池袋のサンシャインシティで開催されたサンシャインクリエイション49に参加してきました。サンクリに行くのは久しぶりになるのかな? 今年の初めにサークル参加した記憶はあるけど、その後に一般参加した記憶がない。普通に買い物が目的だったので一般で行きましたが、サークル数、来場者数共に持ち直してきた印象を受ける。まあ、ホール数の減少を考えるに全盛期からは大分落ち込んでいるんだろうけど、イベントの存続も危ぶまれていた頃から比べるとね。あの事件が原因で参加を控えていた、というサークルも少なからずいましたし。

私は基本的にサークル買いを基本としており、対照的にジャンル買いをすることは滅多にありません。最近は自分の琴線に触れるような作品もないし、同人業界自体これだ! というジャンルがありませんからね。東方は安定しているらしいけど、まったく興味が湧かないし。だから、普段はお気に入りのサークルをざっと回って新刊を買って、後は適当に島中とか見て帰る、という感じなんだけど、今回に限っては違いました。いつものサークルがほとんど新刊を持ってきていなかったというのもあるけど、実はジャンル買いしてたんですよ。アニメ放送開始からこっち、どれぐらいヨスガノソラの同人誌が増えたか、それを調べるために。
予想通り新刊や突発本、コピー本などでヨスガをジャンルにしているところは結構あって、片手以上は数が合ったと思います。大手で出していたのは一箇所だけだったけど、あそこの用語集に関しては……まあ、後で書きますよ。具体的にサークルの名前を出すつもりはないけど、アニメ効果という意味でなら十分に影響はあったと思います。ヨスガがメインでなくとも、例えばペーパーとかコピ本の中で触れているサークルも結構な数がいたし。
ただ内容の方は……同人家としてヨスガをメインに活動している私がどうこう言える立場でないのは分かってるんだけど、ちょっとあれかな、という本がね。少なからずあったわけですよ。例えばアニメの1話を見ただけのイメージで書いた本ってのがあって、まあ、それは別に良いんですけど、原作をまったく知らないという割に原作で使用されてるOPEDの歌詞を全転載していたり。いくらエロゲの主題歌だからって、これはさすがに許されないんじゃなかろうか。だって、基本的に二次創作っていうか、同人って原作の素材使うの禁止じゃないですか? 私が最初のヨスガ本を出す際にSphereへ規定を問い合わせたときも、それは守って欲しいとの回答が来たし。それを踏まえて考えると、原作主題歌の歌詞を全転載というのは……ねぇ? 一部なら引用と言えなくもないんだろうけど、仮にも金を取る同人誌でそれをやっちゃ不味いでしょう。私も同人家であるからして、通報とかするつもりはないものの、ちょっと真意は尋ねてみたい。

漫画本は当然ながらハル×穹しかありませんでしたけど、18禁本の傾向としてはハルが穹にいたずらしたり、弄る系の本が多かったかな。イジメというほど深刻なものじゃなくて、所謂悪意のない……なんだろ、しっくり来る言葉が思い付かない。カップリング用語で言うならハルが攻めで穹が受け、昨年の夏コミからヨスガはこういった本ばかりですね。まあ、穹のキャラクターは弄り甲斐やイジメ甲斐があるのかも知れないけど、一歩進むと鬼畜系に発展してしまう恐れがあるから、そこら辺は注意していきたいよね。私は別に鬼畜陵辱系を基本とする同人家を否定はしないけど、ヨスガノソラではあまり見たくないので。その方が売れるのは分かるけど、なんでもかんでも強姦ものにするのは如何なものか。
同人誌のジャンルとしてヨスガが流行っているのかと言われると、月の初めに1話が放送された割には、そこそこの数が合ったという感じかな。一番多かったのはなんといっても俺妹ですけど、だからといって少ないと言い切るにはヨスガの勢いは小さくなかった。これが冬コミでどれほど拡大ないし増大するかって話だが、私としてはあんまり規模は大きくなって欲しくないな。だって、買うのが大変そうだしw
大手サークルでヨスガを取り扱っていたのは一つだけだったけど、そこが出した突発本の用語集は……どうなんだろ、内容が偏っている以前に単なる自己主張にしか見えないんだけど。2chに媚びているとは言わないけど、書かれている文章はスレの流れに沿ったものばかりだし、随分と擦り寄っているように思える。下世話な単語が多く、文章にも品がなかった。特に逆レイプを紹介する項の、「この表現を最初に用いたのはこの本の筆者であるので、各方面への拡散を希望している」という言い回しは、例えそれが事実などだとしても、なんとも押しつけがましい印象を受ける。そもそも、最初に言いだしたのは誰かなんて、どうやって証明するつもりなんだろうか。後、ダメイドは有名であるが、ダメガネなどという単語は初めて聞いた。
そして、タペストリーの件も触れていたが、筆者はヤフオクで入手したなどと、平然と書いてしまうのも如何なものだろうか。転売を利用して買った人間がポストカードを手に入れることが出来なくてマジ泣きしたと言われても、同情することは出来ないだろう。
大体、ああいった内容のヨスガノソラ本を描くべきだと推奨するような輩は……いや、それについては私がどうこう言えることじゃないか。

歌詞の全転載もそうだけど、これは品性の問題なのかな。いくら同人誌といっても常識やルールはあるわけだし、それを逸脱するのはやっぱり良くないと思うのよ。二次創作自体がグレーなんだし、守るべきところは守っていかないと、いずれは業界全体の首を絞めてしまう。自分のことを棚に上げるつもりはないけど、少し残念に感じた本が多かったのも事実。一人一人が自覚や意識をしっかり持って、次の創作活動へと繋げていけたらいいものです。ちなみに公式は別として、上記サークルが一体どこなのかという問いには答えられませんのでご了承ください。
とらのあなの通信販売サイトによると、アニメ版ヨスガノソラのBD第1巻は(BD)ヨスガノソラ Blu-ray Vol.1 渚一葉と表記されてます。DVD版は無記入であり、このことからBDのみに渚さんメインのなにかが特典と収録される、と考えた方が無難でしょうか。DVDと収録順が異なると言うからには、例えば渚さん用の1話やEDや追加されたり……とかね。まあ、委細はまだ分かりませんけど、月末発表のはずがありがちな部分から漏れだしてきた。
URL:http://www.toranoana.jp/mailorder/article/21/0006/50/46/210006504662.html

私は今回の手法や構成について否定的な立場を取る人間ですが、明確な詳細が分かるまでは事態の推移を観察することにします。まあ、ルート分岐やリセット方式は大体の部分で当たってると思うし、後は制作側がどのように説明するかですよ。ファンにちゃんと説明し、理解させ、納得して貰わねばならない。難しいことだろうけど、そこは新しいことを始めた人のリスクや責任だと思って、果たして貰いたいですね。仕掛けとしては面白いんだし、要するに何故ヨスガノソラで使わなければならかったのか、どうして各ヒロインのシナリオをやる必要があったのか……そして、ハルについても。ファンが知りたいのはこういうことなんだろうし、多分、ハルキノソラ辺りで説明が為されることでしょう。
話は変わって、今日は秋葉原で比翼の羽根ツナグキズナの予約をしていました。とらとゲマ屋は済ませてたのですが、げっちゅ屋だけはまだだったので。これらのシングルにはオリジナルブロマイドが付くとのことでしたが、どうやらとら以外の2つは絵柄が決まったらしいです。
げっちゅ屋 オリジナルブロマイド
比翼の羽根
URL:http://www.getchu.com/soft.phtml?id=690815
ツナグキズナ
URL:http://www.getchu.com/soft.phtml?id=690816

どちらも3話の映像からで、渚さんの来訪によって不機嫌になった穹です。もうちょっと選びようも合ったんじゃないかと思うけど、まあ、穹と言うことで満足しておいた方が良いのかな。しかし、アイスはかじっているところより舐めているところの方が良かったんじゃないだろうか。
ゲマ屋 オリジナルブロマイド
比翼の羽根&ツナグキズナ+ピンキージョーンズ
URL:http://www.anibro.jp/tokuten/fair_1010.html#2718

ゲマ屋は今すぐ、挿入歌とEDのブロマイドを入れ替えるべきじゃないだろうか。別に瑛と渚さんがいらないわけじゃないけど、ハルと穹がパッケージのハルと穹の歌なんだから、普通は穹のブロマイドを付けるべきでしょ。ピンキージョーンズは比較的なんでもありの歌だから、瑛と渚さんの百合写真でも良いと思うけどさ。というか、ピンキージョーンズにもアニメブロマイドが付く事実にビックリしたよ。

ももいろクローバーの公式サイトによるとピンキージョーンズにはオリジナル特典ブロマイドが付くと言います。そして、その対象店舗は上記のゲマ屋を含めた10店舗、アニメイト/アニブロゲーマーズ/HMV/ TOWER RECORDS/WAVE/TSUTAYA RECORDS/石丸電機/山野楽器/新星堂/上新電機となっており、逆にこれ以外の店舗には共通特典ブロマイドなるものが付くらしい。共通と言うぐらいだから絵柄はすべて同じであり、対象店舗ならどこで買っても同じです。
しかし、ここには大きな問題があります。そう、絵柄が何故かアニメブロマイドとなっていることです。アニメのEDなんだから別におかしくはないだろうと思われる方も多いでしょうが、ピンキージョーンズはそもそもヨスガノソラのために作られた曲ではなく、ももいろクローバーの新曲というイメージが強い。タイアップしているのは事実ですが、アニメの公式で宣伝が行われているわけでもないし、独立している感じがするのね。だからピンキージョーンズに特典が付くとすれば、やはり歌っているアイドルの女の子たちが写っているブロマイドだと思ったし、それが当然だと考えてました。けれど、私がとらのあなで確認したところ、とらが付ける特典はアニメブロマイドであり、アイドルの写真ではありませんでした。しかも、とらは上記に記載されているオリジナル特典の店ではありませんから、共通特典ブロマイドはアニメ柄であるという結論に達します。オリジナル特典にしても、ゲマ屋が発表しているのもアニメ柄ですし、アニメイトもおそらくそうなのでしょう。
では、他の店舗は? アニメイトやゲマ屋はともかくとして、如何にも一般的なCDショップはどうなのだろうか? 共通特典がアニメ柄になるぐらいだし、まさかオリジナル特典もすべてアニメ柄なんてことは……さすがにないですよね? アイドルのCD買わないから実写ブロマイドとかが付いてくるものなのか、イマイチ良く分かってないんですが、全部アニメ柄なのだとすれば、私はピンキージョーンズを11枚も買うことになってしまう。あくまでヨスガファンを対象に売るつもりなら、それぐらいのことはやってのけるでしょう。

まあ、ももいろクローバーにだってファンはいるでしょうし、そういった人たちからすればヨスガのブロマイドなんて欲しくもなんともないだろうから、所謂一般的なCDショップでは実写ブロマイドが付くと思うんですけどね。既に発売まで20日切りましたけど、ゲマ屋以外に特典を公開している店舗がないので、判断に困っています。ちなみにげっちゅ屋は特典付きの取り扱い自体がないらしく、買ってもなにも付いてこないらしい。出来ることならアニメ柄は共通にアニメイトとゲマ屋を追加しただけにして欲しいな。そうすれば初回限定版を3枚買うだけで済みますから。いや、通常版でも良いんだけどさ。この手の商法は大嫌いだけど、仕方ないとしか言いようがない。
貴方の時計はアンティーク
貴方の時計はアンティーク
昨日の書いたアニメ版ヨスガノソラのルート分岐型のゲーム的構成法だけど、説としてはそれなりに支持があるみたいですね。まあ、縋るものでもないとやってられないという心境の人が多いんだろうけど、リセット式ですら最悪の状態よりはマシぐらいにしか受け入れられていないのが現実なんですが。仕方ないからそれで妥協しよう、なんて思われている時点で手法としては失敗していると思うけど、それについてはまた後で書きます。今日の日記はルート分岐説の捕捉として、現状分かっている限りのアニメ版ヨスガノソラにおける時系列について、ちょっとした考察をしてみようと思います。
アニメ版ヨスガノソラは、作中の日付と時間が分かるシーンが多々存在します。それは携帯の画面という形で視聴者に示されるもので、携帯の電波が届かない地域という設定があった割には、かなりの数で多用されています。

一般的に日付というか日時を明確に伝えている作品というのは、それほどありません。例えばミステリーなど、情報として視聴者に必要な場合のみ提供されるのみであり、所謂美少女アニメでは見られる光景ではないでしょう。
では、ヨスガノソラで日付がハッキリと示されているのは何故なのか? それはその情報が視聴者に対して必要だからであり、明確にしておく理由があるからです。簡単な話、ヨスガノソラの5話が放送された時点で、ハルもしくは穹が携帯を開いたとしましょう。その時点で、日付が4話ないし3話よりも前になっていれば、巻き戻しは完了し、ルート分岐のロードが行われたというわけなのです。故にアニメは作中のそこかしこに日付や時間が明記されているわけで、まあ、一種の伏線みたいなものかな。ヨスガノソラの原作自体は特に日付システムがあるわけじゃないんだけど、エロゲとかギャルゲはしっかり設定されてることが多いでしょう? つまり、如何にもゲーム的な仕掛けとして、これらの描写は散りばめられているのでしょう。

それじゃあ、ここで現在分かっている限りの時系列を書き出してみましょう。まず、第1話においてハルと穹が奥木染に引っ越してきた日ですが、これは穹がハルに送ったメールから6月20日であることが分かります。さらにメールが届いた時刻が14時44分であり、少し前に穹が「10分以上歩いている」と言ったことから、2人が奥木染に到着したのは6月20日の14時半頃ということになります。これについては間違いないはずです。
次に携帯画面が映るのは、穹が『シカトすんなよ!』というメールを送ろうとしていたシーンで、メール自体は結局送らなかったようですが、時間表記は18時53分となっています。続く、ハルが洗濯物と一緒に忘れた携帯を確認するシーンで日付も出てきますが、そこには6月22日という表記が。この時点でハルと穹が奥木染に来てから2日ほど経過していることが視聴者には示されているのですね。
そして、穹がハルに制服の採寸をしたいと言いだしたのはその日の深夜ですから、6月22日ないし6月23日の0時過ぎであることは確かなはずであり、このことから第1話「ハルカナキオク」は、6月20日から22日or23時深夜までの話ということになります。
さて、ここからは追記となりますがアニメ版ヨスガノソラは西暦何年の話なのでしょうか? これが分かれば曜日の特定も容易であり、時系列を調べる上でさらに詳しいものが作れます。では、これを調べることは可能なのか……結論からいうと可能です。まず、前提としてハルと穹が引っ越してきたのが日曜日であるとしましょう。日中に瑛が巫女服で買い物に行っていたり、渚さんが私服で車に乗っていることから、休みであることは間違いないと思います。委員長は役職上、なにか学校に仕事でもあったということで。
穹の持っているようなスマートフォンが発売されたのは2007年以降であり、つまりここ3年間のカレンダーを引っ張り出してきて、作中の休日と平日に合致する年があるのなら、それがヨスガノソラの明確な作中時間となるわけです。そしてそれは、2010年がもっとも似つかわしい。細かく時系列が割り振られた話を作る上で、制作側がもっとも多用する資料はカレンダーのはずです。矛盾が生じないためにも実際のカレンダーと照らし合わせるのが一番いい方法ですし、作中時間を現代とすることはアニメに置いてはなんら珍しい話じゃありません。そもそも、原作で西暦が明示されてるわけじゃないしね。
アニメ版ヨスガノソラは西暦2010年6月から始まっている、という考察は荒削りながら確定要素が多いのではないかと思う。

次に第2話ですが、最初にハルが携帯を開くのは通学中、スーパーの特売サイトを見ているシーンで、特に日付が分かるようにはなっていません。ちなみにどうして奥木染にあるような小売店がネット上にサイトなんて持っているんだという疑問については、私の中でスーパー大木奈は地方ローカールチェーンであると結論づけました。チェーン店ならHPぐらいあるでしょうし、各店舗の特売情報ぐらい載っているでしょう。
話を戻して、その日他に携帯が出てくるのは夕方になって穹がハルにメールを送ろうとしているシーンで、日付は分かりませんが18時22分と表記されています。この日が穹が採寸をしたいと言いだした日の翌日ないし翌朝なのだとすれば、6月23日の18時22分というのが判るはずです。そして一気に時間は飛んで、蚊のイベントが起こる朝。穹はハルに「もう、10日」とぼやきます。制服を作ると決意してから10日ならば、7月3日程度になっていることが推測できる……のですが、これは違います。何故なら、7月のカレンダー見れば分かりますけど、7月3日は土曜日なんです。翌日から穹が登校を開始することを考えれば、この日が3日というのは明らかにおかしい。では、これはどういうことなのか? 穹のいう「もう、10日」が制服を作るためハルに採寸をして欲しいと言ったときから始まっているのだとして、それが22日の夜中なのであれば、なんとか説明をつけることは可能です。22日の10日後は7月1日で、カレンダー上は木曜日、平日です。翌日の金曜日にプール掃除があっても問題ないですし、つまり「もう、10日」の10日後は7月1日と断定できるのではないか? 後半において、ちょっとだけ無理が出てきますけど。
蚊をどうにかしたらしいハルが学校に行ってから、何故か夕方に穹が電話を掛けようとしているシーンが挟まれます。放送した際にも気になってはいたのですが、時間表記を見ると18時42分となっており、普通ならハルが帰宅していてもおかしくない時間です。しかし、次に切り替わったときは日中、ハルが学校で体育の授業を受けているシーンに戻っており、どうみても夕方ではありません。私は何故このようなカットが入っていたのかずっと不思議だったのですが、仮にこれがルート分岐システムにおける時系列の入り乱れを示唆しているのだとすれば? あり得ない話ではないでしょう。わざわざ夕刻のカットを入れたのは、それらに対する暗示なのだとすれば……既に2話の時点で、仕掛けは始まっていたということか。

瑛から蚊帳を貰って帰るというハルのメールが穹に届いたのは15時34時です。その日の内、つまり7月1日中に貰ったと考えるのが普通ですし、時間的に昼休みではなく放課後でしょうから、この時点でハルは学校を終えて瑛の家に向かっていると思われます。けれど、先程穹がハルに電話を掛けようとしたのは18時42分であり、3時間以上の開きがあります。春日野家から瑛の家が多少距離があるのは分かりますが、蚊帳を貰うだけで3時間も掛かるものでしょうか? 確かに伊福部商店でアイスも買ってましたが、帰りは渚さんの車に乗せて貰いました。
そもそも、渚さんが春日野家へと来たのは18時よりも前のはずです。何故なら、ボタン付けをしている渚さんを待つ、父親の秘書兼運転手である月見山さんの時計の盤面は17時となっているから。穹が電話掛けようとした時間まで1時間42分もあるわけですが、ボタン付けてアイス食べただけの渚さんがそんなにも長くの間、春日野家にいたのでしょうか? なにかしらの予定が詰まっている状態で1時間半も友人の家に上がり込み、あまつさえ運転手を待たせている。まあ、運転手が待つのは当然かも知れませんが、明らかにおかしい描写です。仮に、最低でも1時間ぐらいはいたとしましょう。それでも時刻は18時頃のはずですし、穹は家にいるはずのハルへ電話を掛けようとしたことになります。直接言いづらいことがあったのならメールでするはずだし、電話は掛けないでしょう。
けれど、更に矛盾が生じる光景として渚さんが春日野家から帰る際、既に辺りは暗くなっているのです。夕日は沈み、明らかに夜です。渚さんが1時間42分以上春日野家にいたという過程を排除するなら、あの18時42分にハルへと電話を掛けようとした穹はなんなのか? 知らない女を家に上げて、楽しげに話しているハルに電話で妨害しようと思ったという可能性もあるけど、それなら日中の間に挟む理由がないし、同じ日の別ルートに存在する穹という考えは、果たして出来るのか。日中の間に挟まれる夕刻の描写、それが本当に、別ルートへの入口なのだとすれば……いや、面白いじゃないですか。
穹が学校に通い出したのは制服が出来た翌日なので、7月2日ということになる。そして、この日の体育はプール掃除であり、その際にハルが瑛と渚さんの秘密を知ってしまうところで、第2話は終了します。
このことから、第2話「アキラハズカシ」は、6月23日から7月2日までの話ということになるわけです。

第3話は前回からの続きですから、日付はまだ7月2日です。夕方、何故か一人で帰路についているハルを渚さんが追ってくるわけだけど、そういやなんで渚さんはジャージの一つも穿いてないんですかね? いくら日常的に体育でブルマを使っているとはいえ、渚さんのような良家のお嬢様がブルマ姿で生足晒して歩いているなんて考えにくいし、いくら奥木染だって冬は寒いんだからジャージぐらいあるでしょう。ただのサービスシーンだと行ってしまえばそれまでだけど、ちょっとこの辺りは甘いよね。エロに特化しようと単純なところを忘れてしまっている。
穹に兄妹云々を訊いたのはその晩だろうし、ハルと渚さんが学校で再会したのは翌日、7月3日と言うことになります。土曜日ですが、公立にしろ私立にしろ土曜授業があるところはありますし、渚さんのぎこちなさから休みを挟んでの再会とは考えにくい。ここで亮平が「今度の休み、暇ある?」とハルたちを海に誘うわけだけど、7月にある祝日は海の日だけで、これは7月の第3月曜日と下旬です。3日から数えると随分先であり、ここは日曜日と仮定するのが普通でしょう。海に行った日が明確に7月の何日であるのかは残念ながら分かりませんが、後々の言動と照らし合わせると翌日である7月4日の日曜日ではないでしょうか? ただ、これが正しいとすれば「今度の休み、暇ある?」と訊いてきた亮平の言動はおかしい。明日が休みなら、「明日の日曜、暇ある?」と訊けばいいのだから。けれど、いくつかの状況から照らし合わせると、4日の日曜日以外には考えられない。
海水浴から何日か経ち、穂見学園の昇降口前で穹を待つハルの元に、とうの穹からメールが届きます。友達と帰るという文面は前にも書いたからともかく、記載されている日時は7月15日の午前10時26分です。10時半前に帰れるというのは、随分早いと思いませんか? 午前授業だってこんなに早くないだろうし、時期的に考えて穂見学園ではこの日が終業式だったと考えていいでしょう。少し早いような気もしますが、最近はそんなものなのかも知れません。瑛に振られたという渚さんがハルと一緒に帰るわけですが、ここで大きな矛盾が発生します。既に気付いている方も結構いるかと思いますが、これは凄いです。
話の流れから、ハルと渚さんは帰宅路からそのまま瑛の神社へ赴き、祭りの準備を手伝ったというのは問題ないですよね? お互いに鞄を持っていますし、一度家に帰っているという描写もない。前述の通り終業式だと仮定すると、別の日の場合、制服で鞄持っていることがおかしいはずです。なのに、それなのにですよ? 準備を手伝う渚さんの携帯に着信が入り、それは父親の秘書である月見山さんからで、繰り返すようですが、この日は7月15日のはずであり、途中寄り道もしましたが午前中であることは間違いないはずだった。
けれど、月見山さんからの着信は7月29日の午後16時24分であり、最後にハルが携帯を見たときから日時は14日と6時間ほど経っているんです。これって一体、どういうことなんでしょうか? 百歩譲って違う日なのだとしても、穂見学園は7月29日になっても夏休みではないということなのか。私学ならあり得なくはないけど、普通は中旬ないし下旬の最初からではないかと。もちろん、ミスという可能性もあるけど、散々時系列の入り乱れを行ってきたアニメ版なら、ここにも深い意味があるのかも知れない。

まあ、ミスだとは思うけどね。翌日になってハルが「先週って、海に行った日だよね?」と呟いてますし。海に行った日は7月3日から一番近い休みのはずであり、どうしたって7月29日の先週にはならないでしょう。24日間と、3週以上あるんですから。このことから、ハルと渚さんが瑛の家で祭りの準備を手伝ったのは、やはり7月15日ということになり、その翌日だから7月16日ですか。そして付け加えると、海へ行ったのは7月15日から数えて先週に当たる日です。週というのは日曜日から始まりますので一番近い休みである11日は今週となり、先週ではありません。単純に先週の日曜日と考えるなら、一週戻って7月4日ですから、海水浴はこの日に行われたのではないかと、そう考えるところです。ただ、穂見学園が土曜授業を実地しているとして、それが隔週とかだったら土曜日も休みの日である場合があるし、そうすると10日も候補には入るんだけど……さて、どうなのかな。
後のシーンには携帯なんて登場しませんけど、日付を明確にすることは簡単なことです。だって、既に分かってるんだし。ハルと渚さんが、なんですか、デートへ行ったのは7月16日のことであり、キスをしたのも同じ日ですよ。
第3話「ツカズハナレズ」が、7月2日から7月16日までの話と断定するには大きな矛盾がありますけど、7月29日が単なるミスなら、これが正解だと思う。
そして第4話へと続くわけだけど、いやはや、こうも数字ばっかりだと色々と混乱してしまいますね。最後になりますが、軽くまとめてみましょうか。
第1話「ハルカナキオク」→6月20日~6月22日
第2話「アキラハズカシ」→6月23日~7月2日
第3話「ツカズハナレズ」→7月2日~7月16日

一応、ハルと穹が奥木染に来てから1ヵ月は経っていないわけか……つまり、アニメ版ヨスガノソラが本当にルート分岐型の構成をしているなら、5話の時点で日付が7月4日まで戻ればいいわけかな? 穹の場合だと、6月22日ないし23日の深夜というわけか。それこそゲームのように、渚さんルートを終えたら、セーブポイントからロードして再開するんでしょうね。
ここまで細かく日付や日時を細分化できるとは思わなかったんだけど、やってみるものです。普通のアニメでは、まず出来ないんじゃないかな。ヨスガノソラのアニメが、日付に対して異様な拘りがあるのは、もう疑いようがない。

面白い手法だとは思うよ。誰しもこういう風にしようかなと思ったけど、なかなか出来なかったことを思いきってやってみたというだけあって、手法そのものは確かに良い。問題は、それがヨスガノソラという作品にあっているのかというだけの話でね。制作側のいうヨスガノソラという作品を全部楽しむというコンセプトには適しているんだろうけど、それを受け入れている人があまりにも少ないというのが、今の現状であり状況なんじゃないでしょうか? 何回も書いた気がしますけど、制作側が作ろうとしているものと、ファンが求めているものが違いすぎるんだよ。
全然話は変わるようだけど、私は以前とある商業作家にこんなことを訊いたことがある。「読者の反応で、一番ショックを受けるのはなにか?」と。普通なら作品に対する暴言や、作者自身に対する誹謗中傷と思うけど、その人の答えは違った。作家はこう言いました、「もっともショックなのは、反応されないことだ」と。

「例えばノリノリで書いている文章があるとして、ミステリーならトリック、バトルものなら熱い展開かな? とにかく自分は自信があるわけよ。そのシーンを書くためにこの話書いてるってぐらい。こんなこと考えつくなんて、自分天才なんじゃないかって思うほどノリに乗ってるわけ」

けど、それがもし作者だけだとしたら?

