年忘れ企画第四弾。今年最初にして、最後のエロゲです。こんな風に書くと、まるで2013年はこれ一本しか買っていないかのような誤解を受けそうですが、他にも何本か買ってはいます。ただ、中でも一番印象に残り、尚且つ発売前からの期待値も高かったのが、この作品になるわけです。昨年、つまり2012年の最後にminoriの夏空のペルセウスを特典付き全店舗買いという無茶をやらかして以来、私はもうエロゲの複数買いはしないと心に決めていたんですが、その誓いを破ってしまった唯一の作品でもあります。

「月あかりランチ OZ sings, The last fairy tale.」は、今年の5月にEX-ONEから発売されたエロゲーで、同社の作品としては三作品目になります。私は処女作の真夏の夜の雪物語や、続く二作目フツウノファンタジーも買っていますから、このメーカーの作品は全て買っているということになりますね。
どの作品も毛色の違う物語で、原画家も違いますから大分印象は異なるのだけど、作品が持っている魅力や雰囲気といったものがやっぱりあって、EX-ONEはそれが私の好みと見事にマッチしてるんだと思います。月あかりランチは不思議な空間内にある学校が舞台で、それは極端に閉鎖された世界ではあるんだけど、実のところ以前の二作にもそういった部分があって、段々と狭まってきた感じがします。民間伝承、メタRPGときて、本作がオズの魔法使いをモチーフにした物語というのも、児童文学に傾倒している私からするとドンピシャな題材だったんでしょう。
エロゲとしては夏ペル以来、特典のために複数買いをした作品でもあるけど、今年は本当にこれ以外だとやりませんでしたね。エロゲ自体は十数本ぐらい買ったと思いますが、例えばSphereのBerry’sなんかも、前作で懲りた部分があったのか、一本しか買いませんでしたし。ただ、これにはちょっと面白い話があって、月あかりランチを10本近く買って、ほら、アキバで発売記念イベントとかやってるじゃないですか。ソフマップの店頭で抽選会とか。あれをやったら全滅だったのに、Berry’sはたった一本だけでタペストリーとか当たりましたからね。そういった意味で、複数買いってあまり意味ないなと思ったりもしました。

月あかりランチは全体的に話がまとまっていて、謎解きの部分でも最終的にしっくり来るなど、物語として完成度が非常に高いです。私は勿論好きな話ですし、各ヒロインと魔女の対比、そしてアキとハルが抱える秘密など、結構読み応えがありました。舞台設定が閉鎖された空間だから、壮大な話というよりはコンパクトにまとまったきっちりした話、という印象が強いけど、それだけに大きく外れるようなことがなかったかな。
ただ、完成度が高すぎて逆に手を出しづらかった、という一面もあります。主に同人的な意味ですが、一度ならず同人誌でもと思ったんだけど、クロス以外にどうしても話を作れそうになかったんだよね。作品世界が綺麗に完結しているから、外部要因を出さないことには話に介入しづらくて、フツウノファンタジーとクロスさせて……とも思ったんだけど、それだと魔王様が主人公で、どうにも先生を活躍させにくかったので。
後、グッズが結局出なかったのは残念でならない。グッズ化の人気投票を2回もやったのに、冬コミに落ちたからか、あの事件が影響したからかは知りませんが、昨年は7月以降の音沙汰がなくてね。このままフェードアウトじゃないけど、更新もされないままに終わるんじゃないかとヒヤヒヤしてますが、そこのところはどうなんだろうか。来年辺り、新作でもとは思ってるんだけど、やっぱりそう簡単には行かないのかな。フツウノファンタジーの企画だって止まったままだし、どういう形にしろ発表はしてもらいたいものだが。

後、今年印象に残ったエロゲはレミニセンスと、僕が天使になった理由ぐらいかなぁ。前者は暁の護衛の続編で、後者はOVERDRIVEの新作ですが、あぁ、コットンソフトの双子座のパラドクスは良かったね。話が綺麗に終わってたし。エロゲに対する興味が尽きたわけじゃないけど、自分の中で大ヒットするような作品はあまりなかったというか、なんというか小粒な感じだったかな。毎月なにかしら買っていた気がするけど、それこそ月あかりランチを除けば私の感性に訴えかけるような作品はなかったように思う。
来年がどうなるかはわからないけど、とりあえずminori新作12の月のイヴが出ますし、何かしらはプレイしてるんじゃないでしょうか。面白い作品に出会えればいいのだけど、果たしてどうなることやら。

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