カスタムプロジェクト第3回公演「吹雪の山荘にて」感想
2016年5月8日 アニメ・マンガ5月5日の続き。秋葉原を後にした私は、総武線から中央線に乗り換えて新宿を目指しました。そこから更に京王線に乗り換えるのだけど、ちょっと時間が合ったので、先頃オープンしたというメロンブックス新宿店を覗いてみることに。何となく場所は知ってたんだけど、探しても見つからないのでグーグルマップを起動すると、やはり自分がいる付近のビルにあるはずなんですよね。しかし、見つからないので困っていたら、何と看板の類が一切無いだけで、目の前のビルに入っていたというオチが。
どうやらビルの決まりで外に看板を置けないらしいんですが、ビルそのものに目印になるよなものがなくて、ビルの中に入ってテナントを確認しないと分かりっこないという、かなり不親切で不便な感じでした。実際、私の次にやってきた団体さんも相当探しまわっていたようで、立地の悪さはもとより、あの目標のなさはどうにかした方がいいと思う。店内は……オープンしたてということもあってお祝いの色紙が沢山あったけど、何となく無個性だと思った。新宿西口という場所柄をよく表しているといえばそれまでなんだが、あそこにわざわざ同人誌とかエロゲとか、商業誌を買いに来る奴はいるんだろうか。多少無理をしてでも、東口の方が良かったんじゃないかな。
まあ、メロンブックスの今後はともかくとして、京王線に乗って目指したのは仙川という駅で、スーパーマーケットなどの小売業が充実している街です。クイーンズ伊勢丹とか、そういうやつ。そんなところになんの用があったのかといえば、せんがわ劇場で開催されるお芝居を観に行く予定を立てていたから。
私は頻度こそ少ないですが、結構観劇が好きな方で、大小様々な舞台を観に行くことがあります。それはお芝居だったり、あるいはミュージカル、オペラや歌舞伎の場合も稀にあるけど、今回はミステリー仕立てのお芝居でした。
どちらかと言えば喜劇やSFを好むタイプなので、ミステリーというのはあまり縁のあるジャンルではなかったのだけど、贔屓の役者が数年ぶりに舞台へ出演するということもあって、観劇を決めた感じです。単に縁がないというだけで、ミステリーそのものに抵抗があった訳でもないからね。
「吹雪の山荘にて」と題されたお芝居は、せんがわ劇場の決して広くはない舞台上において、結構面白い趣向というか、演出が施されていました。たとえば登場人物の一人が山荘に向かうシーンとか、あるいは殺人犯による凄惨な犯行が行われるシーンとか、そういうのは全て映像で処理されるんですよね。映像内で車が走り、映像内で凶器が光る。舞台演劇でありながら、映像描写に頼ることを恐れないとでもいうのか、なるほど上手いなと思った。
たとえば容疑者たちのアリバイを検証するシーンでも、映像で表を出して細かく解説していくことで、観客に対しての分かりやすさ、伝え易さを優先してるというか。
この芝居には他にも挑戦的というか斬新な部分が多々あって、最大の特徴は観客参加型であること。勿論、観客が壇上に上がっていきなり芝居をするとか、そういうことではなくて、ミステリーの肝である犯人を推理する時間があるんです。予め、入場時に捜査資料や解答用紙が渡されて、舞台の合間、まあ、要するに休憩時間なんですけど、その間に犯人と根拠……つまりはトリックですね。アリバイ崩しを含めて、整合性のある答えを書くことができたら正解と、そんな感じ。
お話自体はそこまで大掛かりなものじゃなくて、人が行き来できない吹雪の山荘で連続殺人が行われて、全員死んで一人行方不明だけど、じゃあ、誰が犯人なのか……という、極々平凡なもの。だけど、ミステリーってのはシンプルな方が却って思考の沼にハマりやすくて、また、舞台観劇特有の先入観もあって、私は見事に答えを外しました。
フェアかアンフェアか、あるいは新本格論争みたいな結末ではあったけど、私はしてやられたという気持ちが強い半面、単純に芝居として面白かったと思う。勿論、私にもっと卓越した推理力があれば解答に辿りつけたんだろうけど、辿りつけたとしたら、それは物語の底が見えてしまうことになりますから、驚きや意外性は半減してしまう気がする。言ってしまえば、私が名探偵ならぬ迷探偵だからこそ、楽しめたんじゃないかなと。
まあ、見事推理して見せれば、それはそれで、又別の喜びや達成感が待っていたのかもしれないけど。
