ヨスガノソラ - 奥木染旅行記 -
ヨスガノソラ - 奥木染旅行記 -
ヨスガノソラ - 奥木染旅行記 -
先日、遂にヨスガノソラの舞台である奥木染町こと、栃木県は足利市樺崎町へ聖地巡礼に行ってきました。土日を使って1泊2日の小旅行でしたが、これが凄く楽しかった。元々、私は旅とか遠出とかが好きな方じゃないんですけど、やっぱり明確な目的があると違いますね。色々なものを自分の目で見て、触り、確かめる。町を歩くことの大切さを、改めて実感した気がします。

横浜から足利までは電車で3時間ほど掛かりました。湘南新宿ラインで小山と言うところまで行って、そこから両毛線に乗り換えて足利へ。仕事の都合でたまに群馬県へ行くことがあって、その際に湘南新宿ラインはよく使うんですけど、今回はいつも以上に長い距離を乗っていました。両毛線に乗り換えてからも40分ぐらい掛かりましたが、これがまた凄かった。別に自分が都会人であるとは言わないけど、今日日まさか自分の手で電車のドアを開けて乗るようなことがあるとは思わなかった。
人生少なからず生きてきて、スイッチ式のドアとかは経験したことがありますけど、本当の意味で手動のドアなんてあるんですね。最初、発車時刻まではまだ時間があるのに全部の扉が閉まっていると勘違いしてしまいましたよ。
両毛線の車体はアニメのPVで見たものとは違って、席もボックスシートというわけではありませんでした。もちろん、私が乗った車体がたまたまそんな感じだっただけで、PVに出てきたようなものも存在しているのかも知れませんが、この時点ではまだヨスガノソラ気分みたいのを味わうことは出来なかった。なんとなくだけど実感し始めたのは、電車が走り出してからかな。群馬行く際に乗った東武線も相当だったけど、両毛線はそれ以上に田舎のローカル線って感じだった。もう、本当にのどかな風景が広がっててさ。特に急いでいたわけじゃないけど、40分間まったりとした時間を車内で過ごすことが出来ました。
到着した足利駅は、ヨスガノソラに出てきた穂見駅ほどなにもないということはなく、むしろ一駅とか二駅前の方がそれっぽかったかも。さすがに足利市街の駅ですし、それなり規模や大きさがありました。まあ、水戸ほどではなかったけどね。

駅に着いて、構内の写真を何枚か撮った後は先に到着していた親友と合流。学生時代からの仲ですが、偶然にも隣県に住んでいることもあって、夏コミ終わりに今回の旅へと誘いました。ヨスガノソラどころかエロゲにも興味のない男ですが、私が即売会に参加する際、よく売り子でスペース運営を手伝ってくれていることもあって、作品のことは僅かながら知っています。まあ、そんな事情もあって彼の場合は普通に観光目的で付いてきたんだけど、隣県住まいということも合ってか周辺にある施設等、チェーン店とかに対しての知識が豊富だった。また、私と違って免許と愛車を持っていることもあり、主に彼が運転するロードスターで足利市内の移動をしました。
時間は12時10分とお昼時、軽く飯でもと思わなくはなかったけど、前日の天気予報に反して快晴だったので、天気が崩れない内にと早速聖地である樺崎町へ。いや、乗せていって貰う私が言うのもアレだけど、車があると便利ですね。カーナビも付いてるから、迷うということがなかった。ナビ上によれば駅から10分と少しで聖地には着いちゃうんだけど、実際にどれぐらい掛かったかは憶えてない。周囲の風景に気を取られて、あんまり時間とか見てなかったんだよね。それでも車に乗っていたのは短時間で、気付いたときには最初の目的地である樺崎八幡宮へと到着していました。特に駐車場があるわけでもなく、また、路上駐車禁止の看板があるわけでもなかったので神社の前にある空き地、ヨスガノソラで言うところの瑛が野球をしたり、移動スーパータカノが来る広場に車を止めて、私と親友は樺崎町、いえ、奥木染の大地に足を下ろしたのです。
目の前に広がるのは田畑と山々、それにごく平凡な住宅街。都会らしさなんてものは一欠片もなくて、休日の昼頃ということも合ってか地元民らしき人は一人もいなかった。ただ、我々の他にも一台止まっている車があり、どうやら神社の参拝客らしい。とりあえず記帳本をパラパラ捲り、聖地判明後の参拝客数をチェック。書いてない人もいるにせよ、予想通り多くもなければ少なくもないといった感じで、それなりに効果はあったみたい。現に我々の他に来ていた人も聖地巡礼が目的らしく、ご神木である杉の木の角度やアングルを確認して感慨に浸っていました。私も到着したからには写真でもと思ったけど、まずは普通にお参りを。うっかり5円玉を切らしていたので10円を入れましたけど、樺崎八幡宮には社務所らしきものがないので、特にお守りとかおみくじとか、神社にありがちなものを手に入れることは出来ませんでした。

