やっと発売されたので、メロンブックス横浜店で買ってきました。かれこれ何年越しの発売になるんでしょうかね? 10年ってことはないと思うんだけど、5年以上は確実かな。最近の動向から今年中には出るだろうと思ってたけど、まさか、今月出るとは思ってなかった。なんだかんだで、ズルズルと延期を続ける気がしてたからね。なんでも、この作品が売れないとJellyFishは倒産らしいですが、私に言わせれば今まで潰れなかったことのほうが驚きだよ。でもまあ、個人的には作品さえでれば後はどうなってもいいって感じだったりする。待ち望んでいた作品の一つではあるけど、JellyFishそのものが好きかといえば……ね。

ほぼ全編にわたってアニメーションが展開される今作ですが、システム的にはとてもシンプルな作りになっていて、大容量や高スペックなどは特に要求されません。初期タイプのXP等は分かりませんが、それ以降のPCならまず問題なく動くでしょう。私はVISTAのノートを使っていますが、これといって問題は起きませんでした。具体的にどんなシステム構造をしているかなどは分かりませんけど、例えばスクイズなんかと比べるとマシンに優しい設計となっているのが助かるね。まあ、シンプル過ぎて細かい設定が出来ないため、作業にも似たクリックゲーと化している気がしないでもないんだけど、そこはまあ仕方ないでしょう。JellyFishの作品に、そこまでのシステム性は望んじゃいませんし。
欠点としては、やはりアニメーションということもあって基本的な動作が遅いことと、アニメそのものを停止したり、スキップする機能がないってことですかね? 部屋を覗く動作に掛かる時間も半端なく、それに対するまどろっこしさは感じると思う。特に、この作品はエロを目的としたエロゲですから、そこにたどり着くまでの時間が長いとイライラしてしまいます。私はまあ、シナリオ面に謎解き要素があることを最初に理解したから、そういったことを考えることで無駄な時間をやり過ごしてましたけど。
でも、そうした欠点があっても1日掛からずしてクリアできましたから、割とあっさりしているのかな。待った割にはこの程度とか、と思わないでもなかったけど、じゃあ、これ以上なにか必要なのかと言われると、確かに特別いらないような気はする。

シナリオの話をしますと、かなり謎めいた話です。ミステリーやサスペンスというわけではなく、そうですね、芸術系の映画に強い影響を受けているように感じました。発売したばかりなので深いネタバレは控えますが、いきなり交通事故のシーンから始まるのはアラビアのロレンスを私に思わせました。勿論、あれは戦争ものですから恋愛ものであるsistersとはまったく違いますけど、最初の事故の謎解きが最後の辺で明らかになるという意味では、近いものがあるでしょう。ちなみに私、あの映画好きじゃないんですけどね。いや、あれに限らず暗い内容の作品って好きじゃなくて。
sistersは極端に暗い内容というわけじゃないけど、決して明るくはないよね。主人公だけが普通でいようとする中で、周囲がそれを許さないみたいな。姉妹が見せる違和感や、特に電話のシーンなどは、序盤をじっくりと読みこめばどういうことなのか見えてくるかと思います。意外なほど物語性が高く、散りばめられた謎と、時折回想される過去のシーンはなかなかに見応えがあった。よく読めば分かる内容だから、これがどういう話なのか私はほとんど理解していると思うんだけど、それこそ映画にあるようないくつかの要素を抜き出して、複合的な物語を構成しているって感じだろうか。ルートというかシナリオ自体は一本道で、おそらくバッドエンドのようなものもないんでしょう。だって、バッドになりようがないもの。どう足掻いてもハッピーにすらないらないのだから。
今時のエロゲでは珍しいことに名前選択をすることになるんだけど、これに関してはちゃんとしたのを決めたほうが面白いかもしれません。デフォルトもないわけではないんですが、それだと分り易すぎるので。

エロさで言えば、歴代のエロゲでも群を抜いている作品であるのは間違いありません。シナリオも、淡白ながら読ませるものでしたし、決してつまらなくはなかった。けれど、もう一度やり直したいか、何周もしたいかと言われれば、別にそうでもない。たまにやりたくなったら起動するかもしれない程度で、これは私が初回プレイで謎解きの部分をすべて理解してしまったからなんでしょうね。大して難しい話でもなかったから、ほとんどの人がそうだと思います。しいて言うなら、2回ほど登場するおじさんはどうしてあんなに安西先生そっくりなんだということぐらいか。

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