昨年からpixivやTwitterを活用するようになって、それによる繋がりや交流というものが増えてきました。私は自分がネット文化に疎いとは考えていませんが、リアルとは比較にならないほどの速度で進化を続けるネット社会のすべてを理解しているとも思ってはいません。だから、新しいコンテンツを使って出来た関係性がどれだけ篤いのか、それとも薄いものなのかというのは、常に悩んでいることだったりします。mixiはちょっと事情が異なるけど、Twitterだと分かりやすいのかな。

Twitterというツールの説明は不要だと思うから省きますけど、あれは本当に気軽というか、気楽すぎる一面があると思う。私はなにも不用意な呟きがどうのとか、そういうことを言いたいわけじゃなくて、敢えてこういう表現を使うと、その程度の問題であればmixiだろうが、ブログだろうが、今までいくらでも合ったじゃないですか。2~3年前までは、mixiでの犯罪告白なんてものが話題になっていましたしね。
私が気に掛けているのは、そんな自業自得な問題のことじゃなくて、Twitterにおける人と人の繋がりみたいなもので、こんな風に書くと仰々しく思えるかも知れませんが、Twitterがフォロワーとの交流を楽しむという側面を持っている以上、私は重要なことだと思うんですよ。Twitterで他者と繋がりを持つのはかなり簡単で、フォローボタンひとつ押せば、相手の呟きが自分のTL上に流れてきます。そして相手が自分のこともフォローしてくれれば、相互フォロー完了ということで、晴れて双方向の繋がりが持てるというわけです。
けど、芸能人とか業界人とか、所謂著名人と呼ばれる方々は例外にしても、一般的な観点でいえば、この相互フォローって凄い楽だと思う。Twitterにはフォローされたら、フォローし返しましょうといったマナーのようなものがあるから、よっぽどの事情がない限り、すぐにフォロワーになってくれたりするんだよね。ツイートを拡散させてフォロワー募集を掛けたり、目についた人を片っ端からフォローしていけばある程度のリフォローがなされるから、著名人以外で1000人以上のフォロワーを持っている人はそういうカラクリがあるわけです。私は別に否定しようと思わないし、フォロワーを増やすこともまたTwitterの楽しみ方だと認識しているんだけど、じゃあ、果たしてそうやって作られた繋がりは篤いのかと言われれば……きっと、違いますよね。

私は人間関係に対して小心者な部分があるから、友人や知人といった者に対する線引きがとても苦手です。例えば、自分は友人と思っていても、相手はこちらを知り合い程度にしか考えていないんじゃないかとか、まあ、ありがちですけど、そんなことを常に考えてしまう臆病なところがある。そんな私からするとTwitterのフォロワーというのは、そもそも知り合いと呼んでいいのかすら分からないほど曖昧なもので、不思議なことに言葉を交わすことがあっても、そこにさしたる実体はないのです。
昨年の冬コミで、私のスペースに幾人かフォロワーの方が訊ねてきて、実際にリアルで挨拶を交わす機会というのを得ることが出来ました。それにしたって片手で数えられる程度ではあったんですが、私はここで初めて相手のことを現実の存在として強く認識することが出来たというか、少なくともこれで知り合いぐらいにはなったんじゃないかと、そんなことをぼんやりと考えていました。勿論、相手は私のことを既に友人だと思っているかも知れないし、そうだとすれば失礼な事この上ないとは思うけど、Twitterでの関係性ほど、相手との距離感が掴みにくいものはない。フォロワーはフォロワーであって、友人とも知人とも違うまったく別種の存在なのではないかと、最近考えることが多い。
mixiやpixivだって、それは同じです。招待制だった頃はいざ知れず、今のmixiは開放的ですし、マイミクを作ることもそれほど難しくはない。フォロワーほど気軽ではないでしょうが、著名人の中には限定何名でマイミクにするとか、そんなイベントっぽいことをやっている人もいますよね。pixivに関していえば、私なんかでも50人以上の人がお気に入りに登録してもらえるほど、人に対する繋がりを作ることは簡単だったりします。まあ、マイピクに関してはそうじゃないのかも知れないけど、繋がりを広げ、人数を増やすことに喜びを感じる人なら、どんどん申請をしていくことでしょう。そして、私はそういうのに抵抗があったりする。

私はTwitterというものは自分の呟きを発信すると同時に、誰かの呟きを見るためのツールだと思っていて、そのためにはどうしたって数を絞らないとやっていけないと思うんですよ。著名人が関係者以外をフォローしないのとはまた違うんだろうけど、例えば1400人ぐらいフォローしている穹botのTLを眺めていると、もうなにがなんだか分からないわけで。人間の認識範囲なんてたかが知れてるんだし、1分なし数秒感覚で呟きが更新されていく中で、一体どのように人と深い繋がりや交流を持てばいいのか? そういった懸念から、私は積極的に他者をフォロー出来ないでいるんでしょうね。増やせば増やすだけ、文字通りフォローしきれない状況に陥ると思うから。まったく、悩ましい話です。マイミクやマイピクに関しては、知人以上であるという感情が私の中であるんですけど、相手もそう思っていてくれるとは限らないから、ネットによる人間関係なのに、結局リアルでの対面や遭遇を求めがちなのかもし知れませんね。人の気持ほど見えないものはないと言うけど、いやはやなんともはや。

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