AT-Xで声優のオリジナル番組を観ていたんだけど、おうちカフェ部って結構面白いね。今までは東京エンカウントとClub AT-X、それとごくたまにpromo-Xを見るぐらいで、おうりカフェ部は女性向けの番組だと避けていました。人気の男性声優3人による番組なんだから、女性向けという認識そのものは間違ってないんだけど、そういった色眼鏡を外して、暇つぶしになんとなく観ていたら割りと真っ当な料理番組だったので少し驚きました。まあ、シェフである3人が喋り過ぎな気もしたけど、そこはバライティだから仕方ないとして、なかなかどうした良い番組だった。

元々、私は料理番組というのが結構好きで、NHKでやってるきょうの料理や、ビギナーズを観ることも多々あります。所謂、芸能人ないし素人が料理下手から珍妙でマズイものを作ってしまう、という番組よりは真面目に料理をしているものをよく観ていて、昔やってた料理の鉄人は今でも思い出深いですね。素人料理なら日曜の昼にやってる……東京マガジンだっけ? あれの路上で料理コーナーは面白いと思う。毎回のお題に対し、引っ掛けの食材とかを選んじゃったりして、「おいおい、そりゃないだろう」ってツッコミを入れてしまうこともしばしばある。ただ、あのコーナーの良い所はひと通り流した後、ちゃんとプロの料理人によるお手本というか、答えが実演されるところで、しかも馬鹿に高い高級食材や、特殊な技法を使わず、家庭でも再現可能な調理工程を見せてくれるのが良いと思う。
おうちカフェ部は男性声優が作った料理を、ゲストの女性声優が食べるという形式の番組みたいだけど、素人とはいえ作り手が意外にこなれているというか、下手くそじゃないんだよね。まあ、他の回も見たわけではないから断定は出来ないけど、こんな番組をやるぐらいだから、出演者は全員料理好きか、料理上手なのかもしれない。まあ、簡単なミスやポカはやらかしていたけれど、手際はそこそこ良かったんじゃないでしょうか。バライティ色が強いから1回30分の中で料理の完成まで行かず、次の回まで持ち越しになるところはどうかと思ったけど、別に料理講座をメインとした番組ではないから、その点は問題ないのかな。今回のテーマはハンバーグでしたけど、肉巻きハンバーグなどゲストが女性であることをまったく考えていない男らしいメニューに、私は思わず感服してしまいました。

しかし、ハンバーグ……私だったら、どんなのを作るのだろうか。料理の鉄人ほど前ではありませんが、私が好きだった料理番組にイシバシ・レシピというのがあって、一流の料理人たちが毎回腕によりをかけた、ご家庭では再現不能な味を提供するというものでした。きょうの料理とか、キューピー3分クッキングなんかに代表されるように、通常の料理番組というのは家庭でも再現可能な味や料理を、実演的な形で教えてくれるものが多いのだけど、この番組は純粋に一流料理人の技術、高級食材から織りなされる最上級の料理というものを追求しており、それが私は素晴らしいと思った。
当然、番組を見たところで料理が上手くなるわけでもないし、多少の心得があったとしても再現できるはずもないのだけど、この番組の中で作られたハンバーグは結構印象に残っていて、確か何十時間も掛けて煮込んだ、煮込みハンバーグを作っていたように記憶しています。ハンバーグというのは挽肉を使うことから、あまり上等な料理ではないというのが専らの見方であり、私もそんな感じだろうと思っていたのですが、イシバシ・レシピで作ったそれは、私の中にあったこねて焼くだけのハンバーグ観を一変し、衝撃を与えてくれました。勿論、繰り返すようですが再現することは出来ないし、作れたとしてなんちゃって煮込みハンバーグにしかならないのだけど、ああいう大衆料理ですら美味しく魅せてくれるというのは、流石一流料理人は違いますよ。

夏コミ原稿も本格化させねばならない昨今、なかなか料理なんてしている余裕もない私ですが、たまには何か作りたいですね。偏食家だから偏ったものしか作らないけど、まあ、そこは肉・魚一辺倒というか、野菜以外の料理に傾倒しているということで一つ。悲恋堂の店主なんかは、むしろ自分が食べられるものを探すという意味で野菜料理を覚えたらどうだというのだけど、私は奴ほどに技術もないしね。自分の好きなものを、可能な限り安く美味しく食べるというのが、私の自炊哲学です。

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