「自分が一番自信のある場所が、『ふーん』とか『で?』とか薄い反応で、特に盛り上がってもなければ、楽しんですら貰えない。それが一番ショックだね。しかも、実際に発売されて読者の反応が見られるまで、自分の中ではそこが作中で一番最高のシーンないしトリックであるわけだから、面白くないはずがないって思い込んでるのよ。けど、現実ではそうじゃないんだ、面白いものとしては受け入れて貰えないんだって、後から実感させられるとガックリと来る。それで、自分は大して面白いとも思ってないシーンやキャラが評価されたりするんだから、小説ってのは分からんね」
私はプロ作家じゃないけど、この言葉には大いに納得してしまった。確かに、自分の意図が作品を通して読者に伝わらないことほどショックなことはないだろうし、自分の中で最高と思っている展開に面白味を感じて貰えなかったというのは、単なる感性の違い以上に自信をなくしてしまうのではないだろうか。しかし、私がこの発言で今回重要視したいのは、なににショックを受けるかじゃない。問題は、作者が読者の反応を見るまで、該当部分を最高に面白いと信じていたことです。今もそう思っているのかは定かじゃないですけど、これは結構、危険な錯覚です。そして、その危険な錯覚をアニメ版ヨスガノソラのスタッフは抱いているのではないでしょうか?

徳島のマチアソビで私が今後の展開や、BDとDVDにおける収録話数の違いについて尋ねとき、スタッフ側は「それを明かすと面白くなくなってしまう」みたいなことを言っていました。ありがちな回答ですが、少なくともヨスガノソラのスタッフは今回のルート分岐型の構成法や、3話までの流れなどを面白いと思ってやっていたことがわかります。
現実はどうでしょうか。スタッフが面白いと思った仕掛けや展開は、ファンにどんな風に受け止められたのでしょうか? 手法の是非はともかく、私にはとてもじゃないけど、凄く面白いといって面白がったり、楽しんでいる人が沢山いるようには見えません。まあ、それなら妥協しなくもないと、渋々といった感じで受け入れている人ばかりなんじゃないか? スタチャだって新しいことをやる以上、手放しで喜ばれるなんて思ってはいないでしょうが、現状あるのは大部分で否定のみ。これは、さすがに予想してなかったんじゃないかな。

第3話が何故荒れているのかは、昨日の日記に書いたとおりハルを軽視したことが原因だけど、それが理由に批判や否定が巻き起こるってことは、スタチャがやろうとしている手法は既に使えなくなってるんですよ。だって、どう考えてもハルを犠牲にしないと出来ないんだから。ハルが無個性の、どこにでもいるエロゲ主人公だったら良かったんだろうけど、ハルは穹に次ぐ人気の持ち主。ただの主人公じゃありません。それを理解していたのなら、もっと別の方法も取れたかも知れないのにね。まったくもって、残念な話です。
好きな物語が、ありました
好きな物語が、ありました
ヨスガノソラのアニメはルート分岐というか、ルート制を取ってるてことは、既にTwitterで呟いたから見た人もいますかね。私は昨日の日記でスタチャのやりたいことが見えてきたとか、そんなことを書いたけど、その秘密はサブタイにあったK3に隠されていました。K3とは、やはり一葉3話の意味であり、その証拠に第2話「アキラハズカシ」はAK2となっています。Aとはつまり瑛のことであり、AK2とは瑛と渚さんの共通ルートとなるわけです。大した発見じゃないけど、CパートにM1~M3と表記されている以上は、間違いないでしょう。
つまり、スタチャの言うところの変わったことをやっているというのは、ルート分岐型のゲーム的構成法というわけかな。5話が終わった時点でリセットされて、セーブした場所からロードするという、まさしくエロゲのような作りというわけです。

何故、そんな方法をとったのかは知りませんが、確かにヨスガノソラという作品を全部楽しもうというコンセプトを考えれば、この方法は有用でしょう。アマガミのオムニバスとなにが違うのか、という話ではあるけど、確かにスタチャでは例を見ない奇抜な手法だと思う。
午前中はTwitterでずっとこんなことを考えていたわけだけど、同じような結論にたどり着いた人が幾人かいて、少し答え合わせ的なことをしてみました。私が気付いたぐらいだから他の人が気付いて当然だし、多分ネットを介して広まるのも早いんじゃないかな。これが正答であるという確証はまだないし、断言するには4話を見ないとダメなんだけど、かなりいい線いってるのではないかと。
ただ、それで私の不満が解消されるのかといえば、別にそうでもないんだよね。手法自体は確かに面白いと思うし、図が必要なほど複雑化しているというスタッフの言葉はもっともだと感じました……けどさ、これってヨスガノソラに必要な手法だったの? 昨日書いたように私はヨスガノソラという作品を全部楽しむというコンセプトには割と否定的で、それには一応の理由があります。そもそもの話、ヨスガノソラってハルと穹以外は別に人気じゃないじゃん。さすがに不人気とは言わないけど、双子に及ぶものではどうしたってないわけで。例えば瑛は穹の次に描き下ろしとかグッズの類が多いですけど、ファンには総じてウケが悪い。瑛のキャラがどうというより、ここぞというところで瑛ばかり描き下ろされることに不満が溜まってるんだよね。私はそれほどでもないけど、「なんだ、穹じゃないのか」と思ったことがないわけでもないから、言いたいことは分かります。

公式が瑛を持ち上げて、穹と同等の人気を得ようと模索しているというのは、馬鹿馬鹿しいようで事実の一端をつかんでると思う。昔のドリパに参加したとき、穹だけじゃダメだという意識が原作側にあることを知ってたから、それほど不思議じゃないんだよね。
奈緒に人気がないのは説明するまでもないとして、渚さんだって原作じゃ割と空気に近い存在です。自分のルートや瑛ルートはともかくとして、なにせハルとの相性が悪く、ソリが合わないもんですから、絡むことが少ないんですよ。それにシナリオの出来も、なまじ瑛が結構良かったせいか地味なイメージが付いちゃいましたし、キャラの人気を上げるには至らなかった。現に最初期のグッズとして発売された渚さんの抱き枕は、数年間売れ残った挙句にイベントの景品にまでなる始末。確かに露出が少ない等、絵柄として問題があったとは思うけど、穹がすぐ売り切れたのに比べるとね……
初佳はとにかくシナリオの内容を酷評されてましたし、今では愛称みたいになっているダメイドも、昔はそんないい意味ばかりじゃなかったし。どちらかといえば亮平の評価が変わった話であり、初佳が評価されるのはFDでサブキャラとなってからだった。やひろは元よりキャラが合わないって人が多かったし、年長組は総じて微妙なんだよね。私は結構、細々とした部分で面白味を感じてるけど。
委員長だって穹ルートのときは人気あったけど、FDでミニシナリオのヒロインになったときは、あまりの内容とキャラクターの変化に突発性誇大妄想肥大化症候群だと言われ、あまつさえ穹ルート及び蒼穹の果てにの委員長の方が良かったと思われてしまった。まあ、私も同意するし、結局のところ委員長は穹ルートにおけるキャラクターや悲恋の少女としての魅力が評価されたキャラなので、そこを崩して妄想少女にしてもウケるわけがないよねと、そういうわけです。いや、私は好きですよ? 委員長シナリオでハルと穹がデートするシーンとか最高じゃないですか。

前置きが長くなったけど、複数のヒロインが登場するエロゲである以上は、各ヒロンの間に人気の存在することは当然だし、作中で1、2を争う人気を誇る、なんて言い回しもよく利きますよね。ヒロインの数が多ければトップ3とかトップ5とか、人気キャラの幅も広がりますし、そういった作品であるのならオムニバスで話を展開するのにも無理はなく、それぞれのファンを納得させることが出来たでしょう。
けれど、ヨスガノソラはそういう作品じゃない。発売されて今日にいたるまでその評価は穹ゲーですし、人気の偏り具合が極端なんですよ。しかも、下手すれば穹の次に人気なのは主人公のハルではないかと言われるぐらいですし、春日野兄妹と他キャラの間に差が開きすぎてる。瑛やお嬢にファンがいないとは言いませんし、好きだという人もいることはいるでしょう。けれど、例えば奈緒や初佳に比べたら瑛と渚さんは別に嫌いじゃないという意見があったとして、嫌いじゃないことと好きであることの間には大きな隔たりがあるんじゃないかなって、そう思うのですよ。
そんな、穹の人気で持っているような作品でルート分岐とか、各ヒロインにスポットを当てていくとか言われても、果たしてそれはファンが求めていることなのかと、そういった疑問が生まれてくる。

結局のところさ、ルート分岐でリセットされようとハルが女を取っ換え引っ換えすることには変わりないわけじゃないですか? オムニバスだとか言って、瑛ルートに戻ろうが奈緒ルートに進もうが、最終的に穹ルートへたどり着いたとしても、そんなことはもうどうでも良いんですよ。私が第3話のなにを批判していたのかっていうのは、要するにハルというキャラクターを犠牲にしたことなんですよね。保つべきところを崩し、守るべきところを壊した。それ尽きる。
ハルのポジティブさを軽薄だと思うかは人それぞれだろうけど、渚さんに自分からキスをした時点で、なにもかも終わったんです。例えルートが違おうと、話が変わっていようと、ハルの存在そのものが薄っぺらくなってしまった。最終的に穹へ行くのだとしても、私は穹と結ばれる過程が見たかった。他のヒロインとの恋愛じゃない、ハルと穹の日常からなる物語を待ち望んでいた。穹以外の女にくちづけした口で、穹以外の女を抱いた身体で、それが例え別次元での出来事なのだとしても、最初についてしまったイメージを拭うことは、振り払うことはできないんですよ。
渚さんとほいほいデートに出かけて、自分からキスをしてしまうような軽薄な男が、過去に逆レイプされたとか言われて悲惨に感じられますか? 今後の展開で瑛や奈緒だって対象に入るのでしょうし、すべて楽しむって言うのはそうこうとでしょう? 流れでヒロインとくっついて、キスしてエロしてのハルが、最終的には穹とくっつくと言われても、それで誰が喜ぶの? ポジティブなんて言葉でだまくらかして、つまるところハルのキャラクター性を大きく変えることで強引にルートを切り開いたんです。だって、全員と恋愛関係になるのは、全ヒロインと肉体関係になるには、ハルが変わるしかなかったんだよ。女の子の方を積極的にしたら、都会のイケメン男子に必死になってるビッチ扱いですから、美少女を売りにするアニメとしてそれはマズイ。だから相対的に考えて、ヒロインを崩さないためには主人公を壊すしかなかった。
ハルはスタチャがやりたい新しい手法のために、そのすべてを犠牲にされたんです。穹にもっとも近い人気がある、穹と二人一組が当然と言われる主人公が、他のヒロインとの恋愛関係と肉体関係を描きたい制作側によってキャラを作り替えられた。第3話とはそういう話なんですよ。
どうしてすべてのヒロインと恋愛関係にならねばいけないのか? 何故、すべてのヒロインと肉体関係を持つ必然性があるのか。ヨスガノソラという作品を全部楽しむことに必要性はあるのかと、私は強烈な疑問をいだいたのでした。

第3話に対する各所における否定的な意見の多さは、制作側の抱いたコンセプトと、ファンが求めているものに激しい落差があった結果なんでしょうね。私はなるべくしてなったことだと思うけど、制作側はどのように捉えているのか。最終的に理解し、受け入れてもらえればいいと思っているのか、でも、最初に理解も納得もできなかった人はその時点で視聴を辞めてしまいますから、早い段階で仕掛けというか手の平を明かさないと、ファンは離れるばかりなんじゃないだろうか? エロ重視の作品で売り込んで、来週にも主人公とヒロインがヤっちゃうかもしれないというのが現状ですが、そのことに喜んでいる人がどれだけいるのかな? 私にはどうも、頼むからそれだけは辞めてくれと言っている人のほうが多いように見えるけど、ハッキリいえば渚さんよりもハルのほうが人気だっただけのことです。それを制作側が理解していなかったからこそ、今の激烈な流れが出来てしまったんじゃないでしょうか。だとすれば、私に言えることはなにもない。
最低でもキスは覚悟しなければいけないと、誰かが言いました。ヨスガノソラハルの物語だけど、他のヒロインにスポットを当てる関係上、少なからず色恋沙汰は見せなくてはいけないんだと。私もそれは分かってたし、そういったことに対する覚悟をするために徳島まで行ったという事情もあります。けど、私はハルキノソラ出張版でこんな言葉を聞きました。
「ヨスガノソラという作品を全部楽しもうというコンセプトの元に制作している」と。
そのとき、私はこう思ったのです。口には出しませんでしたし、表情も消してましたが、こう思ったんです。ヨスガノソラをという作品を、全部楽しむ必要性がどこにあるのかなって。アニメ版が私の望む展開にはなり得ないことを悟った瞬間であり、そのときから覚悟はしていたつもりでした。でも、こうやって現実に見せつけられると、正直心を抉られたような痛みを覚えます。私は今、泣いてます。

なにを書けばいいのか。私は自分のすべてを賭けてアニメ版ヨスガノソラを否定するべきなんでしょうか? 徳島に行ったとき、私が懸念していたことは現実となった。実はあのときの日記には書いてなかったけど、嫌な予感はしてたんです。私が春日野悠という主人公が持つ、穹にも近い絶大な人気について言及したとき、スタッフの反応はあまりにも薄すぎたから。
もはや内容に触れる気も起きませんが……それでも書かなければいけないことがある。なんの価値も、一欠片だって残っていない作品だけど、書かなくてはいけない。
私は知りました。
どうして世の中には、アニメのDVDやゲームソフトなどのディスクを割る奴がいるのか。
それは要するに、こういうことなんですね。
今、私の手元にBDがなくて安心しました。渦巻く感情を発散する方法として、物に当たるというのは確かに有効かも知れません。この怒りはどこにぶつけるべきなのか、江戸川橋にあるレコード会社か、それとも池袋にあるエロゲ会社か。プロデューサーはハルについて私が言及したとき、「何故、そうしたのかはちゃんと説明していきたい」と、ハルキノソラで説明を行うようなことを言っていました。もちろん、それはメールが山のように届いてはじめて口を開くのでしょうが、なにかしらの説明があるのであれば、納得のいくものを聴かせて貰おうじゃありませんか。理解ではなく納得です。それが出来るというのなら、ですけど。
2話の時点で減少していたものが、3話で早くも底をついたというか、本当に酷い展開だった。これが原作のない作品ならばありなのかも知れないけど、春日野悠という主人公を汚してしまった罪は大きい。ハルというキャラクターのすべてが全否定されて、これのどこがヨスガノソラだというのか。ハルが誰かを愛すること、恋することを否定するわけじゃありません。それが穹じゃないのだとしても、仕方ない場合だってある。
けど、違うでしょう。ハルは誰か一人を愛さなければいけないんですよ。ハルが一人である以上、彼は一人の少女しか愛せないはずなんだ。移り変わりの果てにある穹ルートなんて、誰も望んでいないし、私はそんなものを観たいとは思わない。

さて、なんとか冷静さを取り戻すことに、一時的ではありますが成功したので第3話について。いきなりダメイドこと初佳が出てきたのには驚いたけど、考えてみれば1話にも出ていましたし、別にCパート限定のキャラってわけじゃないからね。そもそも、Cパート自体が初佳主人公の話だけじゃないですから。ここだけの話。
初佳が渚さんの携帯を預かるのは当然として、何故ハルは女子更衣室まで来たのか。初佳だからネタとして茶化してくれたけど、傍目に観れば覗きを行おうとしている不埒な輩と言われても仕方がないし、叫ばれたっておかしくない。現に渚さんと瑛には気付かれましたし、ハルは委員長にでも頼むべきだったんだ! なんでハルが携帯を届けるためとはいえ、女子更衣室まで足を運ぶ必要があるんだよ。
帰り道も、なんでハルは一人で帰ってるわけ? 穹はどうしたんだよ、今日が初登校で、慣れないプール掃除ですっ飛ばされた、お前の双子の妹はどこいったんだよ。おかしいだろ、おかしいでしょ、なんで穹が隣にいないんだよ、どうして穹と一緒に帰ってないんだよ。クラスが違うから? 時間帯が合わなかったから? 待つよ! 待つに決まってるだろ、春日野兄妹なら。初めての通学路で、いきなり帰りは自分で帰れとかハルは言っちゃうわけ? 結構な距離があって、一度じゃ憶えられないと言っていたあの道を、穹一人で帰ったとでも言うのかよ。冗談も休み休み言ってくれ、瑛と渚さんの百合妄想なんてしている場合じゃないだろうに。
ところで、サブタイトルロゴの部分に出てきたK3ってなんでしょうね? 3は3話の意味だとしても、それならエピソードの略であるEPとか使うはずだし……一葉のKとか? なんかしっくり来ないな。私が英語に疎いだけで、本当はもっと単純な意味があるのかも知れないけど、ちょっと気になった。
ハルを体操着で追いかけに来た渚さんは意味不明です。立ち聞きされていたのに気付いたとはいえ、その日の内にどうこうする問題だったのでしょうか? 体操着を着ているのは制服がずぶ濡れになったからでしょうが、初佳が来た時点で迎えの車か、もしくは着替えを手配すれば良いだけの話じゃないですか。大体、なんでヴィオラ背負ってのよ。体操着にヴィオラ背負ってるとか、萌え要素どころかシュールでしかないんだけど。
瑛の生い立ちを話すのが渚さんってのは、まあ、渚さんがメインであるから判らなくもない話です。けど、ハルが勘違いをしていた。勘違いをしていることに渚さんも気付いた。それならそこで、はぐらかすことだって出来たはずです。それを話したと言うことは、渚さんの中でハルがそれなりに大きい存在へとなっていたからでしょう。なんか、彼女のキャラじゃないとは思いますけどね。父を否定する渚さんだけど、問題があるのは父親じゃなくて母親だろうに。まあ、渚さんの決意そのものは立派だけどさ。

ほとんど唯一のハルと穹の会話シーン。
「ねぇ、穹」
「ん?」
「実はもう一人兄妹がいたとしたら、どう思う?」
問われた穹は、唖然としてぬいぐるみを取り落とします。
「ああ、いや! ただの例え話」
「なにそれ?」
笑ってごまかそうとするハルに、穹は不機嫌そうな表情を見せる。
「ハルだけで十分。他にはなにもいらない」
穹の台詞は良いんだけどさ、たったこれだけだよ? 3話におけるハルと穹の絡みって。なんか、申し訳なさ程度に、入れておかないとマズイから入れましたみたいな、そんな歪んだ印象さえ受けてしまう。2話の終盤からこっち、春日野兄妹の絡みがこれでもかというぐらい減少してしまいました。こういうのを延々と見続けていられれば、それで満足できたのに。どうして、なんで横道にそれてしまうんでしょうか。
ハルと穹が観たいんだよ! 他にはなにもいらないし、観たくもないんだよ。他のキャラにスポットを当てても良いけど、春日野兄妹を疎かにしている時点で、なんの価値もないじゃないか。ハルが他キャラとイチャイチャするのが観たくて、みんなアニメを観ているとでもいうのかい? そうじゃないだろう。

渚さんが学校でヴィオラについて触れるシーンは、割と本当にどうでも良いからスルーします。元々、原作にしたところでキーアイテムってわけじゃないし、ただのキャラ付けですから。音色について言及するハルは……この時点ではまさか、と思っていました。
亮平の投げた鞄に渚さんは顔面を殴打しますが、さすがにこれはやり過ぎだろう。なにが入っているかは知りませんが、金具や角の部分が当たってれば失明の恐れだってあるよ? まあ、実際には傷一つないし、腫れてすらいなかったけど。
亮平の誘いで海へ行く話は、いくらなんでも早すぎじゃないか。まだ3話だというのに、いや、3話だからこその梃子入れか? 空回ってしかいないように見えるけど、この辺りからハルと渚さんが急速に接近しています。何気に委員長までいますけど、特に喋ることもなくいるだけという感じです。なんていうか、あらゆる場面で渚さんが目立っていることにすら不快感を憶え始めてるけど、彼女はなにも悪くないんだと必死で自分に言い聞かせています。
穹がとけ込めるように配慮して、みたいなことをハルは言ってたけど、それならどうして2話の段階で絡めなかったのよ。一言も喋ったことがないハルのクラスメイトと、いきなり穹は海へ来ちゃうんだ。そんな積極的な娘でしたっけ? なんか、みんなと遊んでいるシーンに強烈な違和感を感じてしまう。違うでしょ、穹は。穹が海でするべき行動は、そういうことじゃないでしょ。すべてが薄ら寒いというか、滑稽なものを見せられてるなと、そう感じてしまった。登場するキャラのすべてが、みんな空回っているかのように、意味が分からなかった。

意味が分からないと言えば海からの帰りの電車もそうです。穹が気にしてましたけど、なんで電車内あんなガラガラなのにハルと渚さんだけ離れた場所に2人だけで腰掛けてんの? せめて前か後ろ、ていうか横に座ればいいじゃない。怖気が走るかのような2ショットだけど、このシーンは認めたくないが超重要なところです。
何故なら、ハルも渚さんも優先すべきものを優先していないんです。ハルの場合は妹の穹を、渚さんの場合は姉である瑛を、常にどんなことよりも優先していたはずの人をほっぽり出して、自分たちを選んだんです。この時点で、2人の関係がそこまで言ったと推測するのは難しいことではなく、私が諦めを悟った瞬間でもあった。あからさまで強引な、直視することすら辛いシーンだけど、製作側としては綺麗さや美しさを訴えたいんだろうなと、映像からはそんな印象を受けました。まったくもって、無駄でしかないと思いましたけど。
ハルが渚さんに惚れたのはこのときでしょうね。そう、前回までは良かったんですよ。あくまで渚さんがハルを意識しているだけだったし、それだけなら別に構わなかった。けど、今回でハルまでも渚さんに惚れてしまったから、もう取り返しが付かなくなってしまったんです。遠く離れた場所にいる2人を見つめる穹はなにを思うのか、このシーンを良いシーンだと評価する人がいるなら、私はその人と仲良くなれそうもありません。なりたくもない。映像的にどれほど優れていようと、作品として私はここを否定する。否定しなければならない。認めてしまえば、今まで自分が信じてきたものをすべて捨て去ることになってしまうから。

学校の昇降口前。穹を待つハルの元へ、信じられないメールが届きます。
sub:友達と
先に帰る
勝手に帰って

あり得ないでしょ、意味分からないでしょ、穹に友達が出来たことは一万歩譲って認めても良いけど、穹なら友達よりハルを優先するだろ! ハルとの約束を破って友達と帰る? ハルのことを一番に考えている穹が? ハルと一緒にいたくて学校にまで通い始めた穹ですよ? 馬鹿言ってんじゃないよ。
けど、これに関しては嘘という可能性があります。本当は友達なんて出来ていなくて、渚さんとの関係を気にしている穹が意図的に距離を取ってみたと、そう考えられなくもない。穹に友達が出来たよりは、よっぽど現実的じゃないだろうか。いや、穹の対人コミュニケーションを全否定するわけじゃないけど。
唐突に現れる渚さんには、もうなにも言うことはありません。渚さんのことを考えると、彼女が大嫌いになりそうなほど辛くなってきた。頭では分かってるんですよ、渚さんに罪がないことぐらい。分かっちゃいるんですよ。でも、これは……前の日記にも書いたとおり、穹と一番遠い距離にいる渚さんが相手じゃ、穹には手も足も出ないんです。それを逆手に取られたというか、見事に渚さんをヒロインへと仕立ててくれましたよ。えぇ、もう、あっぱれだね。
距離縮め、関係を深めていくハルと渚さん。単純な恋愛話と考えれば、実のところそれほど悪いものでもありません。だけど、これをヨスガノソラでやってしまうのはどうなのよと、そういうわけでして。最終的に穹ルートが来るんだとしても、こんなの見せつけられた後にどうしろっていうんだよ。来たとして、盛り上がれるわけ? 一度、渚さんとくっついたハルと、穹の物語なんて。私にはちょっと無理だと思う。

オムニバスだから許されるとか、リセットされるから別に構わないとかじゃないんです。気持ちの問題だし、受け入れられるかどうかは自分次第。私の感性は現状すべての方向を拒絶してるけど、こうまで嫌な予感が当たるってのはね。
後半、ハルが渚さんを連れ出して、隣町でデートと洒落込むわけですよ。渚さん曰く強引らしいけど、これがアニメで言うところのポジティブなハルってわけですか? 互いに気があるとはいえ、女の子を無理やり街まで連れ出して、あまつさえキスをするのがハルのポジティブだっていうわけ? 馬鹿馬鹿しい、愚かしいにもほどがある。お前は他の女の唇を奪ったその口で、穹の唇に触れるつもりなのか。他の女を抱いたその身体で、穹の身体を抱こうというのか。汚らわしい、軽薄にもほどがある。
道ばたをトボトボと歩く穹の、不憫な姿といったらないよ。ハルは、断言できますけど穹になんの連絡もしていないと思います。渚さんと隣町でデートしていることも、例え穹からメールが来ようともそれに気付かず。穹は探してるんですよ、ハルを。暑いと思いながらハルを探して、町を彷徨っているんですよ!
「ハルが……」
呟く穹は、虚勢は張れても元気がなかった。なにを、ハルはなにをしているんだ! 渚さんも瑛をほっぽり出して、分かりますか? 瑛は2人をあそこで待ってたんですよ。待ってたのに、ハルと渚さんは2人だけの世界にへと没頭してしまった。ふざけるなよ、お前ら。
瑛が倒れたのは、体調不良か別の理由か、過労というのがしっくり来そうだけど、渚さんは瑛に対するツケを払うことになりそうですね。瑛のことを忘れ、ハルとの甘い時間を過ごした渚さんには、今後瑛になにがあろうと文句をいう資格なんてない。原作もそうだけどさ、渚さんは少し瑛に対して傲慢で、押しつけている部分があると思うのよ。責任感が強いのは認めるけど、果たしてそれは正しいの? って話で。まあ、渚さんルートやれば分かることですが。

それにしても、3話にして褒めるべき点が一欠片もなくなるとは思いませんでした。次回予告? あー、うん、アニメ版はもう終わったってことで良いんじゃないの? ハルと穹を守らずして、なにがヨスガノソラかって言うことですよ。結局、製作側はもっとも大切にしなければいけないキャラである、ハルという存在を軽視していたのさ。ハルがいてこその穹であり、穹がいてこそのハルだった。春日野兄妹ってのは、二身一体の人気と魅力があったのに、その大前提が崩壊してしまった。VFBの表紙を観れば、ユーザーがなにを求めているかなんて、すぐにでも分かりそうなのにね。
私はさ、一面的なハルと穹が見たかったし、ヨスガノソラを全部楽しむ必要なんて、どこにもないと思ってるのよ。確かにハルと穹だけじゃ尺が足りないけど、それにしたってやりようはあったんじゃないかとね。現にコミカライズは見事な構成をしているわけだし。仮にリセットするのだとしても、このまま続けるのだとしても、既にハルは犠牲になってるんですよ。
スタチャがなにを狙っているのか、私にはなんとなくそれが見えてきたんだけど、そのやり方は果たして正しいのか、暗澹たる気分になってきます。スタチャといえば、公式ページにある3話のあらすじが、実物とまったく違うのは何故なんでしょうね?
ある日、瑛や悠と一緒に叉依媛神社で夏祭りの準備をしていた一葉は、夏祭りの下見をしに神社にやってきた父親と鉢合わせしてしまう。一葉の表情が怒りに満ちているのを見た悠は、口実を作ってその場から一葉を引き離した後、自宅での夕食に誘う。そして、誰もいない自宅でバランスを崩した一葉と悠は、倒れこみながらも唇を重ねるのだった……。
このあらすじ通りなら、負わされる羽目になった傷も小さくて済んだだろうに、残念な話です。もっとも、穹がいない春日野家なんてまず考えられないけど。

