9月8日に開催された、tone work’s FULL MOON PARTYに参加してきました。
2017年のtone work’s Live Fes 2017から約2年振りの開催、今回は新作「月の彼方で逢いましょう」を中心に昼夜二部公演のイベントとなりました。ライブフェスだった前回に比べると、今回は声優陣によるトークパートもあって、どちらかと言えば作品イベントの色合いが強いのかな? グッズもつきかな一色だったし。

出演はつきかなのキャストから、佐倉雨音役のくすはらゆいさんに、倉橋聖衣良役の白月かなめさん。ゆいちゃんは前回のライブフェスでもオープニングナレーションを担当されましたが、あれは確か収録だったはずなので、イベント生出演はそれこそほめらじ10周年以来になりますね。tone work’s作品は3作連続で出演してますが、年々ステップアップしている感じがして、ファンとしてはかなり嬉しいです。白月さんはつきかながtone work’s作品初出演でしたが、そこからの抜擢なのでこちらも凄い話。
歌手勢はつきかなの楽曲を歌った方々から、Ducaさん、夢乃ゆきさん、Ceuiさん、中恵光城さん、Lunaさんと、多彩な音楽を作品に盛り込んでくるtone work’sらしい面々が揃いました。

会場は品川のインターシティホール。2年前のライブフェスは、今はもう閉鎖されて取り壊されたディファ有明での開催でしたが、それに比べると随分お洒落というか都心の鮮麗された施設って感じがします。美少女ゲームのライブイベントには珍しい気もしますが、そこはまあビジュアルアーツのイメージもあって、それほどの違和感はありませんでした。オーケストラとか、良いホールでやってるから。
ちなみに近隣のホールでまどソフトも何年か前にライブやったそうですが、こちらはよく品川でやる気になったなと言う感じ。ブランドイメージってありますよね。
当日は台風15号が直接本州というか関東地方に乗り込んでくると言う衝撃的なニュースが流れ、昼の部はともかく夜の部は開催出来るのか? 開催出来たとして、参加者は無事に帰宅することが出来るのか? そんな深刻すぎる問題を突如として抱える羽目になった訳ですが、結論から言ってしまうと昼夜公演どちらも開催はされました。只、一応の対策として夜公演の開演時間を前倒しして、最低限の配慮はした感じです。まあ、中止なんて簡単に出来ませんから、これ以上の対応はちょっと難しかったでしょう。
イベントなので当然グッズの物販などもあったんですが、私は自分が横浜と近隣住まいなこともあり、まあ、最低限タペの1本でも買えればいいやと思っていたら、何とビックリ午前中に相次ぐ完売! 到着する頃にはパンフやTシャツ、タオルぐらいしか残っていないという完全に大誤算をやらかしました。物販自体は朝の10時半ぐらいですかね? それぐらいからやっていたそうなんですが、こうもあっさり完売するなんて思っていなかっただけに、ツイッターで完売情報を目にしながら唖然としてました。

今回のFULL MOON PARTY、略して「フルパ」は繰り返すようですが昼夜入れ替え制の二部公演でしたが、チケットは一般の他にプレミアム指定席が販売されました。最前列含めた前方列を確約し、グッズも付いてくるというお高いチケットですね。演者の複製サイン色紙に、スタッフの直筆サイン色紙、それに物販で売られているパンフとマフラータオル、そして非売品のTシャツが着いてきてお値段は……2万6000円だか、8000円は払ったような気がします。ちょっと割高な気もしますが、パンフが3000円で、マフラータオルが2500円、Tシャツも3000円ぐらいだったと考えれば、グッズだけでも結構割いてるのが分かりますね。
公式サイトではプレミアムエリア、当日の会場ではプレミアムシートと呼ばれてましたが、10列ぐらいあるのかと思いきや、会場内に入ってみると最前含めて4列と予想よりも少なめ。この程度の数なら演者のサインも直筆で良かったんじゃと思わないでもないけど、寄せ書き色紙って用意するの結構大変だからね。経験あるからちょっとだけ分かる。
昼の部はプレミアムが外れたので一般席でしたが、こちらも8列目のど真ん中と席番はまあまあ良い方でした。傾斜のない会場だからやや見づらい部分はありますけど、そんなこと言ったらディファ有明だって同じですから、むしろ会場が小さい分、肉眼で見やすくなったとも言えるでしょう。

