年忘れ企画第三弾。本日はライトノベルです。といっても今回紹介する作品はアニメから原作に入ったパターンなので、どちらかと言えばアニメになるのかな? 私も最近はラノベとかあまり買わなくなったので流行りものに疎くなりつつあるんですが、それでも本に対する興味は尽きないというか、アニメ観て「これは原作を読んでみたい」と思ったら、ついつい手に取ってしまいますね。今年は特にそういう作品が多かったように思うし、正直神さまのいない日曜日と迷ったけど、こっちを選んでみました。

「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」は、角川書店のライトノベルレーベル、スニーカー文庫から刊行されている作品で、今年の1月から3月にかけてTVアニメが放送されていました。前回、前々回と取り上げた作品もこの時期に発表されていることを考えると、2013年の私は割と序盤から色々なものに熱中していたんだということが分かりますね。ジャンルも媒体も違う、しかし、どれも私が好きになった作品です。
まあ、それはいいとしても、現在ラノベレーベルというのは片手以上の数があり、もしかしたら両手ぐらいはあるかという中で、スニーカー文庫は古参のレーベルに当たります。かつてはロードス島やゴクドーくんなどで一世を風靡し、00年台も涼宮ハルヒを世に送り出すなど、富士見や電撃と合わせてラノベ御三家と呼ばれていましたが、最近はどうにも元気が無い。富士見ファンタジアが積極的なアニメ化と新刊を出すことで盛り返しているのに対し、スニーカーはどうにも低調気味というのが近年における私の印象でした。勿論、それはハルヒシリーズの延期やら色々な事情があったんだろうけど、とにかく私の書棚からは外れていたんだよね。
だから、「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」がアニメ化されると聞いた時も、正直言ってスニーカーにまだアニメ化できるような作品があったのかという印象だったし、実際に放送が始まるまではあまり気にも留めていませんでした。そして、この評価が覆されるまでに必要だった話数は僅か1話。つまり、初回放送を見た瞬間から自分の中で、この作品が大ヒットしたんですよ。あ、これは来たな、という感じで。

最近は、ラノベも長ったらしいタイトルが増えて、その中には意味のわからないものも多いですが、この「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」は読んで字の如し、超常の力を持った問題児たちが異世界に召喚されて大暴れするという話です。分類上はファンタジーだし、広義の意味ではSFなんだろうけど、所謂召喚された勇者様が正義の為に大活躍とか言う王道的ストーリーとは少し違います。
敵としての魔王は出てきますし、戦いもするんだけど、その方法は箱庭という舞台において行われるギフトゲームと呼ばれるもの。このゲームは単純な戦闘もあれば、知力を試すものや、体力を競うものなどもあり、ゲームごとに主催者とホストがいて、独自のルールが設けられるなど、かなり凝った仕様になっています。神話なんかに出てくる試練や謎解きを想像してもらえると分かりやすいかもしれませんが、主人公たちはそうした一癖も二癖もあるゲームを、その類まれな力で勝ち進んでいくわけですね。
この作品の魅力はなんといっても主人公たち問題児のキャラクターで、主人公の十六夜を始め、彼らは基本的に強いです。彼らは箱庭の外部から召喚された人間にもかかわらず、箱庭にいる獣人や吸血鬼、あるいは魔王などとも対等に渡り合えるだけの力を持ち、メインの主人公である十六夜は水神を始めとする神格の持ち主さえも単独で撃破する脅威のパワーを秘めています。
つまり、いきなりレベル100又はスキルマックスの主人公たちが持てる力を存分に振るって大暴れする話というわけで、これがもう清々しいほどに爽快感溢れてるんですよ。いいぞ、もっとやれという感じで、アニメの話数は少なかったけど、それだけに話がコンパクトにまとまっていたのも良かったと思います。

BD付きの原作特装版も持ってますが、あの素敵な箱庭世界でのゲームはまだまだ続いているので、是非2期に期待したいところですね。まあ、なかなか難しいところもあるのだろうけど、この作品を皮切りにスニーカーも今年は何本かアニメ化作品を出してきてるしさ。もうちょっと続けても良いんじゃないかと思うわけですよ。原作だって面白いし、何よりラブコメとか恋愛要素が殆ど無いからね。まあ、今のラノベの主流からは若干外れるのかもしれないけど、だからこそ面白いものもあると、私はそう感じるのです。

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