しかし、あれだね。人の覚悟なんてものはちっぽけなものだね。徳島まで行って、ハルが他の女とヤることを否定されなかった時点で、私は覚悟を決めていたはずなのにな。いやはやなんともはや、色々な意味で来週が、第4話が楽しみでなりませんよ。心身に負ったダメージはきついけど、時計の針が戻らない限りどうにもならないんだから、もはや作品を最後まで観ること以外に、答えを出す方法はない。
けど、そうだね、ちょっと疲れたというか、凄い泣きたい気分だから、コミカライズを読みながら寝ることにしましょう。じゃないと、私のすべてが壊れそうだ。
秋季例祭とやらは無事に終わったようですね。何事もなく、というには参加させられている時点で違うような気がしますが、反応を見る限りだと大きな問題等はなかったらしい。泥を被るといった手前、その役目をすべて果たしたというところですか。精神的にかなり参っている様子を見ると、私も行って激励したかったけど、今回の件で地元側に対するイメージが良いものじゃなくなったのも事実。誰が言いだしたことかは知らないですけど、もう二度と合って欲しいことじゃないですね。まあ、来年にはアニメの放送も終わってますから、なにかを引っ張るってことはないと思いますけど。今回の件の真相は、1月に行われるマチアソビVol.5で訊いてみることにしましょう。

明日はアニメ版ヨスガノソラの3話が放送されると言うことで、現在2話の復習及びアニメ全体について考えています。1話は放送されてから今日に至るまで、何十回と見直してきたんですけど、2話だとその気が起きないのよね。最初の5分ちょっと、穹が蚊に驚いてハルに泣きつくシーンまで見れば満足してしまうというか、それ以降がすべていらなく感じてしまうほど。蚊のイベントに不満がないわけじゃないんだけど、それぐらいしか見るところがなかったというのも大きい。私がハルと穹をこよなく愛しているというのもあるんだろうけど、穹の出番が少ないだけでここまでつまらないものなんだと、ある意味で当たり前のことを実感しています。まあ、中には2話も最高だったという感想を抱いている人がいるんけど、私には魅力に感じる部分があまりにも少なすぎた。
なので今日は2話の復習と、現時点で分かっている登場キャラのキャラクター性について書いてみようかなと思います。まあ、2話の感想で気になった部分を掘り下げるだけなんだけど、改めて見直してみると、やっぱり違和感が大きいんだよね。別人と言うほどではないにしろ、ハルも穹も、瑛や渚さんもそのキャラクター性に強い差違を感じてしまった。原作やコミカライズとアニメは別物であると分かっていても、なんか拭えないというか、納得いかないんだよね。話だけならまだしも、キャラまで違うというのは。もちろん、話が違う以上、それにあったキャラを用意するのは物語作りの基本だし、私もどちらかといえばそういう書き手なんだけど……なるほど、私の二次創作を読んだ人ってこんな気持ちだったのかも知れない。

最初に取り上げるのは、やはり蚊のシーンですかね。2話はここだけ見ておけばいいというシーンではあるんだけど、イベントとしては原作の方が断然いい。そもそも冷静に考えてみましょう。どうしてアニメの穹は蚊如きにあそこまで動揺し、怯えているのでしょうか? これが蜘蛛なら小さくても嫌いな人は嫌いだし、それ以上の害虫なら大の大人だって苦手な人はいます。けど、蚊ですよ、蚊。2話の日記にも書いたけど、今日日小学生や幼稚園児だって怖がりませんよ。蜂ならまだしも、刺されても痒いだけで痛くないんですから。ちなみに私はよっぽど血が不味いのか、ここ数年は蚊にすら刺されません。汗っかきで普通なら蚊が寄りつきそうなんですけど、虫にすら嫌われているという。
まあ、私のことはどうでも良いとして、蚊という虫は嫌いな人はいても怖がる人はいないということです。現に、原作の穹も蚊を嫌がってこそいますが、バッタのように怖がってはいません。ちなみに、原作での反応はこんな感じです。
「………ハル!!」
「うわぁっ!? な、なに、穹?」
「……うるさい」
「え、ええ?」
う、うるさいって……まさに寝ようとしてたとこなんだけど。
「……ハルじゃない」
……じゃあ何が? と言うか、お願いだから主語を言ってくれないか。
「か」
「か? ……蚊?」
「蚊がうるさい……」

寝ようとしていたハルを叩き起こし、穹は蚊が気になって寝られないのでなんとかしてと言ってきます。蚊の羽音が不愉快であることをハルも認めつつ、寝たら気にならないと提案するも、「刺されたら痒い……いいから、早く何とかして」と迫られます。この間、穹はあくまで静かであり、蚊が出たからと言って半狂乱になって騒ぎ立てるような真似はしていません。うるさいから、刺されると痒いから、理由としてはそれぐらいのことであり、確かに気にし過ぎなところはあるけど、おかしいってほどじゃない。
殺虫剤も蚊取り線香もないから、とりあえず部屋に行ってみるハル。蚊が入った理由はすぐに判り、穹が網戸も閉めずに窓を開けていたからでした。
「そりゃ窓が開いてたら、入ってくるに決まってるよ。ここに来た最初の日に、窓を開けるなら網戸は閉めておけって言ったよな?」
「……覚えてない」
「つまりは自業自得ってことだ」
「……うー」

可愛らしいやり取りですし、この時点ではアニメのような騒々しさは欠片もありません。仕方ないので退治することになったハルですが、蚊一匹潰すのはあれでなかなか難しい話です。蚊帳を設置できれば楽なのですが、夜中に押し入れや納戸をひっくり返すわけにもいかず、地道に仕留めるしかないというハル。けど、そんなハルに痺れを切らした穹が強硬手段に出ます。
「もういい……」
「え?」
穹が、ごそごそとダンボールの中を漁り出して……
「ちょっと、穹……何を……?」
「うるさい……」
どこからどう見てもヘアスプレーの缶を手にしたかと思うと。
「むぅぅぅぅぅぅぅぅ……」
「うあぁぁぁぁっ!?」
「ゴホッ……けほけほっ…………うぅぅっ…………」
「うぉぉぉぉい! な、何やってんだよっ……やめろって!」
辺り一面に、白い霧のようなのが広がり、甘ったるい、いかにもな強い臭いが広がっていく。
「ううーーーーっ!!!」

キレて部屋スプレーを撒き散らすわけですけど、あくまで苛々が頂点に達しただけであって、蚊に怯えて形振り構わなくなったわけじゃありません。しかも、醒めるのも早いらしく、ハルが部屋の外へ連れ出す頃にはすっかり落ち着いていました。
「たかが蚊一匹でキレるのは勘弁してくれ」
「……何で?」
「そもそもあんなヘアスプレーを撒き散らしたとこで、蚊がいなくなるわけ無いだろ?」
「……何で?」
「ヘアスプレーは殺虫剤じゃないからだろう……とりあえず、換気が済むまでしばらく部屋への立ち入りは禁止」
「……何で?」
「あんな咳き込むほど撒き散らしたんだぞ? 臭いもすごいし、体にいいわけも無いだろう」
「……何で?」
「そりゃヘアスプレーは髪に使うものであって……って、お前、わかっててワザと言ってるだろ?」
「…………」
「ったく……はいはい、穹にはかなわないよ」
相変わらず、穹は何を考えて行動しているのかよくわからないけど、こんなやりとりでも僕たち兄妹には安心できる時間だった。

私はこのやり取りが凄く好きでさ、ハルも言ってるけど2人が安心できる時間というか、これが春日野兄妹なんだなって感じられるイベントだったからとても愛着があるんですよ。それが丸々削除されて、可愛くても良く分からないイベントに差し替えられたのは残念以上の気持ちがあります。しかも、原作で夜だったのが朝に改変されましたし、そのため続くイベントは強制的に排除されてしまった。
穹の部屋から布団を持ち出し、敷き直したそこは応接間。少なくとも今日ここにいた時に蚊はいなかった……はず。
「……じゃ、電気消すよ。おやすみ」
布団に寝転ぶ穹を見届けて、照明のスイッチに手を伸ばしたその時。
「………ん?」
服の裾を引っ張られる。
「……なに?」
「…………しばらく側にいて」
「……はいはい」
真っ暗闇の中、穹の傍らへ寄り添うように腰を下ろす。何も見えない中でも穹の息づかいが、体温が感じられる。
「…………ハル……」
「……ん?」
「……外、騒がしい…………」
「…………すぐに慣れるよ」
「……そう?」
遠くから、カエルの大合唱が聞こえてくる。これが秋になれば、今度は鈴虫やコオロギの鳴き声に変わっていくのだろう。
「確かに少し騒がしいけど、蚊の音なんかと違って、不快じゃないだろう?」
「……うん」
これが自然の声というものなのかもしれない。
「…………」
こんなの、都会にいた時には気付くこともなかった。どこか心が落ち着くような……この土地の自然の一部に溶け込んでいくような、そんな感覚。こういう夜も、いいなと思う。穹も、あっという間に深い寝息を立てていた。そして僕も、自分の部屋に戻ることさえも忘れて、いつの間にか、意識を夢の世界へ飛ばしていた。

ハルと穹が慣れない田舎暮らしを始めて、そうした中の一夜です。2人の絆の深さ、繋がりの厚さ、なによりハルが穹に添い寝する形となった大事なイベントだというのに、これをカットするってどうなのよ。こういう静かながらも、確かな生活感みたいのが大事だって言うのに、それがどうして蚊に半狂乱となる穹になってしまうのか。何度も言うようだけど、決して可愛くないわけじゃなかった。でも、それは違うだろうと。アニメは今のところ全部オリジナル話と展開だけど、原作の良いエピソードぐらいは採用して欲しい。序盤のハルと穹の生活とか、そういうのが大事だというのに。
まあ、蚊を極端に恐れている点については、無理やり説明が出来ないでもありません。例えば、肌がとても弱くて刺されると被れやすいとかね。ちょっと苦しいけど。

2話は基本的にハルへの違和感が強い回だった。もちろん、瑛や渚さんも原作と比べて大分キャラが違うんだけど、ハルほどではないように思えた。現状、瑛は自分がメインじゃないこともあって原作ほど底が知れない少女じゃないし、むしろ原作よりも過剰なほどのおふざけキャラとなっています。運動が出来るという設定はともかく、私は瑛がクラスの中心となって騒いでいる姿に違和感を憶えた。瑛って、騒動に加わることはあっても、それを巻き起こすようなキャラじゃないと思うんですよ。人付き合いは悪くない方だろうけど、だからといって友達が多いとは思えない。大体、クラスでは色々浮いた存在である亮平や、家柄上取っ付きにくい相手である渚さんと付き合っている時点で、瑛自身も孤立とはいかないまでも、中心に位置できるようなキャラではないんじゃないかって。
故に瑛がプール掃除で騒ぎを起こしたときは意外に思ったし、散々同級生を水圧で吹っ飛ばしておきながら、体調不良以外の理由で見学している渚さんだけに気を使ったときは、まあ、これはハルにも言えることなんだけど、結構な違和感を憶えた。瑛ってノリはいいけど、基本的に人の迷惑になるような行動をしない娘じゃないですか? 誰かに邪魔だと思われたら、その時点で彼女は奥木染で生きていけませんし、自分の中での引き際を弁えすぎてるんですよ。2話のプール掃除は瑛が主にはしゃいでたわけだけど、唖然としていたのはなにも穹だけじゃないだろうし、瑛が進んであんなことを主導するのかなと。渚さんがすっころんだときだけ血相かえて、他の生徒への迷惑はどうでもいいのかって話です。
ハルに対する違和感もまた、プールにおける出来事がメインです。それ以前の、やひろ、渚さん、亮平と散々瑛の事情を知りたがる姿もどうかと思ったし、あそこまで言われて何故詮索を続けるんだと理解出来なかったけど、それでもプールでの一件よりかはまだマシなんじゃないかと。
ハルはあのときあの場所で、一体なにをしてたんでしょうか? 暴走した瑛を止めるわけでもなく、かといって自分は参加するわけでもなく、プールサイドに腰掛けて旗振りですよ。サボりじゃないですか、サボり。騒動の外で呑気に旗なんて振っちゃって、穹が吹っ飛ばされたときには見向きもしない。それなのに渚さんの時だけ叫び声を上げて駆け寄るという。妹はどうしたんだと。初めての学校でいきなりプール掃除なんて慣れないことさせられて、あまつさえ瑛の悪ふざけの被害にあった穹のところへ、何故駆けつけないのか。そうした行動的な矛盾の多さが、2話におけるハルの魅力をガクッと下げた要因なんじゃないかな。1話はあんなに良かったのに。

書きたいことは山のようにあるけど、これ以上はただの批判や否定を超えてしまいそうなので止めておきます。明日はいよいよ渚さんがメインとなりますが、基本的に彼女は穹との接点がない人なので、全面に出てこられると穹じゃどうしようもないんですよね。原作でも話したことがないし、対決することが出来ない。つまり、必然的に穹が話に絡みづらい相手であり、今回のような出番の少なさに見舞われるのです。よく見なくとも判るとおり、3話の予告に穹はいません……
本当は漫画版との比較を書きたかったんだけど、2話を見直すうちに変な方向に不満が爆発してしまったので、今日はこの辺で止めておきます。
昨日のヨスガノソラで町おこし問題は、どうやらSphereと地元側で水面下の交渉が繰り返されていたらしく、それも今週末を持って一応の決着を見せるということになっているらしいです。町おこしに対する意見は昨日書いたとおりだけど、予想通り地元というか自治体側からの接触や要望があったというのが真相らしいです。広報の話では昨年の8月頃から地元の観光協会に問い合わせが殺到し、それからずっとSphereは対応しているそうだけど、折角だからこれまでの流れを簡易的にまとめてみますか。
1.Sphereのスタッフ日記、原画家の橋本タカシがヨスガノソラの舞台についての話と、神社等の写真を公開する(5月28日~)

2.翌週、聖地に実在のモデルが存在することを知ったファンが調査を開始、限られた資料からこれを特定する(6月5日~)

3.聖地が特定されたことで、ファンによる巡礼が開始され、ブログ等にもアップされ始める(6月下旬~)

4.足利市観光協会に問い合わせが殺到し、Sphereが対応を始める(8月頃~)

5.マチアソビVol.4開催、ハルキノソラ出張版にてスタチャがモデルの詳細を公表することはないと明言(10月10日~)

6.Sphere広報のTwitterで足利市教育委員会文化財保護担当からの問い合わせが入っていることが発覚(10月13日~)

7.翌日、市議会などさらに多くの関係部署とやり取りが行われていることが発覚し、町おこし企画の可能性が浮上する(10月14日~)

8.同日午後、Sphere広報のTwitterで諸問題は既に決着に向かっていることが明かされる。同時に更新されたSphereスタッフ日記で樺崎八幡宮 秋季例祭の告知、地元向けの紹介コーナーを設けるとの情報(10月14日~)

9.アニメ版ヨスガノソラ公式サイトにて足利市『樺崎八幡宮』秋季例祭特別企画と、舞台紹介の美術ボードが公開(10月15日~)

結果から見るに、タイアップや町おこしを望んでいた地元側を、Sphereが最小限の範囲内で留めたという感じですね。1ヵ月以上も前から話があったとうことは、当然スタチャに情報が伝わらないわけもないし、そのスタチャが今月行われたマチアソビの段階で舞台紹介に消極的だったということは、町おこし企画やそれに類するものにも積極的ではないのでしょう。まあ、スタチャというかキングは音羽グループですから、バックに居るのは講談社ですけど、だからといって角川と同じことをする気もないようで。まあ、賢明な判断ではないかと思います。
8月に観光協会へ殺到したという問い合わせはなんだったのか、聖地巡礼者が樺崎八幡宮の所在地について詳しく訊いたというのが考えられますけど、ネットで探せばある程度は分かることを、わざわざ観光協会などに訊ねるものでしょうか? 仮にあったとしても、「ヨスガノソラという美少女ゲームの舞台になっている樺崎八幡宮への行き方を教えてください」などと直接的な質問をするわけもなく、さすがにそんな奴はいないと信じたい。

では、一体どうして露見したのか? 例え、ヨスガノソラの名前は出さずとも、急に樺崎八幡宮への参拝客が増えれば訝しがるでしょうし、なにかあったのかとネットで調べたのかもしれません。ただ、この問題が出るまでは単純に樺崎八幡宮で検索してもヨスガノソラが絡んだ記事が上位に来ることはありませんでしたし、まあ、調べ方にもよるんだろうけど、そんなに可能性が高いとも思えません。となれば、考えられるのは状況を知る者からの企画持ち込みではないでしょうか? 町おこしに限らず、企画というのは主催にしろ協賛にしろ、実際に取り仕切るのはちゃんとした企業や団体であることがほとんどだけど、企画そのものを発案するのは一個人であっても構わないのです。ヨスガノソラという作品が足利市の樺崎町を舞台にしていることを知っていた、もしくは知った何者かが、町おこしに類するタイアップ企画を観光協会に発案し、間に受けた協会側が関係各所、それこそ役所から市議会までを巻き込んで真剣に協議を始めた、とかね。別に何者が役所内の人間でも全然構わないし、重要なのは地元側から積極的なアプローチを仕掛けてきたということでしょう。
なにせ樺崎町というところは農業以外に目立った産業がないし、足利市も歴史の街といったところで、あまり流行っているわけではありません。商工会が自主的にオタク向けの企画をやってはいますが、それにしたって成功しているとは言いがたく、そうした状況の中で既にアニメ化が決定している作品の情報が舞い込んできたのではないか?
地元の寺社仏閣を萌えキャラにしてしまうぐらいですから、オタク向けの町おこしに足利市は少なからず関心を持っていたのかも知れません。昨日の日記でも書きましたが、この手の手法は鷲宮町や富山市などの前例があり、徳島市のように市を上げてアニメのイベントを開催しているようなところもあります。なので作品さえ人気なら、それなりの話題になることは疑いようがなく、自主企画を進めるよりもはるかに効率がいいのです。作品の人気にそのまま乗っかればいいわけですから。

足利の自治体内でどのようなやり取りがあったのかは分かりませんが、市議会の政治家まで出てきたという話です。予想以上のレベルまで問題は発展していたらしく、役所ぐるみでヨスガノソラを使った町おこし企画を、Sphereやスタチャに持ちかけていたのはまず間違いないでしょう。何故、両社がそれに乗っからなかったのかは、まあ、作品を考えれば分かることですし、これ以上に賢明な判断はないでしょう。けれど、足利市は引き下がらなかった。
私は足利市の財政事情は知りませんが、地上自治体なんて今はどこも厳しいでしょうし、特に産業が盛んでもないところの地域振興の要となるのは、いつの時代も観光事業です。私が足利に行った際も地元レストランの店員に来訪理由を訊かれましたし、基本的に若い人間が訪れるような場所ではないんでしょう。そこに恰好の情報が入ってきたわけで、市としてはなんとかしてこれに乗っかり地域活性化を目指したい。しかし、Sphereにしろスタチャにしろ作品の性質というものを分かってますから、ヨスガノソラがらき☆すたのような成功を収められるわけがないと拒否します。ヨスガがらき☆すたに劣っているとは言いませんが、作風がそもそも違うんです。エロゲ原作のエロ重視アニメと、萌え4コマが原作のライトなオタ向きアニメ、いくらキングの後ろに講談社が付いているといっても、角川のようなノウハウがあるわけでもないし、そもそもヨスガは講談社原作じゃありません。コミカライズをやっているのは角川の雑誌だけど、アニメに角川が関わっていない以上は手を貸す義理もないですし、誰が見たってヨスガノソラで町おこしの企画など成立するわけがないのです。
でも、地元側は食い下がった。成功すれば鷲宮のような地域現象になるかも知れない、テレビ等のメディアで取り上げられて、有名になるかも知れない。そうすれば人が沢山来るし、お金もいっぱい落としていく……ここまで浅ましい考えだったかは分かりませんが、金以外に町おこし企画など立案するわけもないのだから、根底部分としてこいうのがあるのは事実でしょう。そりゃ、Sphereやスタチャだって作品の知名度は上げたいだろうし、その方が売れるのは事実です。けれど、彼等が相手にしているのはあくまで一部のオタクたちであって、販売層というものが既に確立されているのです。そして、その層の人間へ確実に売っていくためには、町おこしなどというタイアップ企画は必要ないし、むしろファン離れすら起こす可能性があります。それに双子の近親相姦がメインという内容を考えれば、違う団体からの抗議があるとも限らない。だからこそ断ったし、例え政治家が出てこようと話をまとめるわけにはいかなかったのです。ヨスガノソラという作品を守るためには、それしかなかった。

すべての泥を自分で被るといったSphere広報の言葉はカッコいいけど、その割に秋季例祭の告知がギリギリでしたね。まあ、決まったのもここ数日という感じなんでしょうが、地元側との妥協点がヨスガノソラのアニメ背景と実際のロケ地の比較探訪図の展示というのはなんともね。基本的に地元民へのアニメ版ヨスガノソラの紹介コーナーというコンセプトという形を取っているらしく、あくまでこちら側を呼びこむような体裁ではありません。これが限界、唯一取れた方法というわけですかね。
興味がないといえば嘘になりますが、私は行かないと思います。仮にもヨスガノソラの絡んだイベントですから、行きたくないわけがないですが、午前11時に樺崎八幡宮へ行くというのは時間的に無理がありますし、なにより地元の絡んだ企画に乗っかりたくない。ここで私が秋季例祭とやらに行ってしまえば、ヨスガノソラに釣られた来た余所者ということになって、地元側の思惑に乗ることとなります。残念ですが、ここは参加せずに様子見することにします。町おこしなどという夢想を二度と抱かせないためにも、仕方が無いことです。まあ、地元にいるらしいヨスガファンが参加するかも知れないと言ってるし、こういうイベントが好きなオタクが押しかけて、展示物の写真ぐらいはネットにアップするかも知れません。ならば、私が特別行く理由はないですし、地元への影響を考えて不参加とさせていただきます。

今回の件で一番問題なのは、制作側が地元の要望で聖地を公表させられたという部分に尽きると思います。Sphereにしろスタチャにしろ、奥木染のモデルが樺崎町だと言うつもりはまったくなかったのに、どうしてもヨスガノソラを使いたい地元側が、自らここが聖地であると名乗り上げたのです。今までにこうしたことがあったのかは知りませんが、なんと短絡的で安易なことでしょうか。美少女ゲームで町おこしなどを企画している時点で恥知らずなのに、あくまで乗っかろうとするその姿勢。例え財政が火の車なのだとしても、私にはちょっと理解出来ないです。
いつの話だったか忘れましたが、なんとかいう武将の生地である土地が、その武将の大河ドラマを作らせて地域振興に役立てようと企画し、要望書を放送局に出したというニュースを見ました。武将ゆかりの地として、観光客の誘致がしたかったんでしょうね。今回の件と事情は異なりますが、今に地方自治体主導でアニメ作品が作られてもおかしくはないんじゃないでしょうか。足利ひめたまなんてアニメーターにキャラデザお願いしてるぐらいだし、たまゆらのような商法を取っている作品もありますからね。馬鹿馬鹿しい話と切り捨てるには、少し現実味に溢れすぎている気がします。
足利市というか樺崎町というか、ヨスガノソラの舞台である奥木染のモデルとなった町で動きがあるみたいです。委細はまだ分かりませんが、Sphereの広報に市役所、商工会、教育委員会、市議会、自治会、観光協会といった面々が接触を図ってきているらしく、これはもはや町おこしを狙ったタイアップが来ると思ったほうがいいでしょう。まさか、ヨスガノソラで町おこしをするとは思いませんでしたが、金さえ流れてくればなんでもいいということなんでしょうか。正直、関係者の品位を疑いたくなってきた。

ハルキノソラ出張版でも言ってたけど、基本的に公式サイドはヨスガノソラに出てくる建物や、土地に付いてのモデルなどを明言するつもりはないようでした。これはなにもスタチャに限った話ではなく、原作元のSphereもモデルに対する問合わせのメールなどには答えられないという姿勢だったし、アニメ共に一貫しています。当然の話、エロゲの舞台を大々的に明かすなんてことはあまり例があることではなく、ましてや地元とタイアップを図るなど考えられるわけもありません。
けど、逆に向こうから接触を図ってきたらどうでしょうか? 上記にある、俗に言う自治体の方から積極的に、好意的に迎えられたら。地域現象となったらき☆すたの成功や、続くtrue tearsの登場などにより、アニメによる町おこしという現象は最近になって随分増えたと思います。私が足利に行ったときも織姫神社ということろがアニメーターの奥田泰弘に依頼し、神社で萌えキャラを作ったりしていましたが、あれはあくまでオリジナルコンテンツ。既存の作品ほど認知度はないですし、私も知りませんでした。
らき☆すたの大成功ともいえる流行りっぷりに、同じようなことを夢見る方々は増えたといいます。そりゃ、あれだけ儲けてそうなのを見れば羨ましいだろうし、自分のところでもなにかできないかと考えるのも無理はありません。例えば最近放送されたたまゆらなどは、地元とのタイアップを前提に制作されたようなものですし、既にイベントなども開催されているといいます。どこでもやっていること、というのもあながち嘘ではないですし、むしろ次はどこがやるのかって感じだと思います。それぐらい、流行っているのは事実です。

では、最初に戻ってヨスガノソラで町おこしの可能性に付いて考えてみましょう。Sphereの広報に関係各所から連絡があって、週末にも奥木染へ行くと言っている以上、なんらかのアクションがあったのは事実です。それが町おこしないしタイアップについてなのかどうかはまだ分かりませんが、そんな事情や用事でもなければ、連絡自体来ることがないでしょう。教育委員会だけならまだしも苦情の類と判断できそうですが、商工会や観光協会まで絡んできては、もう最悪の想像をするしかありません。
私はハッキリいうとヨスガノソラで町おこしには反対です。アニメとは別の理由で、そもそも近親相姦がメインである18禁の美少女ゲームで町おこしをするなんて、常識的に考えてありえないでしょう? 短絡的に考えれば、確かに話題にはなるし人も集まり、なにより金が流れてくることからメリットは大きいように思える。Sphereにしろスタチャにしろ、良い宣伝になると考えるかも知れません。しかし、よく思い出してみてください。らき☆すたにしろtrue tearsにしろ、アニメであってもエロアニメじゃないし、ギャルゲであってもエロゲではないはずです。
一体どこの世界にエロゲで町おこしをするなんて馬鹿げた話がありますか。ただでさえ情勢が不安定なときに、アニメは18禁でないと言っても、エロ重視で作ることを明言しているような作品ですよ? 癒し系作品であるたまゆらとは作風そのものが違うし、そんなもので町おこしをしようだなんて理解出来ない。品位よりも先に羞恥心はないのかと。エロゲだよ、エロゲ? 双子の近親相姦がメインで、逆レイプとかもあるような作品だよ? 恥知らずにも程があるでしょう。話題になり、金さえ儲かればそれでいいのかと。

