと主張する号をつぐみは否定した。血の繋がりがない時点で当然と言えば当然なんだけど、それ以上に、つぐみにとって号は鳴の弟であり、自分は弟である彼の妹ではなかった。ある意味で単純な話だが、ショックを受ける弟を気遣ってか、号にとっての兄である鳴がつぐみを妹とすることで、つぐみにとって号も兄であることを認識させようとしたのです。当時のつぐみがそれをどこまで理解したかは不明ですが、やはりつぐみにとって号は兄という認識ではなかったんじゃないかと思う。仲は良かったんでしょうが、つぐみの兄は号ではなく鳴だった。何故なら、彼が最初にそう定義して、つぐみもそれを受け入れてしまったから。現在も血の繋がりはないけど兄妹として暮らし続ける二人に、おそらく違和感はないんでしょう。つぐみにとっては、それが正しい認識だから。
茜はOVER BOOSTになってキャラが立ってきたというか、言われてみれば号と繋がりが多い娘だった。第一印象がそう悪いものではなかったし、事情はどうであれ号を嫌いになる理由がないんだよね。一般人である以上、どこまで本筋に絡めるかは微妙ですけど、他者に良い影響を当たるキャラだと思いますよ。まあ、号となにかあるってことはないだろうけど。
和刃や翠は飛ばして、本命である久那巳佳弥について。この少女は所謂超能力者の類で、雰囲気としては霊能力者に近いものがある。いつも穏やかな笑顔を浮かべており、人当たりも良い少女だけど、そこにはどこか壁があり、控えめに人との間に距離を取っている。そんな彼女が自分から近づいていったのが鳴なわけだけど、これには付き合いの長い織葉も少し意外そうなんだよね。
佳弥のキャラクターは能力だけなら鳴と同じく、WONDERTHREEからの流用が見られる。OVER BOOSTでいくらか制約が出てきたとはいえ、時間すら楽に操ることが出来る力は、ブラフマンシステムのそれを超えている。だからこそ、鳴と共闘が行えるだけのキャラなんだろうけど、彼女が鳴と積極的とも言えるほど接しているのは、鳴が感じたような共感を覚えたからなのか、それとも……あぁ、深く語るはずが書きたいことがありすぎてまとまりが付かなくなってる。
不思議な感性と感覚を持っているけど、ただの戦闘用にキャラには終わって欲しくないだけの魅力がある。鳴との仲もそうだし、彼女自身が抱える問題もチラホラ出てきてるしね。ヒロイン昇格はないだろうけど、キーキャラとしての活躍に期待しましょう。
長々と書きすぎました。鳴が意外に長文になったせいか、佳弥に触れる頃には疲れてしまった。なので、実はまだ書き足りないという。けど、さすがに3日間も引き延ばす気にはなれないし、佳弥については別の形でなにか書いてみようと思います。時間があればの話ですけどね。場所に関しては、多分問題ないだろうから。
明日はアニメ誌かな。そろそろ手元に来る頃だろうし。そして金曜日はいつもの通りと、流れが戻ってくる感じですね。本当は二次創作についてとかも書きたいんだけど、当分は先になりそうです。
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