アニマックスで放送しているAngel Beats!の再放送を観ているのだけど、この作品ってしょっちゅうやっているイメージがある。何故、アニマックスでずっとやっているのかは知りませんが、久々に観てみるのも良いかなと思い、連日放送を録画してたんですね。まあ、ABは近年放送された原作なしのオリジナルアニメを代表するような存在だと思いますが、話の内容はともかくとして作画等のクオリティはやっぱり凄いですね。意図的に綺麗な作品をつくろうとした、とでも言うんでしょうか? P.A.WORKSはいい仕事したんじゃないだろうか。

P.A.は設立から日の浅いアニメーション制作スタジオですが、true tearsが始まり、現在のAnotherまで、毎年1本良質のアニメを提供することで知られています。ABを除いて作品に派手さがないため、京都アニメーションやシャフトが持っているようなブランド性こそありませんが、近年のアニオタが言うところのクオリティという意味では、十分に成果を発揮していると思います。なにを持って、良いアニメなのか、という議論はするだけ無駄な話ですけど、00年代以降は主に作画が最重要視されていますよね。内容の善し悪しよりもまず作画が綺麗かどうか、その一点に集中されている。
有名な説では、エロゲやラノベなど、崩れることのない一枚絵に慣れすぎた今のオタクにとって、流動的なアニメ作画に対し、間違った目の肥え方をしてしまったんじゃないか、という見方があります。まあ、分かるような気もしますけど、作画に対してピーチクパーチク言っている奴に限って、話しだって見てるとか、ストーリーも重要とか言ってるんだよね。今やっている作品なら、例えば偽物語には中身というほどの中身があるのかということだけど、あれを傑作だと思っている人間からすると、シャフトの奇抜な演出含めて、一つの優れた作品なんだ、ということになってしまう。西尾維新作品は言葉遊びと掛け合いの世界ですから、文章でダラダラと読む分には良いんだけど、1クール程度のアニメでやろうとすれば、ああなるのが必然なんですよ。

私が意外だったのは、ハイスクールD×Dがそれなりに面白い出来だった、ということでしょうか。あれはラノベ原作で、原作読んでいる人間からすれば話が全然ではないにせよ結構違うじゃないか、という感じになると思いますが、以前の日記にも書いたとおり、それなりにしっかりした話を展開しつつも、高クオリティなエロを提供するってのは割と難しいことでね。萌えアニメってのは、まず第一に萌えるか萌えないかですし、優先されるべきは作画>お話であることが最も顕著なジャンルだと思います。だって、極端なことを言えば視聴層が求めているのは萌えであり、エロであり、重厚感あるシナリオとかじゃないですからね。
勿論、ハイスクールD×Dはどシリアスなアニメというわけじゃないけど、エロでありながら王道であり、ストーリーの骨格的なところがしっかりしているんですよ。これはやはり、腐っても富士見ファンタジア文庫ということなんだろうね。最近は方向性が変わってきたとか、創刊時の古き良き剣と魔法のファンタジーはどこに言ったと叩かれることも多いですが、出ている作品はまあ水準が高いほうだと思う。ラノベ編集なんかと話していると、物語より先に重要なものがラノベにはある、なんて言い方をする人もいるけど、富士見はまだしも物語性を大事にしてくれているイメージがあるな。
まあ、それでもハイスクールD×Dが売れるかどうかは未知数なんですけどね。萌エロアニメとしては話も面白いという稀有な存在ですけど、だからといって売れるのかと言われると、どうなんだろう。げっちゅ屋のランキングとか、AT-X SHOPのランキングは結構上位にいた気がするけど、前者も後者も昔からそっち系のアニメに強いとこですから、あんま当てにはならないかも。

なんか後半はだいぶ話が逸れましたけど、今のアニメというのは、どれも一定水準以上の作画クオリティはあると思うんですよ。だって、少しでも崩れただけで叩いてくるのがオタクですから、早々下手なものを出す訳にはいかない。勿論、京アニやP.A.みたいに極端な綺麗さを持っているところもあるでしょうが、とりあえず作画レベル自体はどこも上がったんだから、次はもっと別の部分に光をあてるのも良いんじゃないかな。オリジナル作品が増えてきたのも、なにかしらのキッカケになればいいんだけど。

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