なにかの間違いであって欲しいけど、商売人であるスタチャがどう動くか。Sphereもまさか18禁のエロゲを大々的に広めようなんて思わないだろうけど、大きな話というのは時として人に冷静な判断力を失わせ、目先の損得のみを考えがちにさせますからね。奥木染のモデルは寒村というほどではないですが、特になにがあるわけでもないですし、町おこしの機会があれば飛びつきたい心境なのでしょう。正直、あんな立地の悪いところでなにが出来るわけもないと思うけど、その努力をするのが地元民ですから。
そういや、ヨスガノソラスレには聖地住まいの地元民がいたはずだけど、その筋から情報を訊き出せないのもかな。近々祭りがあるとかいう話ですが、今回の件が杞憂に終わればそれに越したことはない。
アニメ効果でコンプエース版ヨスガノソラのコミックス第1巻が売れまくっているらしいですね。秋葉では完売した店舗が続出しており、amazonなどのネット書店でも手に入らないとか。発売から約5ヵ月経っての完売というのはなんとも感慨深いですけど、あのときはアニメ化発表の件で荒れまくってたからなぁ。原作よりのコミカライズだから、アニメから入った人がどんな感想を抱くかは分からないけど、私はコミカライズも好きですよ。水風天の絵柄は、ヨスガノソラによく合ってると思うし。

さて、現在売り切れ中のコミックス第1巻ですけど、主要店舗で買えないからといって諦めてはいけません。もちろん、完売したこととアニメ放送中という事情を考えれば、すぐにでも重版は掛かると思いますが、それでも待ちきれないという人には以下のサイトがお勧めです。

URL:http://www.kadokawa.co.jp/comic/bk_detail.php?pcd=201001000189

他でもない角川書店のサイトであり、コミックスを刊行している出版社の通販になります。さすが、大元だけあって在庫も潤沢なのか、それとも単に角川のサイトで売ってることをみんな知らないだけなのか、とにかく在庫があります。
私は休載を除いて毎月コミカライズのレビューを書いてますけど、コミックス版は背景や小物など、コンプエース掲載時よりも修正が沢山されているので、比較的読みやすくなっているかなと思う。各話の感想については、過去日記を検索してくれれば普通に出てくるはず。まあ、サイトの方に直リン貼ってるから、気になる人はそこから飛んでみるのもありです。現在12話だったかな? ほとんど佳境に入ってますし、2巻完結もあり得ると言われていますけど……そうそう、コミックス第2巻の発売日が正式に決定したみたいですよ。角川のページにはまだ載ってないですが、なんとか年内刊行にこぎつけたみたい。
発売日は12月24日で、世間的にはクリスマス・イブってことになりますね。イブに発売だなんて随分とロマンチックですけど、1巻が早売りしたこともあるし、発売日通りに刊行されるとは限らないので注意が必要かな。私は特典欲しさに1巻を6冊も買った人だけど、アニメ化作品ともなれば特典付ける店舗を増えるでしょうから、前回以上に集めるのが大変かも知れない。

コミカライズはアニメと違って、基本的に原作の内容に準拠しつつ、それを限られた話数の中で表現するために上手くまとめ直しています。引っ越しのシーンをカットして、1話の段階で主要キャラの顔見せをするというのはアニメと同じですが、見せ方がやっぱり違うよね。最初にカラーページで穹の3サイズ測るシーンを描いて、掴みとしてはアニメのそれと大差ないように思う。話の展開も主要キャラを登場させつつ、キーキャラクターである奈緒を全面に出すことで、第1話から穹による拒絶を行わせています。
「なんであんたがここにいるの!? 早く出てって!! 二度とこの家に来ないで!」
豪快と言うより爽快さすら感じる穹の叫びですけど、コミカライズの穹は強引に奈緒を追い出そうとするなど、奈緒相手には基本的に強気の少女です。
「ホラ早く! もう私たちの前に顔を見せないでよ!!」
塩でも撒いとけと言わんばかりの対応に、さすがのハルも感情を高ぶらせて、ついつい穹を怒ってしまい、なんと第3話まで2人が和解することはありません。第2話は瑛との繋がりを深める回だったから仕方ないにせよ、穹と喧嘩したままという流れに不満を憶えた人も少なくなかった。私もその1人だったけど、そうした引き延ばしがあったからこそ、あの第3話における和解や兄妹の絆が際だったんだよね。私のお薦めは、第3話「守るべきもの」になります。
瑛と渚さんの話の進め方も非常に上手く、深い設定を敢えて削除することで、2人のシナリオを綺麗に纏め上げているのが印象的ですね。アニメ版のハルはしきりに瑛が一人暮らしの理由を訊いて回っていますが、コミカライズだと瑛があっさり理由を告げて、さらに自分は寂しくないと断言することで、ハルにその達観した部分を示します。ハルが穹の大切さを再認識させられたり、コミカライズにおける瑛の役割は結構大きい。逆に渚さんは自分たちの問題に絡んでくるハルのことを嫌っており、アニメ版のように意識しているなどということは皆無です。心の底から嫌っているわけではありませんが、渚さんに対してはなにかと間が悪い彼に対して、相性の悪さもあってか苛立ちを見せることが多い。私はそうした彼女に違和感がなかったし、むしろ渚さんはこういうハッキリとした性格をしている人だと思っていたから、アニメ版よりは好きですね。

詳しい内容はコミックスの第1巻を買って読んでくださいだけど、コミカライズの最大の特徴としてダメイドこと乃木坂初佳が一切登場しません。第1話のカラー絵にも、コミックスの描き下ろし絵にも、存在自体が抹消され、いないこととなっています。やひろでさえ登場したのは一度切りで、しかもほとんど顔見せただけですから、サブキャラを楽しみたいという人には不向きかも知れない。
それに1話とか序盤の方はお色気的なサービスシーンが、主に瑛で目立ったりもしてたんだけど、不評だったのか中盤以降はほとんど描かれなくなりました。そういった意味で、エロ重視で売っているアニメと対照的ですが、本来ヨスガノソラはエロゲでありながらエロが売り物というわけではないので、コミカライズのこうした描き方には非常に好感を覚えます。
水風天が魅せる、もう一つのヨスガノソラの物語。興味のある方は、コンプエース本誌やコミックスなどで、是非読んでみてください。
アニメ版ヨスガノソラ 第2話「アキラハズカシ」
アニメ版ヨスガノソラ 第2話「アキラハズカシ」
アニメ版ヨスガノソラ 第2話「アキラハズカシ」
第1話に比べると、幾分か落ち着いた話になりましたね。奈緒がそれほど出てこなかったというのもあるんでしょうが、スポットが当てられたのは前情報通り渚さんでした。穹の出番が決して少なかったわけではないですが、採寸のシーンを映像として出さないというのは驚いた。放送上の都合でカットされたのか、それとも最初から作っていないのか。先週の引きを考えると、あっさりしすぎというか、どの形でもエロが入らなかったことに肩すかしを食らった人も多いんじゃないだろうか? 私もてっきりサイズを測るところはやると思っていたし、原作的にも良いシーンだったから……なんですかね、原作と同じことはやらない方針なんでしょうか。

予想していたよりもあからさまな展開だったというか、渚さんとの接近の仕方がやや強引だったかも知れない。制服のボタン付けは原作にもあったことですからともかく、出来上がったものを渚さんが届けるというのはおかしな話です。服を取りに言って、丁度穹の制服が出来ていたからといって、普通店は渚さんという他人に預けるでしょうか? お得意様で信用があったのかも知れませんが、渚さんにしたって別にハルは親しい友人というわけでもないのだから、話の流れ、渚さんとの繋がりや絡みの持たせ方に無理があったように思う。
まあ、そういうことも含めて第2話を振り返っていきましょうか。
前回の続きから、深夜ハルの部屋へと訪れた穹ですが、その目的はやはり制服を作りたいので採寸をして欲しいという話でした。上記の通りシーンそのものは描かれずににOPへと突入し、明けたら朝になっていました。携帯片手に登校するハルへ、亮平が親しげに挨拶をしてきます。苗字呼びだったのはともかく、なにせ1話に亮平は出てきていませんから、この登場は結構唐突というか、突然だった。原作をまったく知らず、アニメの公式サイトも見ていない人からすれば、誰だこれという状態だったんじゃないでしょうか。まあ、そんな人がいるのかはともかく、ハルも結構気さくに話していましたね。
「さすが都会者、携帯持ってんだ」
「都会者って……」
「この辺、電波入るようになったのつい最近だからなぁ。持ってんのお嬢ぐらいだわ」
捕捉すると、コンプティークに書いてあった荒川稔久の記述によれば原作にはなかった設定としてアニメの奥木染は携帯の電波がほとんど届かないことになっているらしい。もっとも、亮平の台詞から考えるに今は違うみたいだけど、それでも普及率という意味ではほとんどないんでしょう。このような設定を入れた理由に、携帯というツールによって物事がスムーズに進みすぎてしまうこともあって、逆に不便にすることで人間関係へ微妙な影響を与えるのではということです。別に原作のように田舎だから持っていない、普及していないでも構わないと思うけど、まあ、今時の子供は田舎だろうと携帯ぐらい標準装備なのかな。
ハルが穹に言われてスーパーの特売情報を調べていたのには少々意外でした。穹がその手のことを気にするというのもそうですが、あの大木奈スーパーがネットで情報を流しているなんて……携帯の電波も届かない田舎の割に、変なところで近代的ですね。チラシ配るとかじゃないんだ。
亮平はハルに自分も名前で呼んで良いかと提案し、あっさりと了承を貰います。そして、いざ名前呼びをしようとしたところで奈緒を発見。声を掛けます。亮平は一学年の時、といっても今も一学年ですけど、奈緒と同じクラスだったんですよね。だから、見知った間柄ですし、少なくともお互いを名前で呼び合うほどには仲が良い関係です。そんな亮平の目に、ハルと奈緒の間にある微妙な距離はどう映ったのか。お互いに顔を合わせようとせず、互いの視線が片方に向けば、もう片方は顔を逸らすといった感じです。
「あれ、知らなかった? うち、昔家政系の女子校だったから伝統的に女子の制服は自分でボタン付けするんだよ」
はい、知りませんでした。まったくの初耳です。別に昔の穂見学園が女子校だったからといって問題はないんですけど、だったら当時の男子はどこに通っていたんだろう。奥木染に学校がないから穂見学園に通ってるぐらいだし、それとも昔は学校も結構あって、現在は少子化の波で廃校になったとかそんな設定もあるのだろうか。奈緒関連のイベントってほとんど憶えてないから、実は原作でも説明されてるのかも知れないけど、なんだかおかしな話だ。
亮平は2人の距離感に苛々したのか、強引にくっつけてしまいます。余所余所しい関係というのが嫌いなのか、2人が何故こんな感じなのかを知る由もない亮平ですし、余計なことをするな、とは言えませんよね。そして現れる委員長だけど、やっぱり彼女は自転車通学なのか。というか、自転車通学が認められているなら、ハルや奈緒だって乗っていけばいいのに。そのための穹専用でしょう。まあ、2人乗りは禁止ですけど。
瑛と渚さんが車でやってきて、ハルたちを見つけて途中下車します。さりげなくヴィオラのことに触れていますが、今回の話では特に登場もしませんでした。

その頃の穹はというと、原作と違ってそんなすぐに制服が来るわけでもなく、1人暇を持て余しています。窓から外の景色を眺めたり、ベッドに寝っ転がったり、昼食代わりのポテトチョップコンソメ味を食べたりする穹。携帯メールでハルに「つまんない。」と送ろうとして、送らず破棄していましたが、意外だったのは宛先の登録名が悠になっていたこと。正確には春日野悠とフルネームで登録しているようですが、普通家族の場合って続柄や相性、もしくは下の名前のみとかで入れませんかね? 穹だったらハルのことはハルと登録しそうなものですが、まあ、最新の携帯事情は良く分からないからな。相手との関係や誕生日、職業等まで記入する欄があるとは。最近はこういうのが普通というか、主流なんですかね。
翌日か、それとも違う日か、学校へ行くハルに寝間着姿の穹が文句を言い始めます。
「もう10日……」
「もう来るよ」
「昨日もそう言った」
「毎日訊かれても……鍵、かけとけよ?」
「やだ」
穹は「やだ」より、「嫌」じゃないのかなと思いつつ、1話のラストから既に10日も経っていることに驚きました。注文した呉服屋が遠いのか知りませんが、制服みたいな日常的に使うものに1週間以上も掛かっているというのは、少し不自然なんじゃなかろうか。穹は小柄ですけど、不自然なほど小さいと言うほどではないし、穂見からずっと遠くにある店というわけではないのでしょう? まあ、私は一般的な制服の完成日数なんて知らないけど、僅かに違和感を感じたかも。
しかし、10日か……ハルと穹が奥木染に来たのは6月20日ですけど、そこから学校へ通い出して、1話のラストまでを3日間と仮定します。そこから10日ということは既に7月には入っている計算で、通常ならばさらに10日後には夏休みに突入していてもおかしくはありません。大胆な日数飛ばしに来たなと思いましたが、注意してみないと時間の感覚が掴みづらいね。
ハルが家を出て、いざ歩き出したところに穹の悲鳴が上がります。
「穹っ!?」
「いや! 来ないで!」
もちろんハルのことを拒んでいるわけではなく、自分に近づく何者かに向けての叫びです。暴漢か、ただ事ではない悲鳴にハルは家の中へと飛び込みますが、そこにいたのはヘアスプレーを部屋に撒き散らす穹の姿でした。普通なら害虫でも発生したのかと思うところでしょうが、なんと穹が悲鳴を上げた相手はでした。夏場に現れ、チクリと刺された箇所が痒くなるあれです。人にとっては害虫に違いないでしょうが、迷惑に感じても怖がる人は早々いないでしょう。子供だって蚊に対して怯えはしません。
半泣きになってハルに飛びつく穹は確かに可愛いんだけど、少しオーバー過ぎやしないかと思います。メガマガかなにかにこのイベントがやることは書いてありましたし、原作でも蚊についてのイベントはあるにはあるんですが、ここまで大げさということはなく、そもそも穹は怖がってませんでした。その時点で、アニメの穹は原作の穹と別物なんだなと考えることも出来ますが……まあ、可愛いから良いか。寝間着越しながら、ハルに胸を押しつける辺りが堪りません。

蚊は退治できたのか、なんとか学校へ登校したハル。既にくたくたとなっており、隣席の瑛がマッサージをしてあげます。老人と接することの多い瑛ですから、肩こりや腰痛などの対処はお手の物なんでしょう。効いているのか、ハルも普通に身を任せています。渚さんはあまり馴れ馴れしくしないようにと釘を刺しますが、実際にハルが疲れているのを感じ取ったのか、とりあえずは退きます。しかし、マッサージで喘ぐ展開というのは肩透かし描写としてよくありますけど、それを主人公の少年がやってしまうとは。いや、別に喘ぎってほどのものではなかったけどさ。
渚さんは面白くなさそうですけど、3人の会話には興味があるのか時折視線を向けます。蚊の話題については、原作と違ってハルが発生時期や対策等に無知だったのが気になった。別に瑛から蚊帳を貰うというのは構わないけど、原作のように「蚊帳を作ろうと思って」という台詞を入れても良かったんじゃなかろうか。入れた上で、わざわざ作らなくても余ってるのを上げるよと瑛に提案させればいいのですし。後に出てくる蚊帳を貰うシーンもそうだけど、アニメのハルは少し生活面でのたくましさに欠けるよね。
夕方、ハルに電話を掛けようとする穹が映ったと思ったら、何故か日中の体育のシーンへと切り替わる。本当に時間的感覚が掴みづらくなってるんだけど、これはどういう演出なのか。蚊帳を貰っている時点でこの体育が同じ日に起こったことだと判りますが、何故穹だけ夕方なのか。同じように日中でも良いし、どうしても夕方が良いならシーンをずらせば良いだけなのに。
体育では女子がリレーをやっていますが、さすがに山育ちと言うこともあって瑛が抜群の脚力を見せています。あれだけの石段を毎日何往復もしていれば、嫌でも鍛えられるのでしょうね。山の上にも度々入っていたようですし、どん臭さを除けば運動神経は作中随一だと思います。ゴールの際に勢いを付けすぎたのか転んでしまいましたが、その際の渚さんの台詞が気になった。
「保険委員の仕事、増やさないでって言ってるでしょ?」
膝を打った瑛に肩を貸し、そのまま保健室へと連れて行く渚さんですが……はて、渚さんは保険委員でしたっけ? ヨスガノソラって委員長が委員長なのと、奈緒が水泳部所属ということ以外に各キャラクターが部活や委員会等に所属している描写がないはずなので、これまた独自の設定かな。

さて、体育も終わり昼食の時間です。ハッキリいって、このシーンには第2話で一番の失望を憶えたかも知れない。いや、さすがにそれは大げさかも知れないが、何故、瑛は生クリームではなく弁当を食べているんだ!? と、普通に文句を言ってしまった。瑛の分まで弁当を持ってくる渚さんを描きたかったのは分かるけど、私はあの生クリームなるパンがどういうものか、とても興味があったので。生クリームってのはちなみにあれですよ、作中でよく瑛が食べている菓子パンで、ハル曰くメロンパンにクリームが詰まったような、あまり食事には向かないパンらしいです。メロンパンに生クリームといえば、成城石井でそんなパンが売っていますけど、あれはクリームを挟んでいるだけだし、実ものがどんなものか知りたかっただけに残念すぎる。まさか、瑛の生クリーム同好会もスルーされちゃうんだろうか? 別に瑛が弁当持ってくる描写がないわけじゃないけど、瑛と言えば生クリームという感じがしていただけに。本当に、アニメ版は原作における各種設定や描写を崩しに来ていますね。壊しているつもりはないと、プロデューサーであるやまちゅーさんは言ってましたけど。
まあ、瑛の持ってきた弁当がパッとしないのは事実だけど、仮に瑛がまともな弁当を持ってきていたら、渚さんはあの量をどうするつもりだったんだろう。正直、私に言わせれば渚さんだって大した弁当じゃないような気がするんだけど。ご飯ばかりあんなにあってもねぇ。野菜を食えと言うことなんだろうが、むしろ生クリーム食べてる瑛に「そんなものばかり食べて」と、自分の弁当を勧める方が自然だったんじゃないだろうか? 一応、時間がなくて用意できなかったというのが瑛の言い分ですが、瑛だって別に裕福な暮らしをしているわけじゃないし、弁当の中身が貧相ないし粗末なときだってあるでしょう。そこに自分の豪勢な弁当を勧めるというのは、例え日常行為なのだとしても瑛でもなければ嫌みに感じるんじゃないだろうか。
ちなみにハルは普通にパンとお茶で、自宅いる穹はポテトチョップチェダーWで昼食を取っています。なんていうか、ひきこもりとかニートってこういう生活してるのかなぁと、あまりスナック菓子を食べない私は想像してみる。あれって腹に溜まるもんなんですかね? 嗜好品としてはありだけど、食事としてはどうなんだろ。まあ、アメリカとかは夕食がポテチとか普通にあるらしいが。

放課後、掃除の時間に渚さんの物真似を披露する瑛。なにも本人の目の前でやることもあるまいにと思いつつ、これが意外に似てるから面白い。渚さんはチラチラと瑛を確認していますが、そこに委員長がやってきて誰かソーイングセットを持っていないかと訊いてきます。なんでも制服のボタンが取れたとかで、上を体操着に着替えている辺り、胸元辺りが外れたですかね? 下のボタンが一つとかなら、わざわざその場で付けたりはしないでしょう。ちなみに、このシーンの委員長の演技というか、声に少々の違和感を憶えた。まあ、ハルの前じゃなければこんなものなのかも知れませんが、そもそも何故委員長は学校に残っていたんだろうか? 掃除中にボタンが取れて、女子更衣室まで着替えに行っていたとか? もしくは掃除は放課後ではなく、昼食後に行われるのだろうか。あり得なくはないけど、その後普通に蚊帳貰いに行ってるしな……
正直、このシーンが出た時点で穹の制服のボタン付けは、原作と同じように瑛がするものだとばかり思ってました。奈緒の印象が強いけど、実は瑛ルートだと彼女がしてあげるんですよね。その際に穹とも再会して、打ち解けると言うほどではないにしろ心を開いたりと、距離を縮めますし。
委員長の制服をあっという間に直した瑛だけど、同じようにYシャツのボタンを直してくれまいかと頼んできた男子に、断りこそしなかったものの少し微妙な表情を、言ってしまえば嫌そうな顔をしたのは何故だろう? 普通に考えれば同性である女子はともかく、異性である男子のは嫌だと、そう思うことはごく自然です。ただ、瑛は基本的に男女関係なく人付き合いをしている娘ですし、それは亮平との仲の良さからも分かります。若干性格設定に変化があったのかな……と思ったら違いました。なんと、瑛はトイレを我慢していただけで、続く申し出に焦っていただけでした。渚さんが強引すぎる助け船に乗せて連れ去ったから良いものの、彼女がいなければ無理に続けていたのだろうか。
亮平や委員長も気付かなかったことですが、ゴミ出しでトイレの近くを通りかかったハルだけはなんとなくですが事情を悟ります。ただの偶然ですけど、確かに渚さんの為人を観察しているのだろうね。

瑛から蚊帳を貰うシーンは、ハルが神社へと足を踏み入れるシーンでもあるのですが、何気に全景が移っていましたね。大分長い石段の上にありますけど、見事な境内はモデルとは比較にならないほどの大きさと広さです。なにせ、社務所兼自宅が結構なサイズですし。なんか、神楽殿が小さく見えてしまうや。
ハルを置いて先に石段を登り切った瑛は、いつの間にか巫女服に着替えて登場します。早着替えなのか、それともハルが登るのに時間を掛けすぎたのかは分かりませんが、巫女服に新鮮さを憶えるのはともかく、頭の上に乗った猫の師匠はスルーなんですね。興味は持ったようですけど、関心がすぐに巫女服から垣間見える胸元へと移ってしまったので、結局ハルは触れず終い。原作にもあるシーンだけど、瑛はこういう無防備さが良いよ。話を逸らすため、貰い物をする以上は家の人にもお礼をとハルは言うのだけど、ここで瑛の一人暮らし設定が明らかになります。驚くハルですが、今さらのことなのでサラリとしている瑛。この際、神社の全容が分かりますけど、角度を変えてみると神楽殿も結構大きいね。というか、正面から見たときと若干違う気がするのは何故だろう。
ハルが瑛の一人暮らしだという話に興味を抱いたのは、好奇心ではなく自分が最近親を亡くしたからでしょう。瑛の場合は少し違いますけど、親がいないという意味では同じですし、親近感ではないにしろ思うところがあったのでしょう。帰りに伊福部商店にも寄って、コミカライズでは1度切りの登場だったやひろとも出会いますが、その粗雑な態度に押されますが、ハルは別に興味本位で首突っ込んでるわけでもないと思うんだよね。前述の理由もあるし、仲が良いといえるクラスメイトの身の上に自分と近いものを感じれば、気になったりもするでしょうよ。ある程度の事情を知っているやひろはハルを突き放しますけど、果たして彼女は今後も出番があるのだろうか。まあ、合ったとしてもCパート要員になりそうな気はするが。

伊福部商店でアイスを買ったハルが自宅への道を歩いていると、そこに車へ乗った渚さんが声を掛けてきました。
「丁度よかったです」
「渚さん」
「今、お電話しようかと」
あっさりしてますが、ここは結構重要です。何故ならこの時点で渚さんはハルの携帯ないし自宅の番号を知っているということになります。そしてわざわざ携帯を見せていることや、最初にあった亮平の発言を振り返るに、渚さんが知っているのはおそらくハルの携帯の番号でしょう。ハルが同じように渚さんの番号を知っているかは知りませんが、自分の番号だけ教えたとも思えないし、番号やメルアドの交換はしているということだろうか。さして仲がいいわけでもないのに、普通そんなことをするのかな……まして、携帯が普及していない地域なら番号を交換しあうという文化がないでしょうし、いや、ないからこそ瑛辺りがやって見せてと実演させたとか? ありそうな話だけど、なんかしっくり来ませんね。
渚さんの車に乗せて貰ったハルは出来上がったという穹の制服を受け取りますが、それについては一番上の方で書いたとおりです。ついでにしては不自然すぎる。
ここでハルは自分から見た渚さんの人物評を披露します。厳しそうに見えた第一印象も、本当は優しいんだよねと、そんなことを言い出します。
「天女目のこと、いつも怒っているように見えて、本当は凄く気を使ってあげているでしょ?」
「どうして?」
見抜かれたことに渚さんは驚きを隠せないようですが、次のハルの言葉が彼女の心を揺さぶります。
「ずっと見てたから、なんとなく分かったんだ」
「ずっと……」
「君は、凄く優しい人だよ」
ハルは別に渚さんを口説いているわけじゃありません。ありませんが、ずっと君を見ていた、君は優しい人だなどといわれて、動じない女子がどれほどいるのでしょうか? さすがの渚さんも頬を赤らめ、気をよくしたのか、「はじめて……そんな風に言われたの」と、PVにもあった台詞を呟きます。何度も言いますがハルは渚さんを口説いているわけでも、甘い言葉を囁いているわけでもありません。しかし、悲しきかな、ここで渚さんはある種の勘違いをしてしまうのです。ハルが見ていたのは瑛と渚さんであって、渚さん単体ではないのです。現に今のハルは、瑛の方に関心が向いていますし。
瑛の親友である渚さんならなにか知ってるかも知れないと思って尋ねたんでしょうが、さすがに渚さんの口は重かった。
「詮索はなさらないで……瑛のためにも、私のためにも」
自分が瑛の件に関わりがあることを僅かに漏らしていますが、この台詞で重要なのは「私のためにも」と自分を加えて渚さんが喋っていることです。確かに彼女自身の問題ではあるにせよ、それは公にして良いことでも、他人に吹聴するようなことでもありません。変に詮索する隙を与えないためにも、このとき渚さんは単に「瑛のために詮索はしないで」と言えば、それで済んだはずなんです。では、どうしてわざわざ自分を加えたのか? それが渚さんの勘違いであり、渚さんは他でもない自分に気を使うようにハルへ要求しているんです。自分のことを見ていたというハルが、少なからず自身に好意的なものを持っていると思いながら。もちろんハルが渚さんに好意を持っているのは当然ですが、それはあくまで友人レベルのことであり、恋愛感情などではありません。このときも、特に彼女を意識していませんでしたし。

