ご注文はうさぎですか?のコミックス第6巻が発売されました。第5巻が昨年の8月でしたから、1年以上の間が空きましたね。4巻から5巻が1年未満だったことを考えると、映画との兼ね合いなど商業的な香りを感じますけど、何だかごちうさを詠むのも随分と久しぶりな気がしました。きららMAXは毎月買ってるものの、以前よりは落ち着いた距離感を保ってるといいますか。まあ、相も変わらずコミックスの特典は全店舗コンプリートしてるんですが。


第6巻の特徴としてはまず絵柄がアニメに引っ張られることなく、いい意味で美しく成長を遂げていることだと思います。ほんと、美麗なイラストとはまさにこのことかって感じです。
そして物語としては比較的新しいキャラの掘り下げと、既存キャラの進路について書かれたことでしょうか? 分かりやすいところで言えば、青山ブルーマウンテン先生の担当編集である真手凛が序盤ではピックアップされてましたね。しっかり者のようで抜けている部分があり、青山さんとは追っかけっ子の日々。コーヒーは苦いので飲めないという子供っぽさや、シャロの怪盗ラパンのコスプレにはしゃいだり、それまでとは違った面がいくつも見られます。編集者という立場から怒っている……少しイライラっとしているイメージも強かったけど、本質的には翠ちゃんこと青山さんが大好きなんだなぁって。
後は名前こそ設定されていないものの、ココアと千夜のクラスメートたちが再登場しました。委員長をはじめとした個性的な面々で、生徒会長選挙に纏わる話に登場します。委員長はちょっと自信家なところがあるのか、生徒会長に当選するのは自分に違いないと確信しているものの、クラス投票で千夜に敗れて候補にすらなれないと言う。多数決で僅差だったそうだけど、このクラスメートたちだけで別の漫画が連載できてしまうんじゃないかと思うほどキャラが立っていて、特にそれぞれの個性が垣間見えた気もする。たとえば、委員長は前述のとおりだけど、ツインテールの子は甘兎庵にやってきて「まともそうな喫茶店ね」と含みのある表現を使ったり、まあ、メニューを見て結局まともじゃないことに気付くんですが、そういった意味ではラビットハウスのほうがまだまともなのかな……?

千夜が生徒会長選挙を辞退したのは、間違いなくシャロとの関係があります。多数決、つまり、千夜は自分の意思というよりはクラスメートの信任で選ばれたわけですが、シャロの言葉と想い出で、彼女が生徒会長の椅子を蹴ったように自分が本当にしたいことを見つめ直すわけですね。勿論、元々票数は僅差で委員長がやりたがっていたのだからそれはそれで良いのかもしれませんが、クラスメートの期待よりもシャロを取ったとも考えられるわけで、二人の関係性の深さが強調された話だったように感じます。
又、シャロは学校のクラスメートやバイト仲間との交流が描かれないので、愛想笑いなどの武器があるからぼっちとは思いませんが、比重としては千夜を始めとしたココアたちとの交流を大切にしているのでしょう。
関係性と言えば、リゼの進路が小学校の先生であることが明かされましたけど、進学は教育課程に進みたいみたいです。大学生になれば又違った交流も生まれるかもしれませんが、バイトは普通に続けることが出来ますし、後述するチマメ隊とは立場が違います。思えばリゼもリゼでクラスの友達とかが書かれない方ですが、部活の応援に駆り出されたりと交友関係は広いんでしょうね。
そしてチマメ隊ですが、6巻で明確にチノとマメの進路が違うことが決定しました。前巻の時点でメグが親から、マヤが特待生としてお嬢様学校を薦められていたことは書かれてましたが、二人ともお嬢様学校を進学先として受験勉強に励んでいます。チノは家庭の事情……経済的な理由か、それともココアがいるからか、ココアたちの高校を受けることを決めていますから、何らかの理由でどちらかが覆さない限り、高校は分かれることになります。まあ、ココアやシャロが学校は違えど仲のいい友人をやっているように、あまり深く考えなくても良いのかもしれませんが、チノにとって友達らしい友達は今までマヤとメグだけだったっぽいし、チノの卒業と進学は一つのポイントにはなると思います。
まあ、ごちうさは今のまんがタイムきらら系は一番人気の作品でしょうから、そう簡単に終わらないはずですが……あくまで学校が舞台の話でありませんし。

脇キャラがピックアップされた巻ではあったものの、基本的にはラビットハウスが中心となった話も多かったと思います。ハロウィン回はよくよく考えると昨年のMAXに掲載されたものですが、現実では丁度この前がハロウィンだったからぴったりですね。
ラビットハウスはまったり営業しているようですが、真手凛が雑誌に記事を載せたことで突然の大繁盛。店の前にできた行列に、チノが思わず「あり得ない!」と叫ぶ辺り、余程意外な光景だったのでしょう。去年のクリスマスも結構繁盛していたというか、雑誌に残ることは初めてじゃないと思いますが、そこは編集者の記事づくりが見事だったに違いない。というか、ちらっと載ってましたけど良い記事でしたよ。
ヘルプとして急遽リゼの父親が呼ばれてましたけど、帰宅したココアとチノを見るなり、「タカヒロの娘達」と表現したのは地味に良かったですね。彼にとっては、いえ、彼にとってもココアは香風家の家族として認識されているわけです。ちなみに娘との関係性は少し複雑なようだけど、そう言えばリゼは母親っていないのかな?
千夜も両親は出てこなくてそれについての言及はないけど、母親の死が語られているのはチノぐらいで、シャロは出稼ぎでしたっけ。チノの母親とココアの母親が友人だったのは意外でしたが、ココアが幼少期にあの街を訪れた理由につながっているのだと思えば不自然ではないかも。そういえば、モカが威厳ある姉とは違う努力家の一面を暴露されてましたが、ラテアートがまさか秘密特訓の成果だったとは確かにいえませんよね。しかし、コーヒーが泥水……苦手なのはスコーンだけじゃなかったか。

帯裏に書かれている、漫画もアニメもかわいさであふれてる! というキャッチコピー。正直、アニメ化を始めとしたメディア展開は必ずしも私の望む形ではなかったのだけど、それでも週末に公開される劇場アニメは観に行こうと思うし、原作はあくまでゆったりと成長を続けているので、又一年、きららMAXを買いながら見守っていこうと思います。

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