14時になっていざ開演となり、まずは声優陣によるオープニングコール。といっても、当然顔出しではなく、あるいはラジオのようなものが始まるわけでもなく、前々からニコ生で流れていたような雨音や聖衣良としての登場でした。そういう演出で来るだろうなとは思ってたんですけど、仮にも声優名で公式サイトには載ってますから、少しぐらいは素の……つまり、声優としてのトークパーともあるんだろうかと思いましたが、予想に反して昼も夜も完全にキャラとしてのみの出演になりました。
開演直前には風音さん演じる灯華による案内放送が流れましたけど、これはまあ収録でしょう。そういえば、フルパのメインビジュアルにはヒロイン4人全員が使われていますけど、うぐいす先輩の中の人、桜川さんはこれといって声を聴かなかったな。この辺り、昼と夜で分けても良かったかも知れませんね。
話を昼の部に戻して、雨音と聖衣良は本編だとさほど絡みが多い方でもないんですが、面識はあるし、印象的なやり取りも実は多いので、結構良いコンビだったりします。でんじゃらすきゅーと生ラジオをやっていたこともあってか、たまに素が出たり、スタッフの声が混ざったり、主にゆいちゃんがメタネタをぶっ込んできたりしてましたが、流石と言うべきか見事にキャラで2時間近い公演を乗り切りました。
途中で、白矢たつき先生がこっそり書いていたミニドラマを演じるというコーナーもあったんですけど、たとえば聖衣良ちゃんはゲーム本編だとかな兄ちゃんなのが、このドラマだとお兄ちゃん呼びと、イベント参加者に配慮した作りになっているのかと思いきや……後にたつき先生の趣味だったことが発覚。趣味と言うよりは一種の考え方かな? 雨音のダーリンもそうだけど、主人公の名前=プレイヤーからすれば他人の名前を呼ばれることに抵抗感があるようで、私はあまり気にしませんが、その辺を考えて呼称なども拘っている模様。

歌手への呼びかけ、楽曲への感想なども含めつつ、基本的には雨音と聖衣良のトークは2人だけで進行されますが、突如として会場に警報音が鳴り響きます。何と、上記ドラマをハックしたのがバレたとのことで、雨音は全面戦争を宣言。あろうことか小学生の聖衣良をけしかけます。
結果、何が起きたかというとプロデューサーの丘野さんと、ディレクターの白矢さんが土下座でステージ上に引きずり出されるという茶番劇の開幕。こういったライブイベントでスタッフがステージに上がるのはなかなか賛否あると思いますが、私は結構好きなんですよね。普段からニコ生で見慣れているというのもあるんでしょうが、しかし、そんなニコ生も雨音ちゃんから手酷いダメ出しを受ける始末。絵面が地味……いやまあ、男性スタッフだけだとそりゃそうでしょうけど、まあ、Keyのニコ生と違って派手さはないですよね(苦笑)
丘野さんと白矢さんも交えてのトークと言うことで、雨音ちゃんがネットから集めた疑問質問をぶつけるというのがあったのだけど、そもそも何で銀はるからつきかな発売まで2年も掛かったのかとか、そういう話題も。言われてみれば、2年は結構開発期間として長い方ですよね。VA系なので気にならなかったと言えばそれまでですけど、理由の一つとしてtone work’sは傭兵のようなブランドであることを挙げていました。つまり、VAの直営ブランドだけに、他のブランドでもスタッフが仕事していると言うことですね。それはたとえばKeyのサマポケなんかもあったんでしょうけど、密接に関わっているのは、やっぱりFrillでしょう。白矢たつきさんは神待ちサナちゃんとか作ってましたし、それ以前もパコマネとか円交少女2があったわけで。
そう、そんな神待ちサナちゃんですが、丘野さんが「聖衣良ちゃんもいるのに神待ちとか言わないでください!」と言ったのに対して、ゆいちゃん……ではなく、雨音ちゃんが「神待ちセイラちゃん……!?」と、拾ったのは爆笑ものでした。かつて、どんまるさんがとあるイベント上で「円交少女~留学生ベスリーの場合~」というネタを出しましたが、それを彷彿とさせる面白さ。ゆいちゃんはこういう切り返しがやっぱり巧みだよね。あ、いやいや、雨音ちゃんは。