帰宅したハルに渚さんが制服のボタン付けを買って出たのは、彼女がハルに好意を抱いているからで、相手も同じであると信じていたからでしょう。だからこそのお節介焼きであり、ハルの家を見てみたいという想いも合ったのかも知れません。月見山さんが難色を示したのは、家の用事もあるのでしょうが、その前に男の家に一人で上がらせるなよと。ボタン付けの時点で親がいないことは判ってそうなものなのに、友人付き合いには干渉しないのだろうか。まあ、月見山さんは父親の秘書であって、執事ではないからな。
表で渚さんと話すハルを見た、穹の不満そうな表情といったら。いきなり黒塗りの高級車で送られてきたわけですし、驚いても良いと思うんだけど、驚く暇もない展開という奴でしょうか。春日野家へと上がり込んだ渚さんは早速作業へと取りかかり、ハルに優雅だと称されます。襖の隙間からそれを覗く穹は、なにかをぬいぐるみへと呟きながらため息を吐きます。ここで渚さんの庶民アピールが炸裂し、アイスを食べる2人。穹も貰ったのか、それとも常備されていたのか分かりませんが、冷蔵庫の前で1人食べていました。正直な話、穹は渚さんを叩き出しても良かったと思うけど、なにせ相手は知らない人ですし、顔を出すのも嫌だったんでしょう。アイスの話に移ったときの、穹の表情と言ったらないね。アイスも結局ダメにしちゃったし、渚さんの存在に苛立ちを憶えていたのは間違いありません。
出来上がった制服を穹がすぐに受け取らなかったのは、彼女なりの意地でしょう。表情からは、尋ねてきた女がハルとどれほどの仲、関係なのかということを必死で考えているようでした。ハルに訊けば早いのでしょうが、そんなことが出来るはずもなく、結局は一人で悩む羽目に。夜中に一度、制服に目をやる穹が出てきたときは、てっきりボタンを引きちぎって自分で付け直すのかと思いきや、さすがにそれはしなかったらしい。意地は見せても、抵抗は出来なかったか。

翌る日、制服姿の穹をハルが絶賛しました。ハルに褒められることが嬉しいのか、穹も素直に喜んで、とりあえず昨日のことを引きずっている様子はありません。通学路を行く中で亮平に遭遇しますが、そのテンションとノリに怯えてしまい、ハルの背中へと隠れます。私は結構亮平が好きなんですが、こういうノリが好きじゃないって人もいるよね。瑛に比べれば、分かりやすいほど無理してますけど、これが彼なりの気遣いなんだと思う。
よっぽど瑛のことが気になるのか、亮平にも同じ質問をするハル。まあ、尋ねた人の態度が全員あんなでは、余計に気になるというのも無理はないのかも知れない。他の女の話題を口にするハルに穹は朝から不機嫌になり、「なに、お前。瑛に気があんの?」という亮平のツッコミに動揺を見せます。そういうわけでは決してないから、ハルは呆れつつも流すけど、あるいは亮平はわざとだったのかも知れない。彼だって瑛とは子供の頃からの付き合いですし、そもそもあの神社に神主の爺様がいたことは知っているはずです。その辺の事情を無視して、すぐに穹の席へと話を変えたのは、やはり彼なりに瑛のことを考えて、なのだろうか。いや、それこそ考え過ぎかな。
結局穹は原作と同じく違うクラスになりましたが、席の話が出たときは嬉しそうだった表情も、教壇の上では複雑なものになっています。コミカライズと違って、担任は女性なんですね。というか、この人も眼鏡なのか。ハルの担任やクラスメイトも眼鏡だけど、穂見学園は眼鏡率高いな。きっとスタッフで好きな人がいるに違いない。ハルとクラスは違うけど、席が同じ位置というのは良い演出かな。もっとも、窓際の隅は転校生の定位置なのかも知れないが。
クラスで窓の外を眺めるハルと、欠伸をする渚さん。昨日か春日野家を訪れた際、時刻は5時頃でしたけど、しきりに月見山さんが時間を気にしていたということは、夜からなにか用事があったに違いありません。父親の付き合いで会食か、いずれにせよ時間が掛かるものだったのでしょう。それこそ、プール掃除で使用するスク水を忘れてしまうほどに。
ところで制服が着たばかりの穹だけど、体操服や水着はもう持っているのね。これらは制服とは違う場所で買うんでしょうが、なんか腑に落ちない。

上に体操着を着ているとはいえ、水着姿を晒すのに恥じらう穹は可愛いね。野郎どもの歓声が上がり、亮平もテンションを上げますが、対照的にハルの表情は厳しい。
「変なことをしたら泣くまでくすぐるからな」
不機嫌そうな物言いは、穹が注目となっていることに対してか、それとも品のない視線や声を向ける男子に対してか……おそらく両方でしょう。まあ、要するに周囲の反応に嫉妬したんですね。
委員長から散水のホースを奪ってはしゃぎまくる瑛というのは予想通りだったけど、ここで一つ意外というか、驚いたことがある。第2話の時点で瑛と穹が会話をしてないのですよ。前回の予告映像に騙されたというか、絶対に会話してさっさと仲良くなると思ってだけに、水をぶっかけられるだけとは思わなかった。しかも、それで穹の出番終わりだしね。何度か穹の話題は学校でも上がっていたはずだけど、瑛がそれに反応することもないという。穹にとってはハル以外で唯一の味方なのに、渚さんとの繋がりを強調するために省かれたのかも知れない。
散水中のハルはなにをやっていたんだというツッコミはともかく、穹が水圧で倒されたときは駆け寄って欲しかったな……プールの底って固いんですよ? 頭でも打ってたら大変じゃないですか。はしゃぐシーン自体は良いんだけど、瑛に倒されただけって。
瑛を静止しようとする渚さんですが、振り和されていたホールの水を浴びて全身びしょ濡れに。その際に携帯が吹っ飛ぶんだけど、よく壊れませんでしたね。衝撃はともかく、水の直撃を受けたのに。
水浸しのままでは制服が透けて宜しくないと、責任を感じた瑛は渚さんを更衣室へと連れて行きます。そのときハルが渚さんの携帯を発見し、自宅からの着信ということもあって届けにいくんですが……いや、委員長にでも頼めばいいじゃない。自宅からの連絡で、火急の用事かも知れないというのは分かるよ? でも、女子更衣室へ行ったことは判ってるんだし、わざわざ行くことはないじゃないか。覗きが、その類に思われちゃうよ。しかも、聞き耳とはいえ実際にその手の行為をしてしまったし。
ハルは聞き耳立てた女子更衣室の会話から瑛と渚さんの姉妹関係を知ってしまうわけだけど、この辺りはコミカライズの方がまだマシだったかも。更衣室というエロいシチュエーションを出すためとは言え、今回は全体的に唐突で強引な展開が目立った。面白くないとは言わないけど、1話ほど感じるものが少なかったのも事実です。

第3話はいよいよ渚さんがヒロインとして台頭してくるようですが、次回予告の台詞は聞き捨てならない。
「何故かしら、私、気付いたらあの方とあんなことや、こんなことを?」と言っていますが、あの方がハルであることは間違いないとして、一体どんなことをしたというのか。更衣室っぽいところでの絡みは肌の色から考えてハルではないでしょうし、僅かに見える布地は短パンのそれではないので、瑛じゃないかなと。組み倒されているのは、渚さんでしょうけど。委員長以外で、あれを使って情事に及ぶとは……
多分、渚さんのそれは妄想じゃないのかな。一緒に電車へ乗るというシチュエーションがまず分からないし、なんか違う気がする。ただ、渚さんの話自体はサブタイトルから考えて4話までやるはずですし、来週である程度の方向性は見えてくるかも知れない。果たしてハルの貞操は守られるのか、それだけが気がかりです。
ハルキノソラ(仮)出張版 in 徳島マチアソビ Vol.4
ハルキノソラ(仮)出張版 in 徳島マチアソビ Vol.4
徳島県は徳島市、マチアソビ内で開催されたハルキノソラ(仮)徳島出張版を見てきました。このイベントのために首都圏から四国まで遠征したのは私だけでしょう。マチアソビ自体は町興し色の強いイベントのはずだけど、参加しているのはやっぱり地元民が多いようで、私のように遠くから、という人はあまりいないように思えた。もっとも、私がいたイベントステージの辺りがそうだっただけで、眉山の林間ステージなどは遠征組でごった返していたのかも知れないけど。

新幹線と特急を5~6時間掛けて乗り継いで、現地に着いたのは13時頃だったかな? 別に四国や徳島に偏見があったわけじゃないけど、駅前にそごうがあったことにまず驚いてしまった。百貨店好きとしては立ち寄りたかったものの、行きも帰りも結構時間がおしていたので断念。すぐにハルキノソラが開催されるという新町橋東公園へと向かいました。駅からの距離はそれほどでもなく、正面の大きな道を通っていけば良いだけだから、迷うということはなかったですね。ただ、首都圏が明け方大雨だったのに対して、徳島は最高気温が27度と完全に夏日で、日光も強かったからそうした温度や気候の変化には少し戸惑った。電車乗ってるときから分かってはいたけど、日差しが照りつけてるんだよね。気温自体は事前に調べてたから、薄着になろうと思えば出来たんだけど、あまりの日差しの強さに半袖にでもなったら日焼けしてしまうと、結局長袖で過ごしていました。まあ、上着はさすがに脱ぎましたが。
新町橋東公園というのは所謂一般的な遊具のある公園とは違う、しんまちボードウォークという川の隣にある道に作られた、小さなフリースペースのような場所でした。階段状の座席があって、本来なら川を見下ろす形になるんですかね? 下に超小規模なステージ部分があるという感じだったんだけど、川の水位が上がると機材に水がかかる可能性があるとかで、実際のステージは客席の横に作られるという、なんとも角度的に不自然な感じでした。私が着いたときは東方の曲を演奏しているバンドがいて、どうにも大阪から来たらしいのだけど、地元民があまりテンションを上げないのか、イマイチ乗り切れていない部分があったと思う。次に出てきたアニソンのコピーバンドも同じで、こっちは選曲は良かったんだけど、肝心の歌がちょっと……という感じで。下手ではなかったんだけど、時折声の出ていない部分があって、それが残念だったかなと。

そして始まったハルキノソラ(仮)、出演者はメインパーソナリティであるハルキングは当然当然として、以前ゲストに来たことがあるプロデューサーのやまちゅーさんや、音響担当の納谷さんの3人という構成でした。正直、声優でもなんでもない制作スタッフのイベントですし、私もどれぐらいの人が集まるのだろうと思ってたんだけど、参加者自体は多くもなければ少なくもないという感じでしょうか。ヨスガノソラのアニメは四国では放送されてないけど、意外に見たという人もチラホラいましたね。
OPトークは出演者の自己紹介と番組紹介、それにヨスガノソラの紹介から始まりました。この部分は今さら触れることでもないので割愛しますが、話すよりも見せた方が早いと言うことで用意していたPVが、再生デッキとの相性の悪さから披露することが出来ず、結局は納谷さんがあらすじを説明することに。奥木染の自然は眉山のそれに通じるものがある、というのはさすがに苦しいと思うけど、製作側としては聖地というかモデルの存在はなるべく明かしたくないみたいですね。最近は聖地を積極的に公開して、地元とのタイアップを図る作品もありますが、ヨスガノソラの場合はそうじゃないらしい。少なくとも、公式として明言するつもりはないようです。
さて、TVアニメも1話が放送したと言うことで、まずはAT-X版とMX及びB11版で放送したものが違うことについて触れ始めました。内容が内容だけに流せないと言い切ってしまうと話が終わってしまうけど、やまちゅー曰く「AT-Xは課金制なので表現を大きく放送することが出来た」とのこと。しかし、それにも例外はあるらしくAT-Xにすらごめんと言われた箇所がいくつもあるらしく、商品版にはその部分がかなり再現されるので楽しみにして欲しいとのことです。つまり、AT-X版もまた完全ではないと言うことですね。

ハルキング「納谷さんとも一回真面目なところで相談しましたけど、やっぱり絵もそうなんですけど音もそうじゃないですか?」

納  谷さん「大分悩みましたね。あれはダメ、これはダメ、ここまではダメ、こっからはOK」

新事実と言うほどのものではないですが、アニメ版ヨスガノソラは音響関係に関しても規制や修正と戦っているらしいです。

納  谷さん「真剣にどこまでいけるかっていうのはやりましたね」

ハルキング「やりましたね。本当に協議した上で、商品はここ、AT-Xはここまで、MXやBS11はここまでというのは1回規準を引いてからやってますね」

納  谷さん「音の最後の作業、ダビングって言う効果音とか、台詞も全部入れて決定する作業があるんですけど、大体1パターン完成すれば終わりなんですよ、普通は。なんですけど、ヨスガに関しては結局何パターン作ってるんだっけ?」

やまちゅー「多いときは3~4パターンぐらい?」

納  谷さん「で、色々確認していただいたりとか、ここまでやらせてもらえないですか! みたいなことをやりながら進んでいますね」

やまちゅー「だから、今後皆さんにご覧頂ける回も、あれ? MXとBS11ここBGMだけじゃないか、みたいなことがあったり」

納  谷さん「あれ? って思うことは多々あると思います」

1話に関してはCパートのみに変更があるだけで、ABパートにおける音の表現はどの局で放送したのも同じらしい。これが2話以降から徐々に差や違いが生まれてくるとのことで、視聴者は映像だけでなく音響部分にも注意して聴かないといけないわけですね。この音の修正や変更というのがどれぐらい珍しいものなのかは知りませんが、1つの話に3~4パターンも存在するというのは、やはりそんなにあることではないのでしょう。私はBS11は観られませんし、東京MXは映りの悪いアナログなのでまともに観られるのはAT-Xだけですが、複数局で視聴可能という方は、その違いを調べてみるのも面白いかも知れませんね。

次にゲストトークと言うことで、納谷さんによるハルキングへの苦情。元々パーソナリティが本業じゃないんだから、トークや仕切りに問題があっても仕方ないと思うんだけど、それでもたった15分の番組を収録するのに3時間も掛けたというのはねぇw 一応、ハルキノソラは内輪ネタのスタッフラジオなわけだけど、今後は声優にもスタッフの一員として出演して貰う予定らしい。そのままお便りコーナーへと移って、1話放送終了後の視聴者からの感想や、関係者からのコメントを読むとのことなんだけど、実はこの時点でまだ前置きだったりします。公式サイトやパンフレットに書いてあることなんですが、何故かハルキノソラだけイベント終了時間についての表記がなく、どうしてかバンドライブの間に収まってしまったという。しかも、結局イベント自体は1時間近くやっていたので、今日やった中では最長だったんじゃないだろうか。

ゲストに10の質問コーナー
番組でもお馴染みのコーナーですが、コーナーをそのままやるわけではなく、今まで投稿された中で読み切れなかった分をヨスガノソラのBGMに合わせてお届けするという感じでした。そこで納谷さんから提案があり、メールは読むとしても早めに切り上げ、折角なのでこの場に来ている参加者から質問を募ってはどうだという、イベントならではの展開に。私はステージ目の前に腰掛けていましたけど、この手のコーナーを期待して来た面もあったので、正直テンション上がりました。
まず最初のお便りとして届いたのが、監督からのもの。納谷さんは一瞬、監督というペンネームなのかと思ったそうですが、他でもないヨスガノソラのアニメを担当している高橋丈夫さんのことです。今まで読み切れなかったお便りを読むと良いながら、いきなり関係者のコメントを持ってくるのが如何にもハルキングらしいですねw ちなみにコメントの内容はこんな感じ。

監督「本編鋭意進行中です。一葉のヴィオラだったり、瑛の神楽舞など、実際に演者さんを撮影してから作業をしています。細かい部分にも拘っていることも気にして貰えたらと思います」

捕捉すると、OPで渚さんがヴィオラを演奏しているシーンから、既に実写を元に描いているらしいです。プロの演奏者をスタジオに招いたり、神楽舞の先生を呼んで、わざわざ巫女服で舞って貰ったりと、相当な気合いを入れているみたいです。サラリと言っていますが、どうやら神楽舞はアニメでもやるみたいですね。まあ、コミカライズでもやりましたから瑛を象徴するシーンの一つではあるんだけど、あのクオリティで描くのなら結構良いものを観ることが出来るんじゃなかろうか。
ここでやまちゅーさんが細かい部分の一つとして、OPとEDに繋がりがあることに触れました。

やまちゅー「OPから本編エンディングの写真の部分、気付いた方いらっしゃいますか? OPで穹が写真を手でサッとやると穹と悠が消えるんですよ。それが挿入歌の一番最後のカットの写真になっているんです」

私もつい先日気付いたんだけど、言われてみればそう考えるのが自然だったかもしれない。なんとか自力で気付くことが出来たのは良いとして、確かに細部での拘りは多岐に渡っているようですね。なまじED映像がハルと穹を中心に構成されているだけに、違和感を憶えずに観てしまう人が多いかも知れない。私も最初はそうだったし。
ここで話は一般リスナーからの質問に戻り、一度本放送でもあったゲストの好きなキャラは? というものになった。納谷さんの瑛好きは相変わらずだったけど、ここで放送時は全員好きだと言ってお茶を濁していたやまちゅーさんが、自身がツインテール好きであることを告白。シスプリとかが好きだったらしく、なので穹のことは結構気になっているらしい。作中、原作では髪を下ろしている恰好でもツインテールなのは、やまちゅーさんの趣味とかじゃないよな……? でも最近じゃ、初佳のダメっぷりも好きになってきたらしい。初佳はアフレコが進みに連れて段々と好きになってくるキャラだそうだ。
そして同じく誰好きかをぼかしていたハルキングだけど、今日のイベントでは僕は穹ですと即答していた。

ハルキング「本編のEDを観たとき、これは守ってあげないと、と」

やまちゅー「本編のEDは、ちょっと穹可哀想だよね。」

納  谷さん「確かにアレは惨いと思う」

やまちゅー「ちっちゃい頃にみんなに会ったら、なんかお兄ちゃんが誰かになんかされているのを覗いちゃったり、と思ったらお父さんとお母さんが死んでたり。お葬式のシーンになって号泣してて」

ハルキング「最後の左下の自転車のカットだけ観て救われますけど、あれは確かに可哀想だなぁと」

ハルキングは基本的に妹派だと納谷さんに突っ込まれつつ、それを無理やり流して会場の参加者からの質問コーナーへ。私は当然手を上げたけど、先に手を挙げた御仁がいたのでまずはその人の質問から。確か、アニメ本編の構成についての質問で、通常はAパートとBパートのみをTVで流し、CパートはDVDなどの特典として入れることが多いのに、ヨスガノソラは何故TV放送でCパートも流しているのか? みたいな感じ。これに関してのやまちゅーさんの答えは以下の通り。

やまちゅー「そう理由はないんですけど、ちょっと多く流したいなぁと。全部のキャラクターの魅力を見せたいというのと、色んな限界に挑戦というところで放送局に本編を削りたくないんですけど、増やして流すにはどうしたらいいですかと?」

納  谷さん「無茶苦茶な要求ですよね、よく考えると」

やまちゅー「無理って言われたんだけど、それにお付き合いをしてくれるところで頑張って流させていただいたということで」

ヨスガノソラの放送局が少ない理由は色々ありますけど、放送時間の長さというのも一つのネックになっているらしい。だったらCパートなくていいじゃんという人もいるだろうけど、まあ、それこそ大人の事情という奴だよね。イベント終わった後に訊いた話だと、絵コンテ送った段階で断られたというケースもあるらしいし、理由はやっぱり局によって違うそうです。
Cパートはやはり本編と切り離して考えているらしく、原作がシリアスな面も多く、飛び抜けて明るいというわけでもないから、そういった部分を補完する意味も兼ねているとか。

やまちゅー「TV放送って枠の中で、ヨスガノソラってものを全部だそうと思ったときに、シリアスな話の中で急に明るい部分があるって言うのはお話しとして成立しないし、かといってそれを抜いてしまうと足らなくなってしまう。そういうところを上手く組み分けるやり方」

放送のフォーマットそのものが違うわけですから、スタッフレベルはおろか放送局でも勝手が違うわけで、そういう意味では限界に挑戦していることになりますね。付き合ってくれたのがたった3局しかなかったのはともかく、妥協して作品の質を落とすよりはマシだと思います。

ここで質問の順番が私へと回ってきたので、予めいくつか良いですか? と断りながら質問してみることに。ペンネームを教えてと言うことで、ハルキノソラ用に使っているゼロと名乗ることに。これ、私の同人誌用のペンネームなんだけどね。

ゼ ロの人「第1話の導入部、原作とは随分違ってハルとヒロインたちの出会いだとか、そういうのが違った理由と、ハルが自転車を買ったという原作にはない部分は何故でしょうか?」

やまちゅー「そうですね、1話ということもあって各キャラクターを出したいというところで、原作のかたひとさん等々含めて話をして、こういうやり方どうですかと話し合った結果、原作とはちょっと違うんですけど、壊すと言うよりは原作の雰囲気は残しながら、各キャラクターを出していきたところでああいう形になったと」

じゃあ、亮平が出なかったのは何故なんでしょうか、という質問を堪えつつ、次の言葉を待つ私。

やまちゅー「で、自転車を出したのは特になにか演出の理由というのはあるわけじゃないんですけど、悠が運転する自転車の後ろに穹が乗って貰うシチュエーションを描きたいなと。凄く綺麗なので。ヨスガノソラという悠と穹が奥木染に行くこと、それで2人で暮らすっていうところに関して、2人シーンを綺麗に描きたいなと言うのがあったので、本当は自転車2人乗りはいけないんですけども、ああいうシーンを作らせていただいたと」

納 谷さん「あの自転車のシーン良いですよね」

やまちゅー「あれは良いですよね。穹が悠にギュッと」

納 谷さん「最初こうね? 掴んでて、掴んでるんだけどキュってやるところが」

やまちゅー「ヨスガノソラの原作とはちょっと違うんですけども、凄く違う描き方をして、上手くできてるかなぁと」

原作の序盤が好きだった身としては、手放しの褒めることが出来ないというのが正直な話です。やり取りや会話、展開や話運びなど、あの辺りをアニメでも観たかった、と思うことが多少はあるから。

ゼ ロの人「もう一つ、第1話でハルと穹のキスシーンが2回ほどあると思うんですけど……幼少期の」

やまちゅー「あー! はい、はいはい」

ゼ ロの人「あの幼少期のっては実際にあった?」

やまちゅー「えー、実際にしたということで、今アニメの方では解釈をさせていただいていますね」

ゼ ロの人「2回目のキスシーンは妄想ですけど、あれはどちらの?」

やまちゅー「あれは悠のですね」

やっぱりハルの妄想だったのか、と自分の予想が正しかったことに頷きながら、では何故ハルはそのような妄想をしていたのか、という質問を投げるかどうか迷っていました。その答えは違う形でイベント終了後に貰うんだけど、少なくとも第1話におけるキスシーンはハルがしたことと、しようとしたことになります。この時点で、ハルと穹の関係性が一面的ではないことが窺えます。
今後の展開についての質問はしても良いのかと訊いて、これまた予想通り難色を示された。全体のシリーズとして特殊な作り方をしているので、2話以降を見ていただきたいと言うことらしい。そこで視点を変えて、例のBDとDVDにおける収録話数の違いについて尋ねてみた。

やまちゅー「あー、それも前の質問と絡んでくるから。Twitterにも書いたけど、どこかのタイミングで発表はさせていただきますという感じなので。ただ、変わったことをしています。今までにないことをしているということは、皆さん理解していただければなと」

さすがに聴き過ぎと言うこともあって自分から質問打ち切ってマイクを返したんだけど、他に質問ある人というのがいなかったから、折角なのでもう一つだけ確認しておくことに。ハル×穹好きとしては、これが一番の収穫だったかな。

ゼ ロの人「OPの映像で、電車のシーンに切り替わったとき、色々なハルと穹が出てきますが、一つだけ原作のFDの衣装を着ている2人がいるんですけど、それはそういう、そこまでやるみたいな流れというのはあったりするんですか?」

やまちゅー「あー、なるほど。一応、ヨスガノソラというタイトルでアニメにはしてるんですけど、FDはもう出ているので、そこもちょっと描ければなぁというところはあるんですが……ヨスガノソラがメインのアニメということで、楽しんでいただければ」

話せること話せないこと、それは断然後者の方が多いわけだけど、話してしまうと面白くないという作りをしていることもあってか、なかなか言えることが少ないらしい。さらに今回は宣伝方法も事前にあらすじを出していないため、例えばアニメ誌を見れば判るようにサブタイトルと放送日しか書いてないという状態で、これはスターチャイルドとしては初の試みだとか。他社で先例はあったと思うけど、確かにスタチャではなかったかも。故にあらゆる方面における展開が複雑化しており、それこそ図にしないと分かりづらくなってしまっているとか。期待すべきところなのかは分かりませんが、なにか特別なことををやっているというのは事実のようです。
ただ、ヨスガノソラという作品を全部楽しもうというコンセプトの元に制作はしているので、そう考えると非常にあったやり方ではあるとか。誰しもこういう風にしようかなと思ったけど、なかなか出来なかったことを思いきってやってみようかという、言ってみれば意欲作という奴ですね。

質問コーナーが終わると曲のコーナーと言うことで、ハルキングが作ってきたというツナグキズナのフルバージョンをアニメ本編の映像でPV風に仕上げてみたという動画を見ることに。詳しくは言えない約束だけど、穹が多くて超可愛かったです。ただ、楽曲のフルバージョンを利用している関係で簡単に紹介が出来るものでもなく、BDの特典等に収録されるかも未定という、もしかすればマチアソビ限定公開の映像だったのかも知れません。
次に音だけですが比翼の羽根のフルバージョンも流れて、少しeufoniusについての話も。曲を作るにあたって、菊地創とはかなり入念な話し合いをしたらしく、何回もの修正や変更の末に完成したのがこの楽曲らしい。巷では結構好き嫌いが分かれるという意見を聞くけど、私は別に嫌いじゃないですね。ツナグキズナの方が好きと言うだけで。
時間が経つの早くエンディングに突入し、放送情報や商品情報の宣伝タイムです。放送情報は書くまでもないとして、BDについて。今のところは4話収録としか言えないんだけど、添い寝CDに関しての説明がありました。要するにソイネノソラの拡大版というか、あれを各ヒロインの分も出したいと、そういうことらしい。コンセプト的にはありなのかもしれないけど、あれは穹だから通用したという側面も否定できないのではないか……他のヒロインじゃ、まずハルと一緒に暮らしていない時点で添い寝のしようがないし。あるいは極力固有名詞を出さずにハルを対象にしたものじゃないのを作ってくるつもりなのか。単なる二番煎じに終わらなければ良いんだけど。

最後にジャンケン大会があったので、参加して番宣ポスターをゲットしました。これが手に入っただけでも徳島まで来た甲斐があったと思いつつ、ハルキング等と少し話ながらスタチャブースへ。どうにも私、毎回投稿しているためか憶えられているらしい。スタチャのブースではヨスガノソラ第1話のAT-X版の上映会をやっていて、私はそれを見てから帰ることにしました。Cパートになったら音量を下げたり、子供が通る度に停止ボタンを押したりと、終盤色々と危うかったのですが、外で見るヨスガノソラも楽しいもんだ。
上映会終了後は再びハルキング、やまちゅーさんなどと話して、聞きそびれていた質問をいくつかしたり、ハルキングがとあるコスプレメーカーに作って貰ったという穹の黒うさぎぬいぐるみの写真を撮ったりしていました。BDの特典につくのとはまた違う、単純に作って貰っただけのサンプル品なんですけど、これが凄く良いのよ。手触りとか、私が望んでいたとおりのものっていうの? 等身大の黒うさぬいぐるみは原作元も企画していて、私はそっちのサンプルも触ったことがあるんだけど、断然スタチャが持ってきた方が出来がよかった。記事といい形と言い、再現しようと思えばここまで出来るものなのかと素直に感心してしまったもの。
イベント終了後に直接訊いた質問は、かなり際どいものもあるので私の胸の中にだけしまっておくことにします。相手もそうしてくれるだろう思って色々答えてくれたんだろうし、それは裏切れないからね。あぁ、でも一つだけどうでも良い質問とその答えがあるけど、ピンキージョーンズにおける豚の蹄と尻尾の生えた奈緒は単なるギャグだそうです。あのED映像というか、Cパートそのもに深い意味はなく、完全にはっちゃけて作っているらしい。そりゃ、そうだよなぁw