私が観たのは都合により千秋楽だったけど、種明かしの後にもう一回見直したいと思ったのと、もっと多くの人に観てもらいたいこともあって、再演か円盤化を希望したい。たまにはミステリーというのもいいものですね。
どうやらビルの決まりで外に看板を置けないらしいんですが、ビルそのものに目印になるよなものがなくて、ビルの中に入ってテナントを確認しないと分かりっこないという、かなり不親切で不便な感じでした。実際、私の次にやってきた団体さんも相当探しまわっていたようで、立地の悪さはもとより、あの目標のなさはどうにかした方がいいと思う。店内は……オープンしたてということもあってお祝いの色紙が沢山あったけど、何となく無個性だと思った。新宿西口という場所柄をよく表しているといえばそれまでなんだが、あそこにわざわざ同人誌とかエロゲとか、商業誌を買いに来る奴はいるんだろうか。多少無理をしてでも、東口の方が良かったんじゃないかな。
まあ、メロンブックスの今後はともかくとして、京王線に乗って目指したのは仙川という駅で、スーパーマーケットなどの小売業が充実している街です。クイーンズ伊勢丹とか、そういうやつ。そんなところになんの用があったのかといえば、せんがわ劇場で開催されるお芝居を観に行く予定を立てていたから。
私は頻度こそ少ないですが、結構観劇が好きな方で、大小様々な舞台を観に行くことがあります。それはお芝居だったり、あるいはミュージカル、オペラや歌舞伎の場合も稀にあるけど、今回はミステリー仕立てのお芝居でした。
どちらかと言えば喜劇やSFを好むタイプなので、ミステリーというのはあまり縁のあるジャンルではなかったのだけど、贔屓の役者が数年ぶりに舞台へ出演するということもあって、観劇を決めた感じです。単に縁がないというだけで、ミステリーそのものに抵抗があった訳でもないからね。
「吹雪の山荘にて」と題されたお芝居は、せんがわ劇場の決して広くはない舞台上において、結構面白い趣向というか、演出が施されていました。たとえば登場人物の一人が山荘に向かうシーンとか、あるいは殺人犯による凄惨な犯行が行われるシーンとか、そういうのは全て映像で処理されるんですよね。映像内で車が走り、映像内で凶器が光る。舞台演劇でありながら、映像描写に頼ることを恐れないとでもいうのか、なるほど上手いなと思った。
たとえば容疑者たちのアリバイを検証するシーンでも、映像で表を出して細かく解説していくことで、観客に対しての分かりやすさ、伝え易さを優先してるというか。
この芝居には他にも挑戦的というか斬新な部分が多々あって、最大の特徴は観客参加型であること。勿論、観客が壇上に上がっていきなり芝居をするとか、そういうことではなくて、ミステリーの肝である犯人を推理する時間があるんです。予め、入場時に捜査資料や解答用紙が渡されて、舞台の合間、まあ、要するに休憩時間なんですけど、その間に犯人と根拠……つまりはトリックですね。アリバイ崩しを含めて、整合性のある答えを書くことができたら正解と、そんな感じ。
お話自体はそこまで大掛かりなものじゃなくて、人が行き来できない吹雪の山荘で連続殺人が行われて、全員死んで一人行方不明だけど、じゃあ、誰が犯人なのか……という、極々平凡なもの。だけど、ミステリーってのはシンプルな方が却って思考の沼にハマりやすくて、また、舞台観劇特有の先入観もあって、私は見事に答えを外しました。
フェアかアンフェアか、あるいは新本格論争みたいな結末ではあったけど、私はしてやられたという気持ちが強い半面、単純に芝居として面白かったと思う。勿論、私にもっと卓越した推理力があれば解答に辿りつけたんだろうけど、辿りつけたとしたら、それは物語の底が見えてしまうことになりますから、驚きや意外性は半減してしまう気がする。言ってしまえば、私が名探偵ならぬ迷探偵だからこそ、楽しめたんじゃないかなと。
まあ、見事推理して見せれば、それはそれで、又別の喜びや達成感が待っていたのかもしれないけど。
私が観たのは都合により千秋楽だったけど、種明かしの後にもう一回見直したいと思ったのと、もっと多くの人に観てもらいたいこともあって、再演か円盤化を希望したい。たまにはミステリーというのもいいものですね。
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