一つ気になった点としては、雨音も聖衣良もニコ生をハックしたでんじゃらすきゅーと生ラジオを経てフルパを迎えた割に、その辺りの設定が踏襲されていませんでした。というのも、昼の部に限って言えば、雨音は聖衣良が成長しても自分と同じサイズと予想していましたけど、雨音はでんじゃらすきゅーと生ラジオで体験版実況をやってましたから、聖衣良の成長っぷりは知っているはずなんですが……?
そこら辺はやや齟齬が生じてましたけど、それでも雨音が聖衣良をサイズ的に仲間だと思っているのは面白かったので、会場からも笑みがこぼれていました。
雨音ちゃんが星織ユメミライのめぐるちゃんの名前に反応したり、声が好きと言い切ってしまうところも良かったですね。
都度都度、あるいは要所要所に出番があったのでトークパート目当ての参加でも十分に楽しむことが出来たと思います。何よりトークの切れがいい。

夜の部もトークの構成自体は一緒だったんですが、生はアドリブが利くだけあって昼の部を踏まえての変化やネタなどもあって、こちらも楽しかったです。特に丘野さんと白矢さんが土下座する流れが、聖衣良ちゃんによる「神待ち美少女JSです♪」という誘い文句にコロッと騙されたになったのは爆笑ものでした。あと、白矢さんが昼に続いてマイクが遠いと雨音ちゃんに怒られたりね。
ドラマなどは同じだったんですが、夜の部は雨音が事前にゲーム本編を全てプレイしたという体で、聖衣良の成長っぷりも把握しており、それでいて尚、「この世界線の聖衣良は今のまま」と現実逃避してました。考えてみれば、つきかなって唯一雨音だけがつるぺたなんだよなぁ……
ちなみに質問のコーナーで、自分以外でお気に入りのtone work’sヒロインというのがありましたけど、聖衣良ちゃんは意外にも雨音ちゃんらしい。中の人である白月かなめさんの趣味なのか、聖衣良としてはうぐいす先輩かなぁと言っていたことからも、おそらくそういうことなのでしょう。
雨音ちゃんはもう正直者なので、星織ユメミライのめぐるちゃんを小悪魔なところと声が好きと言い切り、銀色、遥かの雪月ちゃんをお兄ちゃん想いで健気なところと、あと声が好きと言い放ったり、もう最高ですね。流石はゆいちゃん、じゃなくて、雨音ちゃん。

パンフレットに付いてくるドラマCDも雨音メインのお話が収録されてましたし、メインヒロインを食う勢いですが、何とビックリ本当にヒロイン交代のお知らせがイベント内でありました。そう、来年2020年に佐倉雨音-After Story-の発売が発表されたのです!
tone work’sとしては初のFDになりますが、白矢さん的に書き足りなかったスクール編のイチャイチャと、アフター編のアフターが収録されるとのこと。雨音の人気っぷりにも驚きましたが、唯一のちっぱいヒロインでFDが作られるというのもまた大逆転劇と言えるでしょう。けど、雨音は白矢さんがウケると思った属性を盛り盛りに盛り込みまくったキャラだそうなので、まあ、人気が出るのも当然なのかも知れません。

歌について全く書きませんでしたが、それは別の方がどこかで書いてくれるだろうと思いトークパートの感想を中心にしてみました。こういったイベント参加は久しぶりでしたが、台風からは何とか逃げ切れましたし、グッズこそ買えませんでしたが大満足な1日でした。
ドリンクカウンターに数量限定でルートビアが置いてあったところとか、tone work’sらしい小ネタも利いており、やっぱりイベント一つ取っても作りが丁寧ですよね。勿論、前回のライブに比べれば簡素というか、コンパクトではあったけど、小さいなりの工夫が随所にありましたし。次がいつになるのかは分かりませんが、又ゆいちゃんの出演があることを祈って、今は雨音アフターの発売を待つばかりです。

コメント