イベントと上映会、それにちょっとした雑談を終えた後は、すぐさま徳島駅へと戻って帰りの電車に。記憶が新しい内にと今日のイベントの内容を事細かにノートへ写すことに。私、記憶力だけは無駄に良いんですけど、それでも上記イベントの内容が完全に正しいとは断言できません。いえ、流れ自体はこの通りのはずなんですが、例えば個々人が言った言葉とか、実はこの発言は違う人が言ったとか、テープ起こしならまだしも記憶起こしですから、ちょっと確証が持てない部分もある。そこら辺はご容赦ください。後、転載も止めてください。最近、多いみたいなので。紹介する分にはいいんですけど。
なんですかね、日帰りで四国って行けるもんなんだと思いつつ、ヨスガノソラ好きとして色々な意味で充実した1日でした。質問するのも答えるのも、事によっては無粋となるか……まあ、その通りだよな。すべての答えは誰かから与えられるものではなく、自分で読み解くもの。物書きのくせに、そうした大前提を忘れそうになっていた。いやはやなんともはやです。まあ、楽しかったので良しとしますか。
アニメ版ヨスガノソラの公式サイトが更新されて、ハルキノソラ(仮)の第4回が配信されました。収録自体は先週の月曜日に終わっていたはずなんですが、どうにもアニメの第1話の放送後に合わせていたようで、編集作業もつい先日までやっていたらしい。内容としては原作元であるSphere広報のかたひとマンをゲストに、前回の配信時に読めなかった普通のメールを読むといった感じです。まあ、それにしたって2通しか読んでないんだけど、今回はグッズ中心でアニメの話題は少なかったかな。

今回の配信で、やっと第1回にあった義理の妹発言についての解説がなされましたね。私の予想通り、穹のことではなくハルキングのプライベートな話題だったらしく、実際に義理の妹がいるのかは知れませんが、一応誤解ということで決着がついた形です。あの発言については広報のところにも散々確認がいったらしいし、ここらで白黒ハッキリさせる必要があったということかな。私としては公式ページであれだけ双子表記されてるのに、義理の妹になったと誤解する方がおかしいと思うんだけど、あれは勘違いするような内容だったんだろうか。むしろ、穹のことだと言っている人の方に違和感を憶えたんだけど。まあ、これで少なくとも双子の兄弟という関係性に対しての憂いは消えたわけですから、その部分に関しては安心しても良いんじゃないですかね。それ以外の不安要素が多すぎるとはいえ、大前提はどうやら守られたみたいですし。
第4回はグッズ話と言うことで、私のメールが読まれてましたね。ハルキノソラで投稿が採用されるのは2回目だけど、ヒデアキングがいない時点で読まれるとは思ってなかったから、ちょっと驚きました。ヒデアキングのグッズ企画であるむねのたにまくらについては、そもそも貧乳娘に谷間なんてものは存在しないので、穹のグッズとしてそれを作るのは難しいんじゃないだろうか。アニメ版仕様なら出来るのかも知れないけど。
ゴスロリ穹の白ワイン巫女みこ瑛の赤ワインのグラスセットを1万円で買うと言ったのは他でもない私だけど、あのときは結構賛同者がいたと思う。確かハルドリパだったと思うけど、グッズのサンプルが沢山展示してあって、事前にスタッフブログとかでも公開されてましたが、中でも一段と目を惹いたのがワインとグラスのセットだったんですよ。冬コミ合わせで作って欲しい、検討して見るみたいな流れには持っていけたんだけど、やっぱり懸念されていた郵送時の問題が表面化したか。売れると思うんだけどなぁ。

他に特筆すべき情報があるとすれば、TV放送連動企画についてでしょうか? 公式サイトのダウンロードページが更新されて、キービジュアルの壁紙が追加されましたけど、連動企画に関しては描き下ろしなども持ってこれるように頑張るとかで、それが実現できるのだとすれば期待せざるを得ません。ただでさえ雑誌への掲載が少ないし、描き下ろしイラストが増えるというのは良いことですから。
ヨスガノソラ通常版についての宣伝もされてたけど、新規パッケージイラストに面白味がなさ過ぎる。わざわざヒロイン全員を描くこともないだろうに、しかも鈴平ひろが絡んでないハッシー単独の一枚でしょ? ハルと穹が良かったというのはもちろんあるけど、少しアニメ版を意識しすぎなんじゃないだろうか。色合いも初回版やハルカナソラに比べて明るめだし、全体的に受ける印象や纏っている雰囲気が違うよね。内容自体は初回版のそれと同じだし、店舗特典が付くわけでもなさそうなので買ったとしても一つだけだろうけど、店頭予約とかはまだしてないのかな。今日、横浜のソフマップに寄ったけど、アニメのBDやDVDとは逆に予約券を見つけることが出来なかった。通販ではもう予約が始まってるはずだから、店頭でやらないって事はないと思うんだけどな。
ちなみにアニメのBDに関してですが、既にアニメイトとゲマ屋での予約は済ませています。後はソフマップ、とらのあな、げっちゅ屋の3店舗ですけど、アニメイトとかと違ってこれらの店舗では予約金として内金が発生するんだよね。500円が平均として、全4巻で2000円。それが3店舗分あるわけだから6000円ですか。げっちゅ屋に関しては通販と店頭、どちらで買うべきなのを決めかねているのですが、通販だと送料がかかるんだよね。店舗なら秋葉原だし、定期区間だから楽に行けるという。
ちなみにDVDも一応買う予定ですけど、これについてはAT-Xショップで買って安く済ませようと思います。店舗特典もないですし、30パーセント引きで買えるならそれに越したことはない。BD20枚買うことが決定しているのにDVDも買うのかと言われそうだけど、ちょっと気になることがあってね。後日詳しく書くけど、BDとDVDで収録話数に開きがあるのは、アニメ版ハルカナソラをやるためではないのかと、そんな予想を立てています。だって、単純計算するとBDの1~3巻が4話収録なら、放送話数である全12話は3巻の時点で埋まるし、そうすると最終巻に収録される5話分が丸々余るじゃないですか? それを使ってハルカナソラをやるんじゃないか、ひたすらハルと穹のイチャイチャっぷりを描いてくれるんじゃないかと、そんな期待をしています。

ハルキノソラの出張版が行われるマチアソビVol.4ですけど、私は正式に参加が決定しています。既に新幹線の指定席は押さえましたし、片道7時間近く、しかも日帰りという強行軍で出陣します。やはり、懸念通り出張版であって公開録音ではないため、イベントの模様が流れると言うことはないらしく、そういった意味では早い段階で遠征準備を進めていて正解でした。当日はプロデューサーや音響担当など、過去にハルキノソラのゲストで来られた方々と一緒に、放送された1話を振り返ったり、そこでしか聴けないようなトークをしたりするらしいです。なんかプレゼントが当たるかも知れないという情報もあるけど、このイベントだけ終了時間が書いてないんだよね……イベント開始の1時間半前に現地着の予定だけど、次のイベントがつちねこのライブだけに多少の混雑は予想されるかも知れない。見た感じ、フリースペースって感じだし。
マチアソビのページに作品ロゴまで載せているヨスガノソラだけど、四国では当然放送していないし、AT-Xの加入率やBSの普及率がどれほどかも分かりません。まあ、ネット見たとかいう奴も中にはいるんでしょうけど、ハルキノソラを目当てに遠征するのなんて、きっと私ぐらいのものでしょう。なにかしら、良いことあるといいんだけどね。3連休の中日でなければ絶対に行かないなと、そんな気もします。
3大アニメ誌にアニメ版ヨスガノソラの情報が一欠片程度しか載っていなかったのは、まあ、仕方のないことだと諦めました。全部読んで載っていたのがアニメディアの1コマ記事だけってのはさすがに堪えたけど、そもそもどうしてメディアは秋新番の妹特集組んだのにヨスガをスルーしたんだ。そりゃあ、メガマガ向けの作品であることは事実だけど、先月1ページ記事があったメージュにも特に載ってないし、ニュータイプに至っては皆無です。精々、第6話までのサブタイが分かったぐらいでしょうか、今月のアニメ誌で着目すべき点があるとすれば。

なので今月読むべきはアニメ誌ではなくゲーム誌、コンプティークになります。コミカライズを連載しているコンプエースの姉妹紙だけ合って、不甲斐ないアニメ誌と違い2ページの描き下ろしフルカラー記事が載っていました。形式としては電撃G’sのそれと同じであり、描き下ろしの1枚絵に文章を載せているという感じ。
絵柄は、穹をお姫様抱っこしているハルに、師匠を頭に乗せた瑛が抱きついてくるという結構美味しいものなんですけど、如何せん絵の出来がね……これまでピンナップや描き下ろしなどのイラストを描いていたのはキャラデザ兼総作監の神本さんと、メインアニメーターの鈴木さんでしたけど、今回の原画を担当してたのは杉山了蔵さんでした。この人もヨスガのアニメでは作監とかをやられている方なんだけど、ちょっとコンプのイラストは癖が強すぎるかな。もちろん、個々の好みというものがありますから、私が一概に酷い出来だとかは言えないんだけど、ハルに対する違和感がアニメの1話見た後だと特に大きい。穹も微妙だし、瑛が気にならないのは彼女だけ横顔だからかな。あくまで個人的な好みではあるけど、電撃G’sに載っていたイラストが好きだったので、コンプのこれには少し首を傾げてしまいます。悪いとは言わないけど、決して良くもない、という感じでしょうか。シチュエーションというか、構図的には最高だっただけに残念でならない。
だって、お姫様抱っこですよ? ハルが穹をお姫様抱っこなんて、それこそファンが求めていた一つの夢じゃないですか。穹のパンツは別に見せなくても良いから、もっと違う部分で頑張って欲しかった。

まあ、絵柄に関しての不満なんて実はどうでも良いんですよ。確かにイラストも大切だけど、重要なのはそこじゃないんです。コンプティークの記事ではアニメ版のシリーズ構成を務める荒川稔久に、本作でスタッフが表現しようとしているテーマや側面は? という話を中心にコメントを貰っていました。
荒川曰く、ヨスガノソラという作品は登場人物が多いので、色々な恋の形が描けるそうで、
「ちょっとした運命の悪戯で、さまざまな恋に発展していくという流れではあるのですが、それぞれの女の子にスポットが当たるようにはなっています」

なんかもう、この時点で違うじゃないですか。そりゃ、瑛や渚さんのファンがいないとは言わないよ? でもさ、私たちが見たいのって色々な恋じゃなくて、ハルと穹のイチャイチャもとい、双子の禁断の関係だけじゃないですか。各ヒロインにスポットを当てるという話はハルキノソラでも聴いたけど、そもそもの話、それを望んでいる人がどれぐらいいるの? これから渚さんと絡んだとして、そのまま渚さんルートで終わるならともかく、そうじゃないだろうに。各ヒロインにスポットを当てること、それ自体を否定するつもりはありませんよ。個別にファンだっていますし、私だって好きですよ。でも、イコールで恋模様にする必要がどこにあるのよ。
相手に好意を抱くのと恋愛感情を覚えるのでは大きく違うし、一度は恋した相手と渚さんとかはどう付き合っていくわけ? 今や最低限キスは覚悟しなければいけないとか言われてる段階で、何故恋愛関係に拘っているのかが分からない。確かにヒロインとの恋愛をメインにしたエロゲではあるけど、なにもアニメーションでそれを両立させることはないじゃないか。ヒロインは沢山いるかも知れないけど、主人公であるハルは1人しかいないんだよ。そしてハルが愛し、結ばれるのも、普通なら1人しかいないはずなんですよ。

さらに記事では驚くべきことが書かれていて、私のその内容に打ちのめされました。
気になるのはヒロインたちと悠の精神的、肉体的な関係は、どのように展開し、どこまで深く描かれるのか。
「アニメ版の悠はヒロインたちに対して、ゲーム版より幾分ポジティブなキャラになっているところがあります。その延長線上でというわけでもないですが、まさか地上波でここまで!? というシーンもありますよ(笑)」

最初から穹以外とのヒロインにおける肉体関係を前提に質問している時点で目眩を覚えそうになったんですが、それに対する荒川稔久のコメントが酷い。ポジティブってなにさ。これが普通の意味でなら積極的な人間であることをいうし、ポジティブ・シンキングのことなら明るくて軽いなどの意味を持つことになる。
あれですか? アニメ版のハルは女の子に積極的な軽い男とでも言いたいんですか? 肉体関係を前提に話されてること時点で嫌悪感や吐き気を憶えているのに、それに対して積極的なキャラであるときましたか。延長線上じゃないって、まさにその延長線に存在していることじゃないか。いつからハルは女の子相手に軽い男になんてなったんだ!
ハルに流されやすい部分があるのは事実かも知れないけど、あっちにフラフラ、こっちにフラフラなんて、ヨスガノソラファンとして、ハル好きとしてはして欲しくないんですよ。固定ルートだと他のヒロインが絡みにくいってのは、エロゲをアニメにする際に発生するネックではあるけど、だからって半端なことはしないでくれ。色々抱えているヒロインをハルが助けるというのならまだしも、ハルが穹以外のヒロインを抱くなんて展開、一体誰が望んでいると言うんだ……精神的な関係だけで言いじゃん、どうしてヒロイン全員との肉体的な関係や繋がりに拘るんだよ、求めるんだよ。そんなのハルじゃないし、私が好きなヨスガノソラじゃない。

僅かな記事しか載っていないアニメディアにも、気になる記述はありました。内容自体は簡単なあらすじ紹介なんだけど、主人公であるハルやメインヒロインである穹はともかく、その後の紹介順に目を見張りました。なんと、渚さん、瑛、奈緒の順番で紹介されているんです。渚さんが瑛より先なんですよ。あぁ、本当に渚さんが前面に出てくるのかと、改めて思い知らされた気分。ちなみに、今後の放送のサブタイトルは、第2話「アキラハズカシ」、第3話「ツカヅハナレズ」、第4話「ハルカズハート」、第5話「ヤミアキラカニ」、第6話「アキラメナイヨ」となってるけど、サブタイだけ見ると渚さんじゃなくて瑛って感じがするよね。まあ、瑛ルートでハルと渚さんは行動を共にしていたから、そういう意味では不自然なコンビでもないんだけど。恋愛関係絡まなければ。
MXの放送を見て、Cパートまでちゃんと放送したことに驚きつつ、考えてみれば一応の主題歌であるピンキージョーンズを外せるわけはないか。個人的には外した方が内容的にも時間的にもサッパリすると思うんだけど、そこはまあ大人の事情という奴で。

私はさ、ヨスガノソラが好きで、春日野悠春日野穹が大好きなんですよ。好きな人だから信じたいし、大切な存在だから守りたいとも思うわけ。けど、それすらも許されずに、大事にしたかったものが次々に否定され、ガラガラと崩されていく現状はなんなのよ。こんな展開と内容になるなら、私は開き直らなかった。ハルがもし上記に書いたような気軽さと安易さを持って穹以外のヒロインと肉体関係を持つようなことがあるのなら……そのときは。
私一人がなにを書いても、どうにもならないことだってのは分かっているんだけど、書かずにはいられなかった。私はもう、ずっと前から追いつめられてます。
その絆を支えたくて
その絆を支えたくて
秋葉原のアニメイト行ったんですけど、アニメ版ヨスガノソラのBDとDVDには毎巻ごとに12Pブックレットが付くみたいですね。メディアによって収録話数がそれぞれ違うとかで、BDが1巻4話収録に対してDVDは3話収録。しかも、BDの最終巻のみ5話収録となっているから、単純計算でBDだけ17話ということになる。他にゲマ屋等の小売店でもこのように表記されていることからミスというのは考えにくく、かなり変則的な販売手法を取るつもりらしい。
ちなみにアニメイトへ行った理由はヨスガノソラのクリアファイルを買うためであり、既に穹botには呟かせてますけど、初のアニメグッズということになるのかな。クリアファイル1枚の値段としては少々高い気もしますけど、アニメイトが出すグッズなんてこんなものでしょう。
URL:http://www.animate-onlineshop.jp/products/detail.php?product_id=1041270
穹メインというわけでもないし、ハルが描かれているわけじゃないから絵柄としてはそれほど面白味のあるものじゃないんだけど、だからといって買わない理由にはならないので1枚買ってみることに。シュチュエーションは明らかに奥木染以外の場所だけど、後方から穹のことを見つめる委員長の姿には、今後の展開を予想させるなにかがあるのかも知れない。

さて、BDやグッズ類の話はこれぐらいにして今日はアニメ版ヨスガノソラの挿入歌である、ツナグキズナについて色々書こうと思います。映像メインをメインに書くことは変わりないんだけど、まあ、なんていうか、私はこの歌がたまらなく好きなんですよ。正直、OPテーマである比翼の羽根よりも大好きで、ここ数年のアニソンでは一番かもしれないというほどハマっています。私は最近のスタチャアーティストというものがどうにも好きじゃなかったんだけど、天乙准花という人はそういうのを軒並み吹き飛ばして私の前に現れたような、そんな鮮烈さを感じました。曲自体はハルキノソラで先に聴いてたんだけど、そのときから自分の中で惹かれるものがあって、それはアニメが放送されて、楽曲に映像がついたとき確信に変わった。あぁ、私この歌に惚れたと、聴き終わった瞬間に思ったから。
ツナグキズナは挿入歌という扱いですが、実質的なEDテーマであることは違いありません。キングレコードの内部でなにがあったのかは不明ですが、CパートのEDを歌うももクロへの配慮があったんでしょうね。現にツナグキズナで流れる映像は本編エンディングアニメーションと書かれていますし、おそらく移籍してくるアイドルユニットのために形だけでも主題歌として箔をつけさせたのがピンキージョーンズなんでしょう。ピンキージョーンズにも申し訳なさ程度にヨスガという歌詞は入ってますけど、あれはあくまでももクロの歌でしかなく、アニメ版ヨスガノソラの歌という意味で考えるなら、私はツナグキズナが断トツだと感じました。ヨスガノソラの原作をプレイした上で作った楽曲というだけであって、作品の世界観や雰囲気というものが上手く表現出来ているんじゃないかと。音だけ聴いたときは少しくどいと感じた部分も、映像がつくと不思議と気にならなくなるんだよね。それだけ作品にマッチした楽曲ということなんでしょう。

前置きが長くなりましたけど、ツナグキズナのエンディングアニメーションは春日野兄妹の軌跡がテーマになっています。見れば分かる話とはいえ、実際にここまで双子であること全面に表現されると降参するしかありません。いや、乳幼児の頃の写真は反則でしょ。別に変な意味じゃなくて、改めてハルと穹が双子の兄妹なんだと再実感したというか、映像を通して2人が歩んできた道を垣間見ることが出来たのは凄い嬉しかった。
過去の光景だけあって両親も結構映ってますけど、穹が病室で誕生日プレゼントを貰っているシーンは印象的だった。コミカライズだと何故かハルが上げたことになってる黒うさぬいぐるみだけど、原作通り穹が選んで母親が買って、という感じなのかな。こうして入院しているシーンを絵で見ると、穹は病弱だったんだなぁと思えてきますね。原作だと設定だけある状態だったし、コミカライズでは活かし方を間違えてたから、こんな風にEDで表現されると違和感なく受け入れることが出来る。本編の台詞から穹は完治してるみたいですけど、そもそもなんの病気だったのか。白髪色白の双子ですから、片方が病弱なんてのは珍しくないし、穹の身体が悪かったのもそれが原因なのではないかなんて言われてましたが、断定できる証拠もないんだよね。容姿は単に外国の地が混じっているからかも知れないし、病気は別の理由かも知れないから。
病弱だった穹が奥木染への避暑に行けたのは春日野家の実家が医院を営んでいたのと、奥木染の気候が良かったからでしょうか? 理由は定かではありませんが、映像を見るかぎりだと穹は祖父母と会ったことがあまりないか、ほとんど初対面にも等しかったらしく、母親の背に隠れています。父親が困ったような、ハルが不思議そうな顔をしているけど、母親は穹の人見知りな性格を分かってか、安心させるように手のひらを頭へと載せてあげています。第1話の中でハルも言ってましたが、穹は夏祭りに行った際も常にハルの背中に隠れていたそうなので、今も昔も自分から積極的に人と接することはないのでしょう。かつての奈緒や、現在の瑛など、心を開いた相手に対しては別ですけど。

次のシーンは自室で赤い座布団に座りながら惚けている穹と、同じく診療所のイスに座りながら両手で唇を押さえる穹です。私はツナグキズナでこのカットが一番好きなんですけど、これは要するに本編中にあった幼少期のハルにキスをされた直後の穹です。唇を押さえたり、頬を赤らめて惚けているのがその証拠で、このことから少なくともあのシーンが穹の妄想などではない、現実に起こっていた出来事であることが分かります。何故ハルは突然キスをしたのか? 穹の泣き顔が可愛かったから、というのも理由にはなると思うけど、単に興奮や欲情からキスをしたとも考えにくい。多分、穹がハルを明確に意識する出来事として描かれたんだろうけど、このときのハルの心情には興味ある。あれが互いに本当の意味でのファーストキスなのか、それとも意識してした初めてのキスだったのか。後者なのだとすれば、日常的ではないにしろ2人は互いにキスの経験があり、そうするとハルの行動と、その後の妄想にも説明は付けられるんだけどね。いや、妄想については前者でも説明できるか。泣いている穹に対する行為としてのキス、あれにはそういう意味があったんだろうし。
奈緒による逆レイプと、それを目撃した穹。OP映像にもあるシーンですから、アニメでもやることは確定しているのでしょう。問題は上記と同じく、そのときのハルの心情描写をどうするのか、ということですけど、アニメ版に限って言えばそこまで嫌がったり、抵抗らしい抵抗はしないのかも知れない。原作だって翻弄されまくった挙げ句に受け入れざるを得ない状況に持ってかれるわけなんだけど……アニメ版はねぇ。ちょっと不安要素が多くて。
サビと共に時間は進み、両親を失ったハルと穹。マンションのリビングでハルに向かって泣き崩れる穹と、周囲にいるのは親戚か、それとも両親の店の人間か。その光景はすぐに消え失せ、家具や調度品のなくなった空っぽの室内に佇む2人。部屋を引き払い、奥木染へ行く直前のようです。
奥木染へ向かう電車の中と、夕日に照らされた奥木染を走る姿。1話のイメージシーンでしょうが、家族やシルエットの奈緒を覗けば、本当にハルと穹だけに特化していますよね。まあ、そこが私の評価を鰻登りにしている理由でもあるんだけど、最後のワンカットだって普通ならああいう正面の並びならもっとキャラがいてもおかしくはないのに、敢えてハルと穹の2人だけなんだから。もっとも、今後キャラが増えていく可能性は否定できないけど。

CDを買うことは既に決定していますが、問題はどこで何枚買うかと言うことです。私がざっと調べた限りだと、今のところ特典が付くのはとらのあなとげっちゅ屋だけです。両店共にアニメブロマイドと言うことだけど、まさか同じものって事はないよな。アニメイトやゲマ屋がなにも付けないのは意外なんだけど、現在のヨスガノソラの高評価っぷりは第1話放送直後のものだから、ある程度先見の明がないと分からないことなんだよね。故に月末発売のCD特典が間に合わないというのも、当然と言えば当然の話です。
そう考えれば今月初旬発売の3大アニメ誌も許せそうな気がするんだけど……詳しくは明日の日記で書きますが、正直私は色々な意味で失望しています。いや、絶望といってもいいかもしれない。私にとってのヨスガノソラという作品が、否定される寸前に来ています。先に書いておくことがあるなら、先月のメガマガなど比ではないってことでしょうか。
比翼の羽根が紡ぐヨスガノソラの世界
比翼の羽根が紡ぐヨスガノソラの世界
比翼の羽根が紡ぐヨスガノソラの世界
大分遅くなりましたが、今日はアニメ版ヨスガノソラのOPである比翼の羽根を徹底分析しようと思います。分析と言っても楽曲そのものではなく、主に映像の方です。楽曲についてはCDが出てからで良いと思うし、歌詞の全体が分からないことにはなんとも言えないしね。比翼の羽根は実にeufoniusらしい歌なんだけど、私はどちらかといえばツナグキズナの方が好きです。理由については次の日記で書くけど、私はそんなにOP映像を評価していないのかも知れません。

力を入れたというだけ合って、確かに比翼の羽根の映像は綺麗だと思います。良く動きますし、現在過去未来に渡ってヨスガノソラという作品の世界観を表現しようとしているのが見て取れる。合間、合間に挟まれる幻想的な表現はともかくとしてね。
最初は自室で座布団に正座する穹が、窓の外を眺めているカットです。確か穹の部屋には座椅子があったはずだけど、この赤い座布団って奥木染ではトレンドなんですかね? いや、ハルが買った自転車の穹専用部分にもこれとよく似た座布団が括り付けてありましたし、挿入歌の映像でも幼少時の穹が同じように座っていましたから、春日野家ではポピュラーなのかな。個人的に白と黒がよく似合う穹に赤はどうなのかと思うけど、まあ、座布団1枚にああだこうだ言っても仕方ないでしょう。
次に場面は湖へと移るわけだけど、いきなり穹ルートのラスト手前を持ってくるとは思わなかった。少なくともこのシーンはアニメでもやることが決まっているのでしょうけど、そこから春日野医院の診療スペースへと切り替わり、室内にいるのに水の中をたゆたうな穹の姿が。全体的に緑色で表現されているシーンだけど、イメージとしては見たままで水というか、湖の中なんだろうね。
草原にいるヒロインたちのシーンは、普通にキャラ見せという意味と各人の位置関係を明確にしていると思います。ヒロイン落ちしてしまったダメイドはともかく、奈緒が真ん中にいて穹が隅っこにいるというのはちょっと微妙かも知れない。もう少し穹が全面に出てきても良いと思うんだけどな。何気に委員長も混ざってますけど、1話を見ても判るとおり彼女の立ち位置はそれほど原作と大差ないような気がします。故に不幸な流れが確定してしまっているのですが、それが彼女の役割なのだから仕方ない。中央にいる奈緒にどれほどの意味があるのか、邪推ならいくらでも出来るけど、OPにおける奈緒のカットは意外と多い。正確に言えば奈緒も映っているカットだけど、春日野兄妹に次ぐ多さです。彼女はハルと穹の過去を語る上で欠かせない存在だけど、第1話の時点では謙虚でしたね。距離を測っているというか、接し方を決めかねている感じ。ただ、入浴シーンの時点でその謙虚さは既に崩れかけていた気がするし、これから前に出張って来ようとするんだろうな。と負う面は、瑛と渚さんの話だとしても。
話を戻して、ここからはまた幻想的なカットがいくつか。何故、穹とハルが飛び立っているのかは分かりませんが、私はどうもこの手の幻想的な部分の読み解きが苦手らしい。演出的に好みじゃないというのもあるんだろうけど、私がOPより挿入歌を評価するのはその判りやすさにもあるのかも。