お参りを済ませた後は写真撮影と言うことで、境内と言うほどのものではありませんでしたが、神社を中心にパシャパシャと。本殿、神楽殿、ご神木と撮っていき、ここら辺はまあ原作のまんまだなと思う。ただ、原作がそれなりに小綺麗な神社だったのに比べて、実際の樺崎八幡宮は長い石段や石畳があるわけでもなく、山の麓にポツンとある寂れた神社というイメージが強い。アニメのPVやCMを見れば判りますけど、現実だと大して高くない石段も、アニメ版の叉依姫神社では相応の規模を持ったものとして描かれるみたい。
本殿以外に見るものはないかと思ってたら、なんでもかの雷神・菅原道真を祭っているとかで、天神信仰と言えば八幡宮じゃなくて天満宮だろうと思わないでもなかったけど、一応覗いてみることに。そこには石碑と絵馬を置く場所があったけど、絵馬は普通に購入制。1枚500円だったかな? 近くにオンボロの賽銭箱があったけど、そこにお金を入れるというシステムらしい。大半は地元の学生による合格祈願なんだけど、一つだけ真新しいのがあって、それは特に合格祈願とかじゃなかったから、聖地巡礼の参拝客が残していったものなのではないかと。それっぽいことも書いてあったし。
参拝及び撮影を終えたとは、そのまま徒歩で周辺を散歩。前述の通り辺りは田畑ですからなにがあるってわけじゃないんだけど、親友と2人、自然とのどかな風景に癒やされておりました。森や草むら、木々や花畑が多いこともあって虫も沢山いたけど、大きなトノサマバッタを見つけたときは少し嬉しかった。大半はクモとかトンボばかりだったけど、バッタと言えばヨスガノソラの序盤に登場して、穹が驚いていたりと作品も関係のある虫ですからね。あぁ、こんなに大きければ穹だって驚いちゃうよなと妙に納得を憶えたり。蜂が飛んできたときはさすがに焦ったけど、それもまた自然の一部なんだよなと感慨に浸ってしまいました。
VFBで言うところの通学路やバス停なんかを撮影していると、パトカーの集団がやってくる。まさか聖地巡礼者の増加が不審者の多発と思われ、警戒でもしていたのか? と考えたけど、単なる交通安全強化週間だったらしく、普通に挨拶をされてしまった。職質ぐらい受けるかと覚悟はしていたけど、普通に花とか撮っているだけだったし、特に怪しくはなかったと思う。まあ、若い男2人がトボトボ歩いているわけだから、向こうさんには異様だったかも知れないが。

撮影を終えた後は車に戻って、渚さんの家を探すために移動。民家らしいから詳細は省きますが、割と神社からすぐの所にあって、判りやすいと言えば判りやすかった。さすがに近づくわけにも行かないし、遠目で写真を撮って次にVFBで「道」とだけ書かれているガードレールと電柱のある景色を探す。けれど、これが見つからないんだな。ガードレールはそれなりにあったんだけど、合致する風景が見当たらないというか、高速道路の工事で消えちゃったのかも知れません。私たちが見つけられなかっただけの可能性もあるとはいえ、そういや奈緒の家もなかったな。春日野医院や伊福部商店がないのは知ってたけど、奈緒の家はあるって聞いていたもんで。もうちょっと奥に行けば良かったのかも知れないけど、なにせ住宅地だからねぇ。あんまりウロチョロすると、それこそ不審者ですから。見つけられないものはスパッと諦め、とりあえずは聖地を後にしました。
その後はCMに出てきたスーパー的なものを探すため、樺崎町から一番近い店に行ってみる。しかし、辿り着いたのはどこにでもありそうな平々凡々なスーパーで、私の地元にあるものと大した違いはない。あぁ、栃木名物であるレモン牛乳とか言うのが置いてあったな。これは違うだろうと思ってそのまま出て、どこかで腰を落ち着けたいなとあしかがハーヴェストに向かうことに。移動中、私が偶然に個人商店を見つけたんですが、それが如何にもといった感じだったので、ちょっと寄ってみることに。最低限の食料品やお菓子があって、駄菓子屋というよりは八百屋兼酒屋を思わせたけど、ここがハルのよく行くスーパー的なもの……なんだろうか? あんまり自信はないけど、親友は早売りのジャンプが買えたので満足そうでした。ジャンプの早売りって都市伝説じゃなかったのね。いや、都市じゃないところだからこそあり得るのか。
あしかがハーヴェストについた後は、とりあえずマックで軽食。折角栃木まで来たんだからもっとマシなものを食べろと言われそうだけど、中途半端な時間だったので。食事の後はショッピングモール内を見て回ったけど、やっぱり足を運ぶのは本屋。勤め先の本は置いてあるかとか、ついつい棚を確認してしまう。ちなみに新刊はあまり置いてなかった。
特に本を買うわけでもなく、同じ敷地内にあるスーパーで飲み物とお菓子を買った後は今夜の宿であるホテルへ。駅前にある立体駐車場付きのビジネスホテルでしたが、駐車場が満席だったので普通にホテルの入口前に止める。車乗らないので知らなかったんだけど、あんな縦長の箱みたいのが駐車場なんだってね。結局使うことはなかったけど、ちょっとビックリしちゃいました。

