イモウトノカタチに日記も、いい加減まとめに移った方が良さそうなので、今日は総評を書くことにします。本当はもう少し書き足りない気分なんだけど、これ以上続けても同じ事の繰り返しだし、昨日みたいに心の狭い文章ばかりになりそうだから。別にあれの何がいけないってわけじゃないんでしょうが、継続的に貶し続けるというのも感じ悪いし、かといって良いところを上げろと言われても無理ですからね。勿論、イモウトノカタチという形にも僅かながらの美点や、褒めるべきところはあるんだろうけど……まあ、今日はそんなイモウトノカタチの総評と、FDの可能性について書きます。

始めにおさらいをしておくと、この作品は好意的な評価よりも否定的な評価、つまり酷評や不評が多い作品です。俗に言う地雷とまではいきませんが、駄作と凡作の間を行ったり来 たりしているような感じで、私自身の評価もそれに近いものがあります。少なくとも、美優樹ルートや、あやかルートをプレイしていたときはごくごく 平凡なエロゲーというイメージがとても強く、こんな平々凡々とした内容の作品をSphereで出す必要があったのか? と思ったのは事実です。
ただ、千毬ルートと真結希ルートをやってからは、主人公のキャラや、それに伴うシナリオが酷すぎることと、伏線等が全く回収されなかったことか ら、平凡や王道という表現を使うことに躊躇いが生まれました。あやかルートがそれなりにまともだったことから、決して地雷ではないし、一つでも評価 できる部分があるなら、その作品は駄作ではないってのが私の考えだけど、それじゃあ凡作なのか? と言われれば、雪人の酷いキャラや伏線の存在もあって、素直 に肯定することが出来ないんですよね。凡作の域を出ないと言うより、その域に達してないとでも言うべきか。
私が最初に体験版をやったとき、イモウトノカタチは王道的なエロゲを目指しているのではないかと思い、実際に美優樹とあやかのシナリオはそんな感じだったのだけど、後半になって見事に崩れてしまった。色づけとして用意したであろう設定が荷物となり、結果的に生かすことも出来なかったのだから皮肉な話です。
だからこそ、イモウトノカタチは中途半端なエロゲと言われており、期待外れであるという声が多いのだと思う。少なくとも、Sphereブランドの3作目として出すべきような作品ではなかったね。ヨスガノソラに続く新作としては、相応しくなかったとしか言い様がない。

そんなイモウトノカタチですが、今後の課題となっているのは、果たしてFDは発売されるのかどうか? と言うことです。FD、つまりファンディスクの略だけど、これに関して私は一つの考えを持っています。多分ですが、イモウトノカタチFDは出るでしょう。これは希望的観測ではなく、ある程度の根拠がある推測になります。
回収されてない伏線が多いからとか、単純に作品として未完成、あるいは中途半端な出来だからFDでの補完が欲しい、という要望が目立つイモウトノカタチだけど、それと匹敵する、もしくはそれ以上にこの程度の作品にFDなど必要ないという意見が出ているのも事実です。要は不評と酷評だらけの作品でFDなど出してどうする、FDは不出来な作品を作り直すために存在するのではないぞと、まあ、そういうことですね。私も基本的には後者の意見に同意するし、イモウトノカタチで特別FDを欲していないというのが正直なところです。8月の新作として一番売れたのは事実だろうけど、それに比例するぐらいのけちが付いたのも否定できないでしょう。
ただ、そういった現状や現実を無視しても、FDは出るんじゃないかと思う。口では文句言っている奴も出たら出たで買うだろうってのは勿論あるけど、もっと言うならイモウトノカタチはFDを作りやすいんですよ。現在Sphereは、早くも新作であるBerry’sを作っているわけですが、これは橋本タカシと鈴平ひろの黄金コンビに、その友人原画家たちを大量に招いた、複数原画家によるお祭り作品です。元々は同人企画としてスタートしたものですが、新作をやる以上はイモウトノカタチのFDなんて作っている暇はないんじゃないかと言えば、実はそうでもありません。何故なら、Berry’sにはイモウトノカタチの原画家である武藤此史とこだまさわは参加しておらず、例えば聡里や律佳など、攻略が期待されているであろうキャラの新規ルートを作ることに、それほど制約がないのです。まあ、前者はともかく、妹ゲーで後者を攻略したいのか、という気持ちはありますけどね。

FDである以上は立ち絵や音楽、それにシステム面での流用が利きますし、必要なのはシナリオと新規CGぐらいなものです。真結希ルートを作り直すにしろ、聡里ルートを新たに追加するにせよ、一からゲームを作るわけじゃないですから、新作と並行しての作業もさほど難しくはないと思うんですよ。現に、ヨスガノソラのFDハルカナソラは、CUBEの処女作夏ノ雨と同時発売でしたからね。
それに、私がイモウトノカタチのFDが出るのではないかと思っている理由の一つ、まあ、これが一番大きいんですけど、原画家の武藤此史が、原画の依頼を2013年下半期以降の受付としているからです。つまり、彼は原画家としてのスケジュールが来年の夏ぐらいまでは埋まっていて、何らかの作品に従事している可能性があると言うことです。勿論、イモウトノカタチとは全く関係ない、何か別の新作である可能性は否定できないけど、Berry’sの発売予定が2013年であることを考えれば、イモウトノカタチFDと同時に出す流れを考えた方が自然という物でしょう。最初からSphereはFDを出すつもりでイモウトノカタチを作っていたのかと思えば、それはそれで腹立たしいのだけど、流石に「どうせFD出すんだし、伏線とかはそこで回収すればいっか」とか、そういうノリで作品を発売したのではないと思いたい。以前にも書きましたけど、FDってのは本来人気の作品が、待望され、期待されて出す物であって、不人気で酷評されている物が、評判を挽回するためのものじゃないんですよ。
だから、Sphereはある程度、いや、ヨスガノソラに近しいぐらいの反響や人気を、イモウトノカタチで得られると思っていたに違いない。あの作品でどうしてそんな夢みたいな事を考えてしまったのかとは思いますけど、じゃなかったら確信犯な訳で、よっぽど質が悪いことになりますからね。ここまでの酷評を受けるとは、予想できていなかったのでしょう。

私は何だかんだ言って、イモウトノカタチFDが出れば買うと思います。必要ないって気持ちに変わりありませんが、まず間違いなく出るでしょうし、聡里ルートなりを追加しつつ、ミータないし真結希ルートを作り直す形になるはずです。主人公の交代は流石にないだろうけど、今のままでは何も変わらないし、性格というか人格面での調整ぐらいはするんじゃなかろうか。あやかルートを基準にしていけば、ある程度の改善は見込めるはずだしね。
ヨスガノソラがイモウトノカタチに比べてよっぽど優れた作品だと言うつもりはないけど、私はヨスガの方が好きだし、イモカタはあらゆる面で失敗作というか、残念な気分にさせられた作品です。だから私にとってイモウトノカタチとは、好きになりたかった作品ということで、感想レビューをまとめておくことにしましょう。本当に、惜しい作品でした。

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