緑色に照らされた室内で手を伸ばす穹、手にしたアルバムには亮平を除く全キャラが写っている写真がある。穹の手の平が写真を撫でると、そこからハルと穹の姿だけが消え失せる。過去からの登場人物、はだけた服を押さえながら立ち去る子供の頃の奈緒と、それに気付く今現在の穹。そしてそれは列車の窓に映る外の光景となって、幼き日の穹が不安そうに見つめている。その視線は、同じく幼少期のハルへと移り、ハルは穹を安心させるかのように、別の窓の外へと顔を向けた。驚くべき事に、そこにいたのはハルカナソラのハルと穹だった。これは期待しても良いのか、それともただのイメージ映像なのか。この部分に対しての考察は色々あるんですが、後に回すこととします。長くなりますから。
再び幻想描写を挟んで、どこかの道を自転車で疾走するハルと穹。舗装された道路と雲のかかった空という背景だけなので、ここを奥木染だと言い切ることは出来ないかも。印象として、少し高い場所を走っている気がしないでもないし。続く登校風景は、先程のヒロインの顔見せより、やや原作よりに立ち位置を見せているかも知れない。並びは、渚さん、瑛、委員長、ハル、穹、亮平、奈緒という感じですが、唯一の先輩である奈緒が左端にいるのは当然として、渚さんが右端にいるというのも納得がいく話です。アニメ版ではこれからハルと絡んでいくそうですが、本来ならこれぐらいの距離感がある2人ですし。珍しく委員長もいますけど、彼女がハルの隣に並んでいるのは分かりやすすぎるね。当のハルがまったく委員長の方を見ていないのは少々可哀想だけど、ハルが見ているのは空と言うより亮平……か? 亮平はハルから穹へ移っていくような感じだったけど、ハルの視線の高さだけ見ると、奈緒と同じぐらいだから面白くない。穹は勿論、ハルだけを見ていますけど。
ここからは各ヒロインのカットになりますけど、サブヒロインである委員長と、ヒロイン落ちしたダメイドは含まれません。猫の師匠と戯れる瑛と、両親の前でヴィオラを披露する渚さん。渚さんのご両親、特に母親の方はコミカライズでも顔が出ることはありませんでしたが、アニメのOPでもそれは分かりませんでした。夫と同じく和服に身を包んでいますが、ここで着目すべきは髪の色でしょうか? 既に白髪の父親はともかく、見事な黒髪である渚さんに対して、母親の髪の色は瑛の髪を薄くしたような色合いになっています。染めている可能性だってありますし、考えすぎなのかも知れないけど、原作では結局ぼかされましたからね。
奥木染の道を歩く幼少期のハルと穹、そして奈緒。穹と奈緒が手を繋いでいるところを見ると、この頃はまだ仲も良かったんでしょうね。ここからどのように破局を迎えたのかは、次のカットでハルを押し倒し、服の中に手を入れる奈緒という描写で分かると思いますが、EDもそうだけど逆レイプシーンはしっかり描くつもりなんでしょう。その際にハルの心情描写をどうするのかで一波乱ありそうだけど、嫌がってくれとまでは言わないが、抵抗はして欲しい。というか、ハルに肯定して貰いたくないんですよ。実はこの過去の情事って、ハルと奈緒の間で大きく認識が違っていて、ハルはそれに気付いてないんだよね。言ってしまえば、当事者であるのにハルはなにも判っていなかった。これについても、書く機会があれば書きます。
プールの中に沈んでいるスク水姿の奈緒と、湖の底となった診療スペースにたゆたう穹。そこからどうして木々の生い茂る林みたいな場所に移るのかは分からないけど、木々があるにも関わらず、穹がいるその場所には水面のような揺らめきがあります。そして舞台は神社の石段、鳥居の前へと移り……這うと穹がいるのは分かるんだけど、これはなにを意味するシーンなのか。夕暮れの神社というシチュエーションが、ハルと穹に結びつかない。なにか忘れている気がするんだけど、今はまだ思い出すことが出来ません。
3枚目の画像でもあるラストカットについては、最初から言うべき事が存在しないという感じです。これを見せられ、いえ、見せつけられて、ハル&穹ルート以外のなにを信じろと言うのか。限界のギリギリまで挑戦するというのなら、全力で応援して見せようじゃないか。それがファンって言うものです。

分析という割に目新しいことがあまり書けなかったと思うけど、苦手な感じの映像描写だっただけに、弱点を突かれたという感じですかね。既にOP、挿入歌、EDと小分けに切り取ってあるので、それぞれを無限リピートすることが私には可能となっています。実は、一番研究して面白そうなのはEDじゃないかと思ってるんだけど、あれは単なるギャグに見せかけて意外と細々とした情報が散りばめられているような、そんな気がする。気がするだけかも知れないんだけどね。EDについては書くべきかどうか悩んでるんだけど、まあ、ダメモトカイナについても触れてないし、2話が放送される前にはなんとかしないと。書くことが多すぎて、大変だけど楽しいというこの状況。私は結構幸せなかも知れません。
アニメ版ヨスガノソラ 第1話「ハルカナキオク」
2回目も見終わったので、3回目を見ながらアニメ版ヨスガノソラ 第1話「ハルカナキオク」の感想を書きます。考察とか、まあ、色々書きたいことはあるんだけど、1日の日記ですべてを書くには限りがあるよね。実はヨスガ用のブログとか、専用HPという構想は前々から立ててたんだけど、アニメ版を見て決断しました。今月中に作ります。例え、それが自己満足だとしても。

PVと同じシーンから始まった第1話、しかし、流れている音楽は違います。原作のアレンジでしょうか、切なさが混じった曲調が電車内のハルと穹を包み込みます。同じはずなのに、同じじゃない。流れている曲が違うだけでここまで印象が変わるものなのかと、私は素直に驚いてしまいました。一つ一つのシーンが新しく生まれ変わったかのように、PVで使われいたのが原作でお馴染みの曲だったこともあってか、今まさにアニメが始まったという印象を私に与えてくれました。映像も作画も綺麗で、何度も見たはずなのに私は衝撃を受け続けた。
そして流れ始めたOP、eufoniusが歌う比翼の羽根です。
ラストカットがこの作品のすべてを物語っているかのような映像でしたが、詳しくは明日にさせてください。正直、主題歌と挿入歌だけで日記3日分ぐらいは書けそうな勢いなので、今日のところは本編に専念することにします。

ハルカナキオク

奥木染にハルと穹。到着した駅前のロータリーにはタクシーの一台もなく、円形の花壇と正面の道路に自販機があるだけ。売店すらない中で穹はコンビニを求めますが、ハルは簡単に「ないよ、そんなの」と言い放ちます。即座に踵を返す穹ですが、ハルは「すぐそこに大きなスーパーがあるからぁ!」と必死で引き留める。このときの下野弘の演技は若干高めで、少し安定感がないように思えた。うわずったような、とでも言うのだろうか? もう少し落ち着いた雰囲気が欲しかったけど、焦りをイメージしているという意味ではこれぐらいが良いのかもしれない。
穂見の道を奥木染へと目指して歩く2人。穹は右手でハルの服の裾を掴みながら、左手で携帯を打ちつつぬいぐるみを抱えるという器用なことをしています。
「ハル……」
「ん?」
「10分以上歩いてる」
「かな」
原作にもあったようなやり取りですが、ハルが実際に穹の背中を押そうとしている姿は良いものですね。恥ずかしそうに身動ぎする穹は、「いいよぉ!」と一人で歩いていってしまいます。そんな穹の態度にハルは頭を掻きますが、そこへ車がゆっくり目のスピードでやって来ました。田舎道だから法定速度とかないのかは知りませんが、それまで車など通りもしなかったもんだからハルと穹は思いっきり道路の真ん中を歩いていたのです。避けるハルはすかさず穹に声を掛けますが、穹は軽く鼻を鳴らしてハルを一睨み。
「ん?」
携帯の着信に気付いたハルが黒い折りたたみ式を取り出すと、そこには穹からのメールが届いていました。日付は6月20日、時刻は14時44分。本文は「とっとと来て」の一言だけ。
疲れたと言っていた割に1人でさっさと行ってしまう穹に、ハルはなんとも言えない表情を向けるのでした。

ハルと穹を追い越した車に乗っていたのは、渚さんとダメイドの2人。台詞ではダメイド、もとい初佳が他キャラでは一番最初となったわけですが、見かけたばかりのハルを話題に出し、「今の男の子と、すっごい可愛かったんですよ?」と話を振ります。見慣れない姿から旅人ではないかと予想しますが、渚さんは「まさか」と、それを否定します。なにもない町であることを分かっているからこその断言なのか、初佳が窓の外から視線を外さないため、渚さんも自然と身体を後ろへと向けます。ハルのことがモロタイプだというダメイドはまだなにかを話していましたが、空間が車内から車外に移ったので、なにを言っていたのかは不明です。
ニアミスと言うほどのものではないにせよ、最初に登場したヒロインが渚さんというのは興味深かった。メガマガの記事もありましたし、瑛より早いって言うのはね。初佳の方が早い? 既にヒロイン落ちしてるからなぁ……

「これが大きなスーパー?」
一方、穹はハルに連れられスーパーにやってきますが、それはスーパーとは名ばかりの個人商店が少し規模を大きくした程度の物。
「多分、この辺ではね」
店名が、大木奈なのはネタだとしても、そういったことも含めた上でか穹は「最悪……」と肩を下ろします。いや、気持ちは判るよ。その内タカノも出てくるんでしょうけど、私の地元にある一番小さいスーパーより狭いもの。まあ、作りが違うんだけどさ。
店内には瑛がいて、驚くべき事に買い物カゴを4つ同時に持ち上げていました。器用とかそういうレベルじゃなく、確かに店員の佐野さんが言うとおり惚れ惚れとする姿だ。どのカゴも商品が沢山入っているのに、瑛って力持ち設定はあったんだっけ? 運動は得意な方だったと思うけど、店員の反応から奥木染の人がみんなこれぐらい出来るってわけではないでしょう。
レジは全部で2台、後ろに並んでいる客も、隣のレジとお姉さんと客のおばちゃんも、瑛を温かい目で見ています。その後方には、既に店内へと入った穹がお菓子の棚を見上げたり見下ろしたりしていました。瑛が買ったのはどうやら町の爺さんや婆さんのものらしく、足腰が弱ったりして外出がしにくいご老人のために、買い物の代行ってところでしょうか? まあ、原作でもそんなシーンはあった気がするし、特に違和感はありません。
スナック菓子を中心に籠の中へと詰め込む穹と、それを注意するハル。そんな光景を瑛は目撃し、ハルのことを一瞬で誰だか理解したのか、頬を赤らめ見つめています。とはいえ買った物を届けるという仕事の最中、瑛はハルたちに話しかけることなく、「またね、ハル君」とその場を去りました。
「買いすぎだよ穹。普通の食料買いに来たんだから」
持ち合わせがそんなにないのか、財布の中を確認しながらハルが苦言を呈します。
「知らない……それと、ここからはホント歩きたくない」
駄々をこねる穹ですが、返ってきたのは意外な言葉。
「いいよ」
「ここからはもう歩かなくていい」

スーパーを出て、隣の地井サイクルという店に移動したハルと穹。「下見に来たとき買っといたんだ」と、中古らしい自転車を疲労するハル。荷台を穹専用と称するも、穹は「ダサ過ぎ」と素っ気ない。しかし、自転車が走り出すとハルの腰に手を回して、恥ずかしがりながらも2人で穂見サイクリングへと洒落込みます。
少し大回りして行くからな、と自転車を穂見学園に向けるハル。今度来る学校だと紹介しますが、穹はまだ行く気がない様子。無理強いはしないと決めたのか、軽く相づちを打ちながら再び走り出そうとするハルですが、そこに校門から飛び出してきた委員長の自転車と接触しそうになります。PVを見たときは言い争っているのか? と思えなくもないシーンでしたが、そんなこともなく互いに謝罪。
「す、すみません!」
「い、いえ、こちらこ……そ」
ハルの顔を確認した委員長の顔が、見る見る朱色に染まっていきます。さすが個別ルートで妄想癖が明らかになっただけあり、委員長の目に映ったハルは物凄くキラキラしています。一瞬でノックアウトされたのか声を裏返しながら、食い入るようにハルを見つめます。穹はその一目惚れを察したのか、鋭い視線を委員長へと向けるのですが、当の委員長にはまったく見えていないという。
改めて謝罪をするハルに、手を振りながら送り出す委員長。出会いの衝撃としては、確かに大きいのかも知れない。渚さんや瑛と違って、直接的な接触をしたわけだし。

家に帰る前にハルは叉依姫神社へと寄ることにします。買い物の荷物もあるので境内までは上がりませんでしたが、ハルは「夏祭りに来たの憶えてるか?」と穹に語りかけます。穹はいつでもハルの背中に隠れていたそうだけど、ここには少し疑問を憶えた。確か、原作でもコミカライズでも穹は夏祭りに参加したことがなく、作中が初めてでした。別に子供の頃行っていたからといって、なにかイベントが成立しなくなるとか、そんなことはないんですけど、原作設定との際はチラホラ見受けられますね。
「また一緒に行こうよ、浴衣来てさ」
浴衣フラグが立ったのは良いけど、そういや穹は絵こそないものの巫女服も一度着たんだっけ。その辺りのイベントには期待しても良いのかな。
家に帰る頃にはすっかり辺りも暗くなっており、穹は虫の多さに文句をいいます。そういや、バッタとか出てきませんでしたね。映像に出てこなかっただけでちゃんと遭遇はしているのだろうか。白い服は虫を寄せ付けるというし、色々大変でしょう。帰路につく最中、穹は隣家の灯りを見て表情を強ばらせます。そこが誰の住んでいる家なのかは、しっかりと憶えているようです。
「懐かしいだろ? 4年ぶりだっけ」
ハルが最後に奥木染を訪れたのは奈緒に逆レイプをされた年です。それが4年前だとするなら、現在高校1年生であるハルは早生まれであることも考慮すれば当時11歳ということになります。今15歳だというのにもビックリですけど、そうか逆レイプされたのは11歳か……小6ですかね? 原作の描写だと精通はおろか皮すら剥けてなかったと思うけど、小学生なら当然かな。ちなみに逆レイプシーンはOPや挿入歌の映像で少しだけ見ることが出来ます。
まあ、それについては追々書いていくにしても、今日から我が家となる春日野医院には既に引っ越しの段ボールが置かれており、どうやらハルが先に送っていたらしい。原作では引っ越し業者に来て貰い、穹の部屋決めなどがあるんだけど、そういう部分を一切省略して奥木染案内とヒロイン紹介に当てた感じかな。
「ネットは?」
「ごめん、まだ掛かりそうなんだ」
「ないと生きていけない」
アニメでは穹のネットジャンキーな部分を全面に出すのか、それとも原作みたいにハルカナソラまで置いておくのか、その辺りが気になりますね。当面は携帯のネットで、というのは同じですけど。
「どこ行くの?」
徐に包み紙で包んだ箱を持って出掛けようとするハルを、穹が呼び止めます。
「隣だよ、引っ越しの挨拶。すぐ戻るから」
「あっ……」
1人家に置いて行かれた穹は、暗い廊下を見つめながらポツンと立っているのでした。

隣の家というのは依媛さんちですが、奈緒の母親は原作の疲れ果てた感じと違い、割とまともそうな方でした。ハルに対しても、少々余計なことを言っている気はしないでもなかったけど親身でしたし、ハルの祖父である先生へ世話になったというのは、色々な意味で事実なのでしょう。
挨拶をしている最中に奈緒が帰ってきて、ハルがいることに驚きます。しかし、ハルの反応はぎこちなく、あくまで他人行儀。奈緒はどうやら感極まっているらしいですが、避けるように母親の方へ挨拶を済ませます。このときの母親は、当然視線を娘の方へと向けていましたが、やはり思うところがある模様です。
依媛家を後にするハルですが、奈緒と遭遇したことに複雑そうな表情を浮かべます。しかし、なにかに感じ入る間もなく、穹からの催促のメールで家へと帰るのでした。
ここまでが丁度10分程度で、アイキャッチはないのですが多分CMなんじゃないかと思います。丁度シーンが大きく切り替わるしね。10分にしては随分と濃密だったけど、駆け足と言うほどではなかったかな。原作のヒロイン登場シーンがすべてなくなったのは残念ですが、アニメーションという媒体の1話であることを考えれば、これも仕方のないことでしょう。顔見せの必要性がありますからね。その割に亮平は出てきませんでしたが。

舞台は学校へ移り、ハルの転校初日です。原作の描写から、てっきり前の学校の制服で登校するのかと思いきや、普通に黒系の私服でした。担任も意外なほど若く、黒髪おかっぱで眼鏡という今日日珍しい出で立ちをしています。シンプルなハルの自己紹介に少々呆れたようですが、気に触ったという風でもなく軽く流します。結構な好青年というか、ハルの対人能力値が高いからなのかな。教師相手に微笑んで会釈をするとは、さすがハルだ。
即座に委員長が指名され、その際に教室の全体が映ります。モブキャラはともかくとして、そうか委員長は瑛の隣だったのか。何故だろう、委員長的な人は席が後ろの方だと思っていたんだけど、そういや亮平がいませんね。ハルの席の前にいるはずの彼ですが、授業をフケているのか姿を見せません。序盤のあのやり取り、ほんの数瞬で友情を確立させた2人のシーンは好きだったんだけど、ここもカットされてしまうとは。
委員長とは先日会っていますが、緊張のせいか彼女の笑みは震えています。思わず挨拶の拍子につくへとおでこを接吻させてしまうぐらいに。笑いが漏れる教室ですが、委員長の近くに座る渚さんはハルに興味津々なようです。あそこからだとハルの顔は視認できなかったようですが、初佳の言葉と照らし合わせてハルであると直感的に気付いたんでしょう。すごく可愛かったという、あのときの初佳の言葉に「確かに……」と声を漏らします。
瑛の自己紹介は、何気に切ないシーンでしたね。
「やっほー、ハル君! あっきらだよ!」
と、一見するとお調子者の瑛が勢いに任せて馬鹿をやっていると見えなくもないんでしょうが、いや、実際にハルを含めた教室の大半はそう思ったことでしょう。けど、瑛はこのとき敢えて大げさに自己紹介をすることでハルを試したんです。試したと言うよりは確認か、要するに自分のことをハルが憶えているかどうか。結果は普通のリアクションを返されたこともあり、ハルは瑛のことを憶えていませんでした。僅かに残念そうな表情を見せる瑛に気付いたのは、渚さんだけ。先程までハルに興味を向けていた彼女ですが、すぐに瑛へと関心が移ったようです。

その頃、穹は自宅の使われなくなって久しい医院スペースでアルバムを眺めていました。写真とはいえハルと穹の両親が初登場したわけですが、やはり双子は母親似なんですね。髪色や肌の色を考えれば母親に北欧かどこかの血が混じっていてもおかしくなさそうですが、実写ならまだしもアニメの写真だけで判別するのは無理があるってもんだ。父親の方は眼鏡を掛けていますが善良そうな男性で、奥さんや双子に比べると地味な印象を受ける。きっと優しい人だったんだろうね……勿論、両親揃ってですけど。
幼少期のハルと穹がお風呂に入っている写真も残っていましたが、穹の方が見えていなければ大丈夫と言うことなんだろうか。穹は特に気恥ずかしさを憶えるわけでもなく淡々とした表情でアルバムを眺めていますが、ふいに幼少期のハルの写真に指を当てると、そのまま椅子の上で自慰を始めます。
「ハルぅ……」
思い出されるのは幼少期。春日野医院まで避暑に来ていた穹は、部屋から姿を消したハルを探し回っています。ハルは子供らしいイタズラ心からか、単に隠れてからかっているだけなのですが、穹は向きになって探します。しかし、見つからないことに段々と不安を覚えてきたところに背中からハルにおどかされ、驚きのままに薬品棚へと背中をぶつけてしまう。
「危ない!」
自分で驚かしといて危ないもないだろうと思いましたけど、直撃したら重傷では済まなかったかも知れないNo.3069と書かれた薬品の瓶をハルは見事にキャッチ。ちなみに、幼少期のハルの声は下野弘ではなく松元恵さんで、まあ、知っている人は知っている声優さんですね。
薬品瓶をキャッチしたハルは安堵のため息を付きますが、恐怖で頬を上気させ、瞳に涙を浮かべている穹と目が合います。見つめること数秒、ハルの頬も熱くなっていき、彼は迷うことなくそのままキスをしました。妹の唇に、自らの唇を交じあわせたのです。段々と穹の足が開いていくのが細かいというか、かなり衝撃的なシーンです。場所が場所だけにこのままお医者さんごっこと洒落込んでもおかしくはないけど、果たしてこれは夢か幻か。いいえ、単なる現実だと思います。根拠はいくつかありますが、それは後述で。

シーンは再び回転椅子の上で自慰をする穹。回っているので、あんまり見過ぎると目に悪いかも知れない。過去の想い出という感慨に浸っているのか、それとも単にイっただけなのか、回転する以外には特に動きがありません。
そのまま時刻は夜となり、夕食後に穹はハルから学校であった出来事を聞かされます。ペットボトルのコーヒーを飲んでいるのはともかく、夕食は弁当か。コンビニないのにコンビニ弁当っぽいってのは置いて置いて、実は春日野家って原作だと夜ご飯を食べているシーンがほぼなかったりします。
ハルの話の中に始めて亮平が登場しましたが、特に回想が挟まれるわけでもなく、結局登場しなかった。中の人は端役で出ていたのに、なんで出さなかったんだろうか。尺的な問題と言ってしまえばそれまでだけど、亮平のことを話すハルが、まだ彼に対して謙虚そうなのが気になった。友情1日にしてならずなのかな。
「あぁ、それから不思議なコンビがいてさ」
「コンビ?」
瑛と渚さんの名前を出すハルに、女の名前であることを直感的に気付いた穹は不機嫌そうな表情を浮かべます。けどまあ、ハルとしては隣席に座っている女子ですし、委員長よりもインパクトというか、印象に残ったんでしょうね。それは回想シーンからも見て取れることで、なにかと世話を焼こうとする瑛や、そんな瑛の身だしなみを気にする渚さんのやり取りはちょっと面白かった。てか、UVは別に身だしなみじゃない……か?
楽しそうに学園でのことを離すハルに、穹はコーヒーの入ったグラスをテーブルへと打ち付けます。
「ぬるい、砂糖が多い」
もう寝る、とキッチン兼食堂を後にしようとする穹に、ハルが声を掛けます。その表情は、かなり真剣そうだった。
「ゆっくりでいいから……」
「んっ」
「ここで頑張っていこう。僕たちは、2人きりなんだから」
深刻そうなハルに対して、穹は同じような表情を浮かべながらポツリと言い返します。
「そんなの、分かってる」

おそらく翌日、学校でコピーを取っているハル。委員長も一緒ですが、状況的に彼女のノートのコピーを取らせて貰った、というところでしょうか? 折角の機会と言わんばかりに、委員長は初めて会ったときに一緒に居た少女、穹について尋ねます。ていうか、穹のこと認識できてたのかと思ったけど、後ろ姿を見送ってるわけだから当然だった。
穹について知る委員長だけど、このときのカットが格好いいのよ。可愛いんじゃなくて格好いい、キリッとしててさ、なんていうか本当に委員長っぽい感じがして、あぁ、梢はこんな表情も出来たのかと何故だか感心してしまった。
しかし、そんな凛々しい顔も10秒と持たず、委員長ビジョンに映るキラキラハルの赤面してしまい、恥ずかしさのあまり走り出してしまいます。そこでなんと、よりにもよって奈緒とぶつかるわけだけど、学校では先輩と言うこともあってかやや落ち着いています。単に陰気なだけだろうと言えばその通りだと答えますが、出会うと気まずいのがこの2人。奈緒は隣人であり、昔馴染みであることを簡潔に告げますが、ハルはその間一切口を開かず、一言も言葉を発しないのよね。挨拶すらしないで、僅かに細めた視線で奈緒を見るだけ。再会したときもそうだけど、アニメのハルは奈緒を避ける傾向にあるよね。少なくとも、ここまではそうだったんですよ。

回想シーンに入り、バスの待合室で泣いている幼少期の奈緒に、虫取の帰りらしいハルが声を掛けます。けど、奈緒はそんなハルを激しく拒絶し、ハルは近づくことすら出来ません。ここでハルは自分の中の回想を打ち切りますが、自転車で走る奈緒はその続きを思い出すことが出来た。彼女にとっては良い想い出なのかも知れないけど、ハルにとってはどうなんだろうね。思い出し運転なんかしていたせいか、奈緒はハルに衝突しそうになります。
自宅にいる穹はスマートフォンでハルにメールを送りますが、まったく返事が返ってきません。CMのときに気になっていたのはタッチペンだったのかと思いつつ、痺れを切らした穹は自分から家の外へ出てしまう。
「まったくもう、なにして……あっ!?」
穹は見ました。ハルが奈緒を自転車に乗せ、彼女の家まで送っているところを。当然、奈緒の自転車ですから穹専用が汚されたわけではないにせよ、このときの穹はなにを思っていたのか。奈緒の家にすら反応を示していたぐらいだし、相当な衝撃を受けたことには違いないですが、それが表に出ることはなかったような気がする。
奈緒はハルとの接触を避けて、転倒した拍子に膝頭を打ったようです。それで自転車がこげなくなって、仕方なくハルが送ったという感じらしい。ハルも奈緒には思うところがあるのか、それとも生来のお人好し気質からかここにきて声を掛けますが、今度は奈緒の方から距離を置いてきます。関わり合いにならないならそれに越したことはないんだけど、多分それは無理だろうな。残念ながらということばを積み重ねてしまいそうだけど。

帰宅したハルを、仁王立ちの穹が待ち構えていました。
「いっぱいメールしたのに」
ハルは自分が携帯を忘れていたことに気付き、慌てて取りにいきます。どうやら先日の私服と共に脱衣所に置きっぱなしになっていたらしく、そこには穹からのメールが沢山受信されていました。
「ほんっとにごめん!」
仏間で穹に謝るハルですが、穹はここで原作でも印象深い台詞を漏らします。
「逃げたかと思った……」
「なんだよ、逃げるって」
「だって……」
振り返った穹は頬を上気させ、瞳には涙を浮かべていました。その表情を見たハルは、意を決して起ち上がると、徐に穹の肩をつかみ、互いに顔を引き寄せ合って唇を――というのは、ハルの妄想です。何故なら穹は別に泣いてはいませんでしたし、夢から覚めたように瞬きをしたのはハルの方だった。穹はキョトンとした眼でハルを見つめていただけでしたしね。何故ハルがそのような想像をしたのか、それは先程の穹による幼少期の回想が本当で、現実にああいうことがあったからでしょう。仮に、もし穹が本当に泣いていたのならば、ハルは迷わずキスをしたのではないだろうか。ハルはどうにも、そうすることが当然であると思ってそうだ。ちなみに、穹の妄想であるという可能性もこの場合通用するけど、それでも過去の出来事が真実である必要がある。どちらにせよ、そうじゃないと成り立たないから。
「子供じゃないだろ、もう」
穹の頭に手を置くハルだけど、この台詞も結構深い。単に子供じゃないんだからこれぐらいで大げさだと言いたいのか、それとも、もう子供じゃないのだからキスとかはしないと言っているのか、穹の不満そうな、寂しそうな表情は一体どちらに傾いているのか、1話において1番重要なシーンはここだと思いました。

奈緒のお風呂シーンは面白くもなんともないので飛ばして一気に深夜。いつの間にか降り出した雷雨が奥木染を照らします。春日野医院の中も照らし出される中で、穹が部屋にいません。ハルはとっくに自室で就寝中なようですが、なんとそこに穹が現れます。若干虚ろな目をした穹はハルに向かってこう言います。
「いかせて……いきたい……」
驚くハルの前で、穹はベビードールの肩紐に手をかけます。
「穹? あっ!」
ベビードールが畳の上に落ち、下着姿となった穹が頬を上気させつつハルを見つめます。呆気にとられるハルに、どこまでも穹の視線が注がれていく。
「ハル……」

第2話へつづく


最後のシーンの解説を先にしてしまうと、PVから気になってはいたんですが、なんてことはない、これは単に穹のハルと一緒に学校へ行きたい宣言です。ベビードールを脱いだのは制服を作るためサイズを測る必要があったからで、ネタがばれてしまえば大したことはありませんね。勿論、私の予想が外れてこのまま禁断の関係に突入する可能性だってあるけど、普通に考えればこういうことでしょう。第2話は初っ端から3サイズチェックというわけで、私としては今から楽しみでなりません。前述の通り、主題歌と挿入歌については明日の日記に回すので、とりあえず今日はこの辺で。

という風に締めたかったんですけどね、まあ、なんていうかさ、良いアニメだったとは思うよ。Cパート含めて、掴みとしては上手かったんじゃないかなと思う。でも、これは果たしてヨスガノソラなのだろうか? 無論、エロゲとアニメの差違は理解しているつもりだけど、私って原作の序盤が結構好きだったからさ。なんていうか、作品から受ける雰囲気と印象がまったく違うような気がした。アニメはアニメで好きだし、これならBD買っても良いかなとは思うけど、具体的な評価を下すにはまだ早いような気がする。いや、良いアニメなんだけどね。
私の記憶ではアニメ版ヨスガノソラ第1話のサブタイトルはハルカラキミトだったはずなんですが、いつの間にか公式でもハルカナキオクになっていました。先週の時点でMXの番組表にそう載っていたので変だなとは感じてたんですが、先月末に出たアニメ誌には前者で記載されてましたし、MXのミスという判断をした覚えがあります。けど、4日に更新されたアニメ公式サイトを観ると、どうやらハルカナキオクが正解らしい。何故サブタイトルが変更となったのかは分かりませんが、大人の事情って奴でしょうか。

公式の更新によると、アニメ版ヨスガノソラはTV放送連動企画というものがあるらしいです。それがどんなものかは判りませんが、デジタルコンテンツであるらしい。限定壁紙か、あるいは別のものか。後2時間もすれば分かることだけど、確かにサイトを中心とした企画を沢山用意しているみたいですね。
てっきり、今日はハルキノソラも更新するかと思ったんですが、意外なことに第4回の配信をしなかった。収録自体は先週の月曜に済んでいるはずなのに、なにを勿体ぶっているんだろうか。本当に10日のマチアソビで出張版をやるというのなら、今日にでも配信して告知をしなければ間に合わないのではないだろうか。あるいは、特に告知や宣伝の必要がないと思っているのかも知れないけど、確かにまあ内輪ネタのラジオだし、大々的に宣伝したところで人が集まる可能性は低いのかな……普通、こういうのは決定した時点でリスナーに知らせるものだと思うんだが。
まあ、サイトを中心に盛り上げると言っている以上は週数回の更新に切り替えるのだろうけど、スタチャはヨスガノソラという作品を使って新しい商法でも生み出したいんだろうか? ハルキノソラが良い例だけど、内輪や身内を使えば基本的にギャラは発生しないし、サイトコンテンツの充実も特に金が掛かるものではない。放送局も少ないから大々的な宣伝は必要ないし、そう考えると結構楽なやり方ですね。中の人には中の人なりの苦労があるんだとは思うけど、既存の方法に依存せず、新しいやり方を開拓しようという精神は評価しても良いじゃないだろうか。それが成功するかどうかは別としてもね。

アニメ公式のTwitterによると、「どの局も見れないと言う方、何かしら視聴方法を考えています。発表できるタイミングで告知させていただきます」とのことで、私はかなり複雑な気分になっています。AT-X加入組としては、1890円も払って視聴しているのだから、当然ネットでの無料配信とかは止めて欲しいし、まあ、それはMXでの放送もある時点で意味のない考えではあるんだけど、果たしてどんな方法を取ってくるのか。一見するとスタチャらしからぬ慈悲にも見える発言だけど、なにせ相手はスタチャですからね。視聴不可地域のファンを取り込むために、どんな商法を組み込んでくるか分かったもんじゃない。まさか、ニコニコ辺りと手を組むことはないと信じたいが、ヨスガノソラに関してはなにを仕掛けてくるのか本当にサッパリで。
元々、アニメ化自体に否定的だった私としては、あまりこの作品が有名になることを快く思っていなくて、そういった意味でもネット配信などには難色を示しているんだけど、わざわざ公式でそんなことをしなくても、動画サイト等が違法アップロードするんじゃないの? という醒めた見方も出来る。ちょっと調べたんですが、既にいくつかの動画紹介サイトが準備をしており、各違法動画サイトへのリンクをベタベタと張っておりました。youtubeぐらいしか知らない私だけど、動画サイトってあんなにあるもんなんですね。知り合いのアニメ屋がイタチごっこにもなりゃしないと言っていたのが、なんとなく分かるような気がしました。

ヨスガノソラの救済処置については、見たくても見ることが出来ないといった人には喜ばしいことであるし、それにケチを付ける私の方が間違っているのは分かってるんだけど、まあ、こういう辛気くさいことを書くのもこれを最後にしたいよ。第1話放送開始までそろそろ1時間だけど、細かいこととか全部忘れられるような、良い作品にして欲しい。私はやっぱりさ、ヨスガノソラって作品が好きなんだよ。ここ数ヵ月アニメ誌とか買って、アニメの情報やら色々集めたけど、例えそれが原作とは違うものでもヨスガノソラであることには違いないんだなと、そんなことを思えるようになったし。
明日は休みを取ったので、1日中1話を観ていようと思います。日記は比較的早く更新すると思うけど、やっぱり書きたいことはいっぱい出てくるだろうし、速さに拘るよりは中身に拘ろうかなと。それでは、また明日にお会いしましょう。
DreamParty東京2010秋へ参加してきました。このイベント、来年からCOMIC1と同時開催になるらしく、同人とエロゲを天秤に掛けることが出来ない私としては、今から悩みまくっています。なにせCOMIC1は毎回サークル参加がデフォになりつつあるし、これをパスすることは出来ません。しかし、午前中に行かなければ買う物も買えないドリパと両立するのは非常に難しく、例えるならコミケの3日目と企業ブースの初日を同時に行けと言われているようなものです。

まあ、冬コミも終わってないのに来年の春の心配などしていられないし、場合によっては今回が最後の参加になるかも知れないわけだから、とりあえずは目の前のドリパを楽しもうと言うことで今回もアーリーチケットでの入場をしてみました。特段、欲しいものがあったわけじゃないんだけど、朝早くから行くのも面倒くさくて、金で時間が買えてしまうなら買ってしまおうかなと。ダメですね、人間楽なものを知るとすぐそれに依存してしまう。
最初に並んだのはCUFFSブースで、なにか面白いものでもないかと少しだけ期待をしていましたが、置いてあったのは新作テレカが2枚と夏コミグッズのあまり、それにヨスガと夏ノ雨のVFBだけでした。あぁ、そういえばさくらむすびのVFBも置いてあったけど、まさかあれが掃除している際に見つけた懐かしいグッズだったのだろうか。ヨスガノソラの新作グッズがないことは知っていたので期待はしてなかったんですが、過去に販売したものでなにか掘り出し物でもないかなと思っていたので少し当てが外れました。まあ、あったらいいなぐらいだったので別に構わないと言えば構わないんだけど、アニメ放送直前にしては勢いがないかなと感じたり。確かにアニメのポスターはベタベタと4枚ほど貼ってましたが、絵柄にしても既存のものだし、特に目新しさは感じられない。そう考えると、ヨスガノソラの色合いが非常に薄いドリパだったと思います。
CUFFSとCUBEの新作テレカ以外に買う物もなかったので、なんとなく隣のCLAPWORKSブースへ。ここではなにかしら買うと野サクの主題歌CDをくれるという話だったので、一番安い台紙付テレカを購入しました。CDの他にも缶バッチをくれたんだけど、なにせキャラとかまったく知らないのでテレカに描かれているのと同じキャラをチョイス。でも、特に好みというわけでもないんだなこれが。

テレカの購入を終えた後は会場内をブラブラ。新作抱き枕を売っていたORBITブースで足を止めて、のどかの抱き枕を買うか買わないかで大いに悩む。2wayトリコットのライクラで8000円という値段は非常に安いと思ったけど、なにせマチアソビに行くか行かないかで悩んでいる私です。1万円近い出費をここでするというのは非常に勇気がいることで、もう少し考えてみようと、ねこねこ&コットンのテレカとか買いながら会場内をグルグルしてました。そして、やっぱり欲しくなってORBITブースへ戻ってみると……予想はしていたけど完売してたんだな、これが。まあ、そうなるだろうなとは予想していたんだけど、買わないで後悔することが多い私としては結構ショックでして。だったら最初から買って置けよと言われそうだけど、ちょっとだけ自暴自棄になった私は何故だかその足でminoriブースへ直行。レイヤーと少しだけ話して、あろうことか千尋の布団カバーを買ってしまった。値段は同じく8000円、結局同じ額を使っている始末です。
いや、うん、仕方なかったんだよ。なんとなく昨日暇だったから、積んでいた天使の日曜日をプレイしてさ、自分の中でefキャラが凄い高い位置にいたんだよ。実はのどかの抱き枕を即買いしなかったのも、千尋の布団カバーと迷っていたからで……はは、それでも一度はのどかを選んだんだけどね、まったく上手くいかないものだ。
千尋のカバーを買った後は無料配布物などをゲットして回り、戯画以外は大抵回収したのかな? 戯画は何時から配布だったか分からなかったのと、早く帰りたかったこともあってスルーしました。JINKIのプレリュードブックは興味あったけど、配布時間も分からないものを延々と待ってもいられないので。配布と言えば、minoriブースはバインダーを持っていなかったので参加できなかった。まさか、あれを再配布するとは。下調べが不十分だったばかりの失敗ですね。

帰る前にCUFFSブースに寄ったら広報がいたので、少しだけ質問をしてみました。というのも、以前に広報発案で作ると言っていた等身大黒うさぬいぐるみ穹の指輪は、その後どうなったのですかと、そんな質問をね。本来なら、この秋ドリパで出すはずだったものですし、もしかしたら、また企画倒れになっている可能性もあったので。だから進行状況の確認的な意味で訊いたら、これが物凄い意外な答えが返ってきてさ。
「いや、それが日中関係の影響で中国との連絡が取れなくなって」
一瞬、耳を疑ったけど、嘘を言っている表情でもなかったので信じることにした。
「中国の業者から1ヵ月以上音沙汰がなくて、オタクのみんなは日中関係なんて実害はないとか言ってるけど、裏ではかなり死活問題に……」
どうやら昨今世間を騒がせている日中の複雑な関係と対立は、オタク産業にも多大な影響を与えているらしいです。それでも広報としては年内合わせに向けて頑張ると言っていますが、冬コミまでに間に合うのかどうか。まさか、世界情勢にエロゲグッズの製作まで左右されるなんて、エロゲはジャパンオンリーとか言いつつ頼るところは海外頼りなのがなんとも言えない現実ですね。

千尋の布団カバーを買ったせいで思ったより金を使いましたが、それでも2万円以下に済ますことが出来たので、まあ、こんなもんなんじゃないかなと。のどかの抱き枕が心残りだけど、縁があればその内再会することもあるでしょう。ステージイベントやブースイベントには一切参加しなかったけど、今回はメモリアルライブがありませんでしたね。前回の野サクの時点で無料になっていたライブですが、遂に開催もされなくなってしまったのか。HOOKとかも来てなかったからトークショーも聴かなかったし、そういやメロンブックスもいなかったな。そういった意味では、誰かが言っていたようにメインとなるものが少ない、物足りないドリパだったのかも知れません。
地元の書店で電撃 G’s magazineを立ち読んでたら、アニメ版ヨスガノソラの描き下ろしイラストの2ページ記事が載っていたので即購入しました。メガマガや娘Typeと違い作品解説みたいのはなかったんですが、穹、瑛、渚さんの描き下ろし私服イラストが可愛かった。私服といっても、瑛は巫女服なんだけどね。シチュエーション的に春日野家みたいなんだけど、瑛はともかく渚さんはどうしているんだろう。

3誌ほど読んで思ったことなんですが、アニメ誌というか、作品的にはこの3人を全面に出す方向で行くんでしょうか? まあ、瑛や渚さんだって可愛いから構わないんだけど、それでも穹が中心にいることは変わらないらしい。電撃G’sは文章が少ないけど穹が目立っている感じで、メガマガと比べて色気こそないですが、風のようにふんわりとした雰囲気にはあざとさがなく、なんとも落ち着いた気分になれます。先のピンナップも好きだし、メガマガのを良い感じだと思ったのも事実だけど、絵的には電撃G’sの方が好きかも知れない。
記事そのものに特筆する部分は少ないけど、悠に兄以上の感情を抱く妹の穹の存在が、やがて大きな波紋を呼んでいくという穹シナリオを感じさせる記述もあったし、まあ、満足できる内容ではないかと。
ちなみに、メガマガと娘Typeもそうなんですが、今回のピンナップなど描き下ろしをイラストを担当したのはキャラクターデザインの神本兼利ではなく鈴木豪でした。スタチャというかfeelではD.C.Ⅱやキスシスの作画監督で知られるアニメーターですが、確かに先月号のメガマガピンナップと比べると、デザインに明確な差があるよね。ヨスガには作監ないし補佐として関わっているんでしょうけど、私はどちらかと言えば鈴木原画の方が好みかなぁ。いや、神本さんも好きなんだけどさ、電撃G’sの描き下ろしにはメガマガ以上に惹かれるものがあった。単純な色気だけで考えればメガマガの方が何十倍も上なんだろうけど、露骨なエロに疑問を憶えないでもなかったから。まあ、ピンナップ保存のために後2~3冊買うこと決定しているんだけどね。ほら、額とか入れて飾りたいし。

アニメ公式サイトの更新があるかと思いきや、今日はありませんでしたね。Twitterによればサイトの更新はイレギュラーになるそうで、次はアニメ第1話の放送日である4日らしい。金曜更新を止めて今後もこれでいくのかは知りませんが、これまたTwitterによると皆様に楽しんで貰える企画考えているらしい。企画を用意してくれるのは良いんだけど、出来ることなら手間の掛からないものが良いな。金はいくら掛かっても出すつもりだけど、時間だけは簡単に用意出来るものじゃないから。
しかし、現状ハルキノソラとかを楽しんでいるのが私以外に何人いるのか……ハルキノソラも月曜に収録したなら今日配信してくれれば良いのにね。多分、4日更新に合わせてくるんでしょうけど、楽しみにしていただけに残念でならない。
そう、ハルキノソラで思い出した! なんか、急な話なんですけどハルキノソラ出張版なるものがやるらしいです。私も情報を知って間もないんですが、なんとあの徳島市主催のイベントであるマチアソビ内で企画が為されているとか。
マチアソビ公式サイト
URL:http://www.machiasobi.com/
サイト内にあるPDFで、10日に開催されるイベントの所に載っているんですが、いくらキングレコードも関わっているイベントだからって、ハルキノソラの出張版をやるとは大胆ですね。一体誰が見に来るんだよと思いながら、私は旅支度を始めていますよ。お前、行くのかよって? 新幹線と特急のチケットが取れれば出すけどね。四国には行ったことないんですが、ヨスガノソラと聞いては黙っていられません。例えハルキノソラだとしても、ヨスガのイベントであることには変わりがない!
3連休の中日とはいえ、翌日はヨスガノソラの第2話も放送されますし、泊まりがけではなく日帰りの強行軍で行こうと思います。足利に行ったばかりだし、宿泊費を捻出が難しいので。同じ理由で飛行機にも乗れない。4時間ほど移動時間を短縮できるんだけど、往復の交通費が3万近く違うし、それに空港から徳島駅は遠い。新幹線と特急の乗り継ぎにはなるけど、6~7時間掛けて横浜から徳島に向かった方が……まあ、自分でも馬鹿なことを考えているとなとは思うけどね。悲恋堂の店主にも頭を冷やしなさいといわれたし。

私がこれまで興味を示さなかったマチアソビに行こうとしているのは、勿論ヨスガノソラが理由ではあるんだけど、そもそもやるのは出張版であって、公開録音でも公開放送でもないんですよ。つまり、実際にサイトで配信されるかどうかも分かりませんし、イベントのみの特別版という可能性もある。私はそれが不安でね。遠出は嫌いだし、行ったこともない四国に1人で行くことには抵抗があるけど、最早行くしかないという状況です。
もしかしら、ヨスガノソラ関係の物販とか無料配布があるかも知れないじゃないですか。まさか、ハルキノソラの出張版をやるだけで終わりはしないでしょう。誰得というか、そんなイベント誰が観に行くんだ。いや、私は行くけどさ。他にもめぼしいイベントはあるみたいだし、忙しない日程だろうけど楽しんでこようと思います。出張版が何分のイベントになるかは知りませんが、たった15分のためだけに徳島へとかだったら笑えますね。割に合わないことこの上ないけど、アニメ化に合わせて出費が増えるのは覚悟していましたし、頑張るしかない。悲恋堂なら、その頑張りを他のことへ向けなさいとか言うんだけど。でも、あいつ普通に徳島の名産品とか調べだしてたな。金無いって言ってるのに。というか、店主がついてきてくれれば道中暇しないんだろうなぁ。電車で寝るの苦手だし、7時間近くなにしてれば良いんだろ。

そういえば、例の春日野穹B0タペストリーだけど、デジクラフト社からメールが届きましたよ。やっぱり、購入者からの苦情が殺到したのと、CUFFSからも改善要求が出されたようで、社内にて対応策を検討中だそうです。具体的なことはまったく決まってないみたいですし、作り直すとも明言はしていないのですけど、まあ、交換自体は最初から応じてくれていましたし、私も既に手持ちのは全部返送してしまったから、今後の対応を見守ることにします。どうやら2次ロットの発送も遅れるみたいだし、年越しは覚悟する必要がありそうですね。あるいは手持ちのものはそのままに、新しいのが自動的に届けられる見たいな、夏ノ雨の抱き枕と同じ対応が為されるかも知れないけど、大きさ的に10本とか部屋に置いておけないし、送り返して良かったと私は思います。
ところで、今日の更新で情報を発表するとか言っていたヨスガノソラ通常版はどうなんったんだろう? 今のところ、CUBEしかシナリオライターしかスタッフ日記書いてないんだけど。ドリパ前にこれで良いのかな。
アニメ版ヨスガノソラ メガミマガジン11月号&娘Type12月号掲載情報
今月も買うなら娘Typeよりメガミマガジンって感じですかね。元々雑誌としてメガマガの方が評価高いってのもあるけど、アニメ版ヨスガノソラの記事やピンナップに関しては、完全に娘Typeを上回っていると思う。学研がスタチャ作品に力を入れる理由は分からないでもないんだけど、角川の雑誌で扱いが小さいのにはなにか理由があるのかな。コミカライズもアニメと入れ替わりで終わりそうな雰囲気だし。

先に娘Typeの記事とピンナップに付いて解説しますが、相変わらず記事は小さいです。前回は一応、カラーとモノクロにページがあったんですが、今月号は半ページ記事があるだけで、使われている画像もPVのものと新鮮味がありません。アニメージュと同じように妹特集に引っ掛けて穹重視の紹介をしていましたが、如何せんボリュームが足りない。しかも、ピンナップは自転車二人乗りの瑛と渚さんですから、裏表紙のアニメ版メインビジュアルに釣られて買うと痛い目を見るかも知れませんね。私は他のヒロインも大好きだし、あくまで情報収集を目的に買ってますから問題はないんですけど、穹目当てという人は慎重になったほうが良いと思う。ヨスガノソラという作品そのものが好きで、アニメ版の絵柄も大丈夫という人なら、描き下ろしピンナップのために買っても良いんだろうけどね。そこら辺はまあ、個人の好みとしか言い様がない。
記事に関してはこれといって特筆するものがないし、監督のコメントも当たり障りの無いものではあったけど、モノクロページにあった放送中ないし放送開始前のアニメのスケジュールを紹介するコーナーで、ヨスガノソラの1話から4話のサブタイトルが判明しました。
第1話「ハルカラキミト」(10月4日)
第2話「アキラハズカシ」(10月11日)
第3話「ツカズハナレズ」(10月18日)
第4話「ハルカズハート」(10月25日)

という感じで、例の「ダメモトカイナ」とかいうのは見受けられず。やっぱり、Cパートのタイトルだったんですかね? サブタイだけ見れば、なるほど最初は普通に瑛&渚さんルートに行くのかと思い、当然のように瑛がメインとなることを疑いもしなかったんですが……まさか、そうじゃなかったとは考えもしませんでした。

メガミマガジンはカラーで2ページの特集記事を組んでおり、アニメ誌等に載ったヨスガノソラの記事としては今のところ最大級のボリュームです。描き下ろしのピンナップは瑛、渚さん、穹の3人でプール掃除をしているシーン。さすがはメガマガ、サービスシーン全開の絵柄に私は雑誌片手に1日引き篭っていたいと本気で考えてしまいました。今も正直、さっさと家に帰りたいし。
特集記事では穹をお着替えから乙女心まで、お兄ちゃんに頼り切りの姫様系妹と定義して、その魅力を存分に伝えてくれています。使われている画像は新規のものばかりで、ピンナップと合わせて全体的に穹のサービス絵が多い印象を受ける。病弱で儚げな温室育ちといった表現も正しいように思えますし、どうやら部屋に蚊が出てくるイベントはやるらしい。原作ではバッタと同じく虫にまつわるエピソードだけど、他にも自転車の荷台がハル曰く「穹専用」になったり、オリジナルな部分もあるみたい。というか、やっぱりあの自転車は一人乗りだったのか。あるいは二人乗り用の自転車かな? と思ったんだけど、ハルの後ろに乗る穹の可愛さといったら……もう最高だね!
穹の下着姿のカットもあったけど、シリーズ構成の荒川曰く「穹としては悠を挑発しているところもある」とのこと。暗闇の中、下着姿でハルの前に立つ穹というのは、PVに出てきたそれによく似ていますが、あのときはベビードールを脱いだら裸でしたし、あるいはTV版の修正、規制なのかな? まあ、シーンがシーンだけに穹がハルに衝撃の告白をするというのは納得ですし、こんなご褒美があるならいくらでもお世話します! というライターの文章には全力で同意してしまう。けれど、それが出来るのはハルだけで、ハル以外がやっちゃいけないという。
娘Typeと違いメガマガでは監督の高橋さんと、構成の荒川さんのインタビューみたいのがあって、基本的にはハルと穹の関係や、穹が如何に可愛い存在であるかという話なんだけど、最後の方にアニメ序盤の流れが簡易的ではあるけど解説がなされています。ここには本当に驚いたというか、私が予想もしていなかった記述がなされていた。
なんと、「悠と一線を超えたい(?)」と考えている穹当面のライバルといえそうな存在が、渚一葉だというのです! え、なんで渚さん? 瑛じゃないの? と、あまりの事実にポカンとしてしまった私ですが、衝撃の流れはまだまだ続きます。
「悠が一葉と瑛のある秘密を知ってしまうのですが、それ以降、彼は次第に一葉との距離を縮めていきます。そしてついに……」(高橋監督)

そしてついに!? なにが起こるというんだ! いや、渚さんと瑛は対となるシナリオの持ち主ですから、例え瑛ルートに入っても彼女とは密接に関わることになります。もちろん、ヒロインやるのは自分のシナリオの方ですけど、だからといって彼女の存在感や出番が少ないわけでもなく、例えばコミカライズは瑛寄りな流れではあったけど、沢山出てきましたよね? 天女目瑛という少女は穹には及ばないまでも人気の高いヒロインで、原作のパッケージに穹とともに書かれるなど、作品としても重要なキャラクターです。だから、穹以外のルートをやるのだとすれば彼女をメインにするのが当然で、コミカライズが選択したようにアニメもそうするのであろうという先入観が私の中にあったのも事実。そして、それは今、完全に否定されてしまった。
考えて見れば穹ルートでの瑛の立ち回りを考えると、必要以上にハルとの関係を深めず、恋愛関係にならない方が良いんでしょうね。踏み込み過ぎると深みにはまるし、穹ルートでハルと穹の関係をこっそり取り持つ際に支障が出るかも知れないし。
分析すれば、敢えて瑛ルートを選ばなかったことも納得は出来るんですけど、それにしたって渚さんルートで行くというのは予想外だった。一欠片も、これっぽちも考えていなかったよ。しかも、監督の思わせぶりな発言を見る限り、ハルとかなり親密な関係になりそうじゃないですか? 恋愛関係まで発展するのかは分かりませんけど、私としては以前にも書いたとおり、ハルは穹以外とそういう関係になって欲しくはないんですよね……さすがに抱いて抱かれるといったことはしないと信じたいが、エロ重視で行くと明言されているから不安だ。最終的に穹とくっつくのだとしても、その前に誰か他の少女と関係を持つっていうのはねぇ。奈緒は仕方ないにしても、ハルの精神的な潔癖さが否定されてしまうじゃない。それこそ、どこぞのエロゲの主人公みたいに性的な部分にだらしがないってことになってしまう。それだけは、絶対に避けねばなりません。
渚さんは本人も言っているように元々ハルとの相性があまり良くない少女で、それ故に鉄壁ともいえるガードが崩れたときが最高に可愛いってのは私にも分かります。そこが渚さんの魅力ですし、確かに堪らない瞬間だとは思いますよ。けど、彼女が穹のライバルと言われると……なんか首を傾げてしまう。だって、渚さんって原作で穹と会話したことないんだもん。皆無ではないと思うけど、ほとんどないからね。まあ、序盤の穹は学校に通わないみたいだから接点も生まれようがないのかも知れないけど、渚さんルートで始めてアニメとしての掴みは大丈夫なんだろうか? 渚さんは好きだけど、それでも人気や魅力に置いて瑛に勝るものとは思えないし。これが無難な選択と言えるのだろうか。

アニメ版の設定として、例えばハルが性的にだらしない部分があるとか、そういうのが付け加えられたらどうしよう。まさか、そんなことあるはずないとは思うけど、別に説明できないわけじゃないんだよね。過去にあった奈緒との一件以降、後遺症的な感じで性的な部分が目覚めてしまったとか、理由を作ろうと思えばいくらでも作れます。大体、ハルは美少年ですから、都会にいたときだって告白ぐらいはされたこともあるでしょう。最近じゃ、お付き合いしていなくてもそういう関係になることは多いというし、場合によってはハルのキャラクターが改変される可能性もある。改変どころか改悪でしかないと思うけど、ハルが穹以外の少女と関係を持つのだけは、本当に勘弁してくださいといった感じです。

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