シングルをそれぞれ取ったので部屋は別々だったけど、双方暇なのでとりあえず私が親友の部屋へお邪魔。持参したヨスガノソラのDVDを見ようとしたら、なんと部屋にDVDデッキがないでやんの。それぐらいは完備していてくれよと思ったけど、ルームシアターなんて用意しているところだから、外からの持込を嫌ってるのかも。テレビも休日はなにがやっているわけでもないし、さすがに間が持たないということでレンタルPCをフロントで借りて、それを使ってヨスガノソラのDVDを見ることに。まあ、見ると言っても3分程度の映像ですし、私は何度も視聴しているから別に新鮮味とかはないんだけど、足利にいると思えばまた気分も変わってくるかなと。親友はVFBをパラパラと捲っていたけど、前述の通りエロゲとか萌え系にあまり興味がない男だから、反応も薄目。すぐにニコニコ動画に切り替えて夕食の時間まで暇を潰しました。
夕食はホテルではなく、予め予約していた市街のフレンチ料理屋へ。我ながら気取っていると思ったけど、フレンチのコース料理なんて食べたことない、食べてみたいと親友も言っていたし、折角の旅ということで少し奮発してみることに。奮発といっても町のフレンチ料理屋ですから、そんな高いわけでもないんだけどさ。足利学校の横をひたすら歩いて、女子校の横を通り過ぎた辺りで目的地へと到着。店内には予約した我々以外、個室部分におばちゃんたちがいるぐらいで、なんでもない日ということも合ってか、そんなに人はいなかった。まあ、混んでいるよりは良いのかなと席について、予めコースは決めていたのでアラカルトを注文。意外にメニューが豊富だったので迷ったけど、とりあえず無難なものを選んでみました。
前菜は私が真鯛のカルパッチョで、親友が茸とベーコンとチーズのキッシュだったかな。実は、これは完全に失敗して、お互いに相手の頼んだものの方が美味しかったというオチが付いた。さすがに全部交換だなんてはしたない真似はしなかったけど、この選択を間違えていなければ最高の夕食だったかも知れない。スープなしのコースだったから、飛ばしてメイン。私は普通にフィレステーキで、親友がイベリコ豚でしたか。美味しかったけど、特筆するほどここがという感じでもなかった。無難なものを頼んだだけに味も相応というのか、美味しかったことに変わりはないんですけどね。あぁ、おかわり自由の焼きたてパンも良かったですよ。
デザートはティラミスロールケーキと、クリームブリュレ。私は前者を食べたけど、ほどよい甘さで大変良かった。シャーベットなんかも付いてきて、これがまたサッパリとしていてね。私はシャーベットよりアイス、アイスよりジェラートという人なんだけど、果実のシャーベットにありがちなしつこさや強烈さがなくて、主張しすぎない風味が独特だった。人によっては物足りないのかも知れないけど、私にはこれぐらいが丁度良いというか。

食べ終わった後は食後の一杯を飲んでお会計。その際に店員のお姉ちゃんに「今日は引田天功さんを見にいらしたんですか?」と、分けの分からないことを聞かれる。後で知ったのだが、どうも25日にプリンセス・テンコーが足利市民会館だかでイリュージョンショーをやっていたらしく、若い男性客を不思議に思ったのか、そんなことを尋ねたのだろう。別にテンコーのファンではなかったし、そんな目的出来たわけでもなかったから、正直に「いえ、近くの寺社仏閣や史跡を見に来ました」と言いました。嘘っぱちじゃないかって? ところがどっこい、樺崎八幡宮以外にも寺社仏閣を巡ったりしたんだなこれが。まあ、店員のお姉ちゃんに言った時点では、まだどこにも行ってなかったけどw
ちなみに店員のお姉ちゃんは樺崎八幡宮を知らないのかポカンとしてたので、適当に話を切り上げてホテルへと帰宅。明日、もう一度聖地に寄ってから、その後移動することなど簡単な打ち合わせをした上で就寝しました。旅の醍醐味は夜更かしなのかも知れないけど、お互いに疲れてたし、特に親友は運転してたから無理をさせるわけにも行きません。少々硬いベットに寝返りすら打てないなと思いながら、私の奥木染旅行の1日目が終わっていくのでした。

まあ、こんな感じです。普通に旅行記として書きましたから、聖地巡礼っぽさはあんまり伝わらなかったかもね。まあ、実際に訪れてみて思ったことは、あそこはあまり聖地巡礼には向かないってことでしょうか? 行った張本人がなにを言ってるんだと思われるだろうけど、本当になんもない、田畑と民家しかないところなんだもん。樺崎八幡宮にしたって観光地ってわけじゃないし、ああいう自然がのどかな場所にオタクが大挙して訪れるのは、周囲の調和を乱してしまうんじゃないかなと。しかも、アダルトゲームの題材に使われていると知れば、良い気分もしないでしょう。地理的な問題があるのでそんなに聖地巡礼が盛んになるとは思えないけど、今後行かれる方、予定のある方は上記のことを念頭に置いて奥木染を目指して